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蜜蜂と遠雷(恩田陸)

3年に一度開催される芳ヶ江国際ピアノコンクールにはジンクスがあった。
「ここを制する者は、世界最高峰のS国際ピアノコンクールで優勝する」
マサル・C・レヴィ・アナトール、栄伝亜夜、風間塵、高島明石。数多くの天才たちがひしめくコンクールを、彼らは勝ち抜けるのか?最後に栄光をつかむのはいったい誰なのか・・・?

本を読んだのではない。本を通してコンクールのピアノ演奏を聴いたのだ。そんな感じがする。コンクールで勝ちあがるための壮絶ともいえる演奏。聴こえるはずのないピアノの音が、この本を読んでいると聴こえてくる。音符の洪水が、圧倒的な迫力で押し寄せて来る。いったい読み手をどこに連れて行こうとしているのか?宇宙のはるかかなた?壮大な自然の真ん中?ともかく、読み手は翻弄される。素晴らしい音の波に。
はたして、コンクールで優勝するのは誰か?できればマサル、亜夜、塵、明石、この4人すべてに優勝の栄冠を与えたい。そんな気持ちになってくる。どんどん本を読み進める。いや、コンクールを聴きに来た聴衆のひとりとして音楽を聴き続けていく・・・。文章を読むだけで音楽を楽しめるなんて!素晴らしい音楽の世界に浸れるなんて!この作品は何なのだ!恩田陸のすごさをあらためて実感した。
読後も強く余韻が残り、頭の中ではいつまでもピアノの音が鳴り響いていた。500ページの大作だが、一気読みだった。ラストには素晴らしい感動が待っている!久々にとても面白い本にめぐり会い、大満足♪ オススメです!



| 恩田 陸 | 21:16 | comments(0) | ゆこりん |


潮騒のアニマ(川瀬七緒)

小さな離島でミイラ化した女性の遺体が発見された。死後3ヵ月を経過したと思われる遺体は、首つり自殺として処理されようとしていた。だが、法医昆虫学者の赤堀は、遺体がいつもとは違うことに気がついた。「虫の声が聞こえない。」はたして、この遺体に隠された謎とは?法医昆虫捜査官シリーズ5。

犬がどこからか運んできた女性の遺体は、首つり自殺をしたものと思われた。だが、遺体を中心にしての昆虫相が全く組まれていない・・・。どうすればこういう状態になるのか?いつもは虫たちの声を聞く赤堀は戸惑った。それでも、根気よく赤堀は現場からわずかな手がかりを探し出した。しだいに、遺体となった女性の人生が浮かび上がってくる。彼女がなぜこんな小さな島までわざわざやって来て命を絶ったのかが見えてくる。周りの人間の身勝手さや醜さが浮き彫りになってくる。事件が解決されても、満たされない切ない想いがつきあげて来た。
今回も赤堀は大活躍だった。この作品は、シリーズ1〜5の中で一番ウジの数が少なかったように思う。大量のウジが登場するだろうと身構えて読んだが、拍子抜けだった(笑)。そのかわり、他の生物が圧倒的な迫力で登場する。危機感を感じる赤堀だが、その生物は人間が持ち込んだものなのだ。生き物を人間の都合のいいように扱うことは、絶対にしてはいけないと思う。
じっくり考えれば疑問なところもあるが、楽しめる作品だと思う。いつも言っているが、虫の好きな人だけではなく、虫の嫌いな人にもぜひ読んでもらいたい。虫の生態は、ミステリーより面白いかもしれない。



| 川瀬 七緒 | 21:57 | comments(0) | ゆこりん |


恋のゴンドラ(東野圭吾)

桃実と一緒にスキー場にやって来た広太は、ゴンドラに乗り合わせた4人の女性の中のひとりを見て驚愕した。それは何と、同棲相手の美雪だった。しかも!彼女とは結婚することになっている。「ゴーグルとフェイスマスクを外すわけにはいかない。」「声を出すわけにはいかない。」広太の地獄の時間が始まった・・・。「ゴンドラ」を含む7編を収録。

桃実、秋菜、麻穂、美雪、広太、栄介、春紀、直也の8人の男女が繰り広げる恋の物語だ。7編の短編はどこかで微妙につながっている。同棲相手の美雪を騙して桃実とスキー場にやって来た広太の顛末は?美雪と桃実、ふたりの女性の関係は?そして、そこに他の男女5人が関わってくるわけだから、話はややこしくなる。8人の男女はもつれにもつれていくようだが、実は収まるべきところに収まっていく・・・ように見えた。だが、ラストでは意外な結末が待っていた。一番バカだったのは、広太だったのか・・・?
登場人物が個性的に描かれ、内容も面白かった。次はどうなるのかと、読んでいてどんどん引き込まれた。肩ひじ張らずにサラリと読める楽しい作品だと思う。



| 東野 圭吾 | 21:04 | comments(0) | ゆこりん |


氷の轍(桜木紫乃)

北海道釧路の海岸で、他殺体が見つかった。被害者は、札幌に住む80歳の滝川信夫という男性だった。身寄りのない独身の老人が釧路にやって来たのはいったいなぜなのか?釧路方面本部刑事第一課の大門真由は、生前の滝川の足取りを追うことにしたのだが・・・。

過去のことを忘れた者、過去のことを忘れようとしている者、過去をいまだに引きずっている者、がいた。その者たちをつなぐ過去のできごとは、今では考えられないような貧しい時代に起きた悲劇だった・・・。
過去を引きずる者は、償いを考えた。だがそれは、自己満足に過ぎなかったのではないか?
「善意のひとだったと思うんですよ。言葉も行動も、なんにもずれがない。ずれがないから、他人の嘘と都合にも気づかないし、気づけない。」
この言葉がすべてを物語る。誰もが必死で生きていた。誰もが他人を貶めたり傷つけたりすることを望んではいなかった。けれど、悲劇は起こった。いったい何を責めるべきなのか?その答えはとても出せそうにない。
ひとつ気になったのは、この作品が「砂の器」(松本清張)に何となく似ていることだ。それは、他の方も指摘している。読みごたえのある面白い作品だと思うが、感動!とまではいかなかった。



| ”さ” その他 | 09:32 | comments(0) | ゆこりん |


向田理髪店(奥田英朗)

過疎に悩む田舎町だけれど、そこに住む人たちには人情があった。息子の問題、親の介護問題、異国の花嫁、映画のロケ地に決定などなど、次々起こるできごとに、町のみんなが協力し合う。北海道の寂れてしまった炭鉱町を舞台にした心温まる物語6編を収録。

過疎化が進みどんどん衰退していく町。何とか街を活性化しようと、若者たちが立ち上がる。そんな町に、いろいろなできごとや問題が起こる。その内容はかなり深刻なものだと思う。だが作者は、話が暗くならないようにそれらをユーモラスにさらりと描いている。
小さな町だ。だから、何かが起こるたびに住人達は一致団結して事に当たる。その団結力は素晴らしい。他人のためにそんなにも一生懸命になれるものなのか。今の世の中、「自分のことで手いっぱいで他人のことなどかまっていられない。」そう言う人間が多いのに・・・。
ほのぼのとしたいい話ばかりだと思う。けれど、ひとつ気になったことがある。それは、この本の中で使われる北海道弁だ。すごく違和感がある。北海道生まれの北海道育ちでない人間が書くと、こうもひどい北海道弁になってしまうのかとがっかりした。この本を読んだ人に「北海道の人はこういう言葉を使うのか。」と思われるのはすごく悲しいし、くやしい。もっと北海道弁のことを調べて適切に使ってほしかったと思う。面白い話だと思うだけに、そこのところがすごく残念だった。



| 奥田 英朗 | 15:12 | comments(0) | ゆこりん |


無私の日本人(磯田道史)

寂れていく宿場町。「このままでは町が危うい!」町の行く末を案じた穀田屋十三郎は、同志とともに命がけの行動を起こす。「穀田屋十三郎」を含む3編を収録。

「穀田屋十三郎」「中根東里」「太田垣蓮月」。この作品の中の3つの話は、どれも実在した人物を取り上げている。
穀田屋十三郎は、寂れゆく町を救うために藩に金を貸し付けてその利子を全住民に配る仕組みを考えた。だが、それは大変なことだった。一歩間違えば、全財産だけではなく自分の命や家族の命が無くなるかもしれないのだ。そういう不安や恐怖と闘いながら、十三郎たちは目的を遂行するために奔走する。そして奇跡が・・・!とても感動的な話だった。
中根東里は、「詩文においては中根にかなうものはない。」と言われるほど詩文の才能に超越していた。だが彼は名声を好まない。むしろひとりの平凡な人間として生きることを望んだ。現代に彼の作品がそれほど多く残されていないのがとても残念だ。
太田垣蓮月の人生は波乱万丈だった。彼女の人生は読めば読むほど切ない。多くの苦しみや悲しみを経験した蓮月は、自分のことよりもまず他人のことを考えた。困っている者には惜しみなく金銭や物を与えた。欲を完全に捨て去った生活は、他の者には絶対にまねのできない生活だ。人はこれほどまでに他人に尽くせるものなのか。彼女の生きざまから、多くのことを学んだ。
こんな立派な日本人がいたとは!この本を読まなければ、おそらくこの先もずっと彼らの存在を知らなかったと思う。この3人に光を当ててくれた作者に感謝したい。この本を多くの人に読んでもらいたい。そして、3人の存在を多くの人に知ってもらいたい。強くそう願う。



| ”い” その他 | 06:51 | comments(0) | ゆこりん |


暗幕のゲルニカ(原田マハ)

20世紀を代表する絵画、ピカソの「ゲルニカ」。そのタペストリーが国連本部のロビーに飾られていたが、ある日突然姿を消してしまった。戦争に対する人々の思惑が、過去でも現代でも交錯する。「ゲルニカ」は、平和を望む人たちによってメッセージを発信することができるのか・・・?

人々の目に触れないように、国連の安保理会議場のロビーにあるピカソの名画「ゲルニカ」のタペストリーに暗幕が掛けられた。それは、戦争を起こそうとする人間たちの手によるものだった。反戦の象徴である「ゲルニカ」は、イラク空爆の会見の場にはふさわしくないとの判断だった。
「ゲルニカ」は、反戦主義者のピカソによって描かれた。その絵に込めたピカソの平和への想いは、現代にいたってもなお輝き続けている。主人公の八神瑤子は、「ピカソと戦争」という企画展で「ゲルニカ」を展示したいと強く願う。だが、所蔵しているスペインのレイナ・ソフィア芸術センターは絶対に貸し出しに応じない。借りたいと強く願う瑤子と絶対に貸し出さないスペイン政府との間の攻防や、それと並行して語られるピカソと「ゲルニカ」の逸話は、読み応え充分だ。面白いと思った。けれど、後半は何だか安っぽい映画かドラマのような展開になってしまった。本当ならラストに感動が待っているはずなのだが・・・。作者はどうしてこういう展開にしたのだろうか?個人的には受け入れ難く、ちょっと残念だった。



| ”は” その他 | 22:07 | comments(0) | ゆこりん |


サクラ咲く(辻村深月)

塚原マチが図書館から借りた本の中に入っていた細長い紙に書かれた文字は、『サクラチル』だった。書いたのは同じクラスの誰か?マチと”誰か”の本を介してのメッセージのやり取りが始まった。表題作「サクラ咲く」を含む3編を収録。

人が成長し子供から大人へと変化する時期は、本当に微妙な時期だと思う。作者は、その微妙な時期に揺れ動く少年や少女たちの心情を実に細やかに描いている。作者の彼らを見る目は温かい。
3編の中で印象に残ったのは、「サクラ咲く」だ。自分の考えをうまくまわりに伝えられない塚原マチ。読んでいてもどかしさを感じたが、図書館の本を通しての見知らぬ相手との手紙のやり取りが、彼女を次第に成長させていく。その描写は本当に見事だ。人は悩み傷つきながら、それを糧にして成長していくのだと、あらためて感じた。
3編どれもが、作者の感性が光る話だった。中高生向けの話のようだが、楽しんで読める作品だと思う。



| 辻村 深月 | 23:09 | comments(0) | ゆこりん |


父・藤沢周平との暮し(遠藤展子)

若いころ結核にかかりやむを得なく人生の進路を変更した。病気で最愛の妻を若くして亡くした。そんな藤沢周平がいつも口にしたのは、普通の生活を毎日続けることの大切さだった。娘・遠藤展子さんが語る、藤沢周平の素顔とは?

人のやさしさや人情味にあふれた温もりのある小説を描き続けた、作家・藤沢周平。その彼の素顔を描いたのが、娘の遠藤展子さんだ。展子さんは、生後8か月の時に実母を癌で亡くした。藤沢周平は、再婚するまでの数年間男手ひとつで展子さんを育てた。母のいない暮し・・・。彼は、娘にみじめな思いをさせないようにと最大限の努力を重ねる。その奮闘ぶりには頭が下がる。「娘は、こんなにも父親に愛されて育ったのか。」そう思うと胸が熱くなる。藤沢周平の、自分以外の人に注ぐ温かなまなざし。それは、彼の書く小説にも現れている。作家としても父としても、彼は本当にやさしい人だったのだ。ますます彼の作品が好きになる。藤沢周平ファンには是非読んでもらいたい本だ。いや、たとえファンでなくても、父と娘の心温まる物語をぜひ読んでほしいと思う。ステキな感動が待っているはずだから♪



| ”え” その他 | 20:04 | comments(0) | ゆこりん |


おおあたり(畠中恵)

一太郎の幼なじみの栄吉は菓子屋の跡取り息子だが、今は修業の身だ。なので、許嫁のお千夜とはまだ所帯を持つことができない。そんなお千夜に想いを寄せる男が現れたから、さあ大変。この騒動の結末は・・・?表題作「おおあたり」を含む5編を収録。「しゃばけシリーズ」15。

廻船問屋兼薬種問屋・長崎屋の若旦那の一太郎は相変わらず病弱で、兄や達を心配させていた。そんな一太郎のもとには、相変わらずいろいろな相談事が持ち込まれていた。
「おおあたり」では栄吉とその許嫁との話だが、月日とともに人の心も変わっていくのだとあらためて思った。栄吉さん、はやくおいしい餡子を作れるようになって!
「長崎屋の怪談」では、場久の語った怪談話が思わぬ事件を引き起こす。何がきっかけで状況が大きく変わるのか分からないという、興味深い話だった。
「はてはて」は、貧乏神・金次の身に降りかかった災難の話だ。貧乏神といえども金次は神様だ。その金次が困り果てる姿が面白かった。
「あいしょう」は、一太郎が5歳の時の話だ。この頃から一太郎は普通の子供とは違っていたのだ。幼い一太郎が可愛らしい。
「暁を覚えず」は、猫又がくれた薬を飲んだ一太郎の話だ。病弱であるがゆえの、一太郎の切なる願いがいじらしい。
どの話も無難にまとめられ、安定した面白さがある。読後感も悪くなかった。



| 畠中 恵 | 21:34 | comments(0) | ゆこりん |