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長流の畔(宮本輝)

1964(昭和39)年、東京オリンピックが開催された年、松坂熊吾は66歳になっていた。大阪中古車センターのオープンなどに情熱を傾けるが、会社の危機、家庭不和、愛人の問題と、悩みは尽きない。熊吾の人生の歯車が狂い始めたのか?「流転の海」第8部。

体力や精神力の衰えを自覚する年になってもなお、熊吾はつねに前進する姿勢を貫いた。大阪中古車センターのオープンは、熊吾の努力のたまものだった。だが、会社も家庭もだんだんとうまくいかなくなる。松坂板金塗装がこうなるとは・・・。言葉がない。今までのあの勢いはどうしたのか?熊吾も老いたのだと思わずにはいられない。だが、そんな熊吾には、若い愛人がいる。なぜそんなことになってしまうのか。切れたはずではなかったのか。房江や伸仁のことを考えれば、やっていいことか悪いことか分かりそうなものだ。会社ばかりではなく、家庭もうまくいかなくなるのは当たり前だ。房江の今後は?伸仁の将来は?そして熊吾はさまざまな困難をどう乗り切るのか?
この第8部は、読むのにとても時間がかかった。面白いことは面白いのだが、読んでいてつらい内容が多く、スラスラと読み進めることができなかったのだ。松坂家はいったいどうなるのか・・・?次作・第9部で完結とのことだが、とても待ち遠しい。



| 宮本 輝 | 23:52 | comments(0) | ゆこりん |


希望荘(宮部みゆき)

「昔、人を殺したことがある。」
老人ホームで暮らしていた78歳の武藤寛二が死ぬ前に告白したことは、周りの人たちに大きな衝撃を与えた。「父は本当に人を殺したのか?」息子である相沢幸司は、杉村に調査を依頼する。そして・・・。武藤寛二の告白には、思わぬ真実が隠されていた! 表題作「希望荘」を含む4編を収録。杉村三郎シリーズ4。

シリーズ3作目の「ペテロの葬列」は衝撃のラストだった。その後の杉村のことが気にかかっていたが、彼は探偵として新たな人生を歩み始めていた。探偵になったいきさつも描かれている。彼は、探偵になる前もなってからも、人の悲哀、人の心の中に潜むねたみや恨み、悪意などと対峙することになる。読んでいて決して心地いいものではない。むしろつらい。できるならこういう話は読むのを避けたいとさえ思う。けれど、これが現実なのだと思う。人生、楽しいことばかりではない。もしかしたら、苦しいことの方が多いかもしれない。それでも人は、現実から目をそむけずに生きていかなければならない。
後味はあまりいいとは言えないが、心に響く読み応え充分の面白い作品だった。



| 宮部 みゆき | 20:19 | comments(0) | ゆこりん |


心に吹く風(宇江佐真理)

伊三次とお文のひとり息子の伊与太が、兄弟子とケンカをして修業先の絵師の家から戻って来た。一方、不破友之進の息子・龍之進は嫁をもらい、日々役目に励んでいた。伊三次とお文は伊与太の将来を案じたが、今はただ見守るしかなかった。それぞれの人たちのそれぞれの人生が絡み合い、温かな物語を紡ぎ出す。髪結い伊三次捕物余話シリーズ10。

このシリーズももう10作目だ。シリーズ1作目では、伊三次とお文はまだ結婚していなかった。それが今では息子がいて、その息子の伊与太も一人前の男になろうとしている。不破龍之進も結婚した。もうそんな年になったのかと驚く。月日は確実に流れている。
いつも思う。何気ない平凡な暮らしを送っているように見えて実はその心の中には計り知れない悩みや悲しみを抱いている人がいると。作者はそういう人の心情を実に細やかに温かなまなざしで描いている。「人生悪いことばかりではない。どんなときにも希望を持ち、あきらめないことが大切だ。」読んでいると作者の声が聞こえてきそうだ。伊与太と不破の娘・茜はどうなるのか?伊与太はりっぱな絵師になれるのか?龍之進は、同心としてどのように成長していくのか?これから物語がどう展開していくのか、とても楽しみだ。

文庫本を読んだのだが、この文庫本の作者が書いたあとがきの中に、作者の病気についての生々しい描写があった。宇江佐ファンなら誰でもかなりのショックを受けるに違いない。私は作者が亡くなった後にこの本をこうして読んだが、このあとがきはとても衝撃だった。病気を克服して、もっともっといろいろな作品を世に送り出してほしかった。とても残念でならない。



| 宇江佐 真理 | 22:41 | comments(0) | ゆこりん |


土佐堀川(古川智映子)

17歳で豪商三井家から大阪の両替商・加島屋に嫁いだ浅子。幕末から明治への激動の時代の中、傾きかけた加島屋を立て直し、かつ、あらゆる方面で実業家の才能を発揮する。広岡浅子の生涯を描いた作品。

読んでまず驚いた。こんなにすごい女性が明治期にいたのだ。家業の立て直し、炭鉱経営、日本初の女子大学開設。度胸の良さと天賦の商才を持ち、人生を突っ走る。男顔負けの活躍だ。時には危ない目にも遭い、恐ろしい病にも罹った。だが、それも見事にはねのける。どんなに困難なことがあろうとも、恐れず立ち向かえば道は開ける。彼女の生き方は、私たちにそのことを教えてくれる。しなやかな強さ、決してあきらめない心、多くの人を惹きつける人柄、そして天賦の才、彼女は多くの宝を持っていた。そして、その宝を惜しげもなく他人のために使った。本当に素晴らしい人だったのだと思う。この本を読むと、勇気が湧いてくる。どんな困難にも向かっていけるような気持ちになる。元気をたくさんもらえた本だった。



| ”ふ” その他 | 20:14 | comments(0) | ゆこりん |


ハーメルンの誘拐魔(中山七里)

母親が目を離したすきに、15歳の少女が誘拐された。現場に残されていたのは、「ハーメルンの笛吹き男」を描いた絵はがきだった。数日後、今度は女子高生が誘拐される。そして、さらに第3の誘拐事件が・・・。誘拐された少女たちに共通するのは、「子宮頚がんワクチン」問題の関係者ということだった。誘拐の背後には、どんな真実が隠されているのか?

子宮頸がんワクチンの副作用という重いテーマを取り扱った作品。まず最初に、ワクチンの副作用に苦しむ少女が誘拐された。次に誘拐されたのは、ワクチン推奨団体の会長の娘だった。被害者側の娘と加害者側の娘の誘拐事件。いったい犯人の狙いはどこにあるのか?真相が分かってくるにつれ、哀しさと同時に怒りを覚える。ワクチンは何のためにあるのか?人を病気から救うためではないのか?一部の人間に利益をもたらすために使うのではないはずだ。
ストーリーに意外性は感じなかった。けれど、誘拐という手段を取らざるを得なかった犯人の心情を思うとやり切れない。同情してしまう。
誘拐というミステリー的要素とワクチンの副作用という社会問題がうまく絡み合い、とても読みごたえのある作品になっている。面白かった。



| 中山 七里 | 22:25 | comments(0) | ゆこりん |


コーヒーが冷めないうちに(川口俊和)

過去に戻れる喫茶店があった。ただし、そこにはめんどうなルールがたくさんあった。数々あるルールの中の最後の項目は、”過去に戻れるのは、コーヒーをカップに注いでから、そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ”・・・。それでも、この喫茶店には、過去に戻りたい人が訪れる。4人の女性が紡ぐ4つの物語。

恋人、夫婦、姉妹、親子。大切な人との絆を求め、喫茶店を訪れた人は過去に戻る。けれど、過去に戻っても未来を変えられるわけではない。この先待ち受ける残酷な運命を知っていたとしても、ただ見ているしかないのだ。「姉妹」では、過去の妹と会う姉がいた。妹の運命、そして姉の後悔。読んでいて切なかった。過去に戻る。戻らない。どちらを選択してもつらいものがある。だが、過去としっかり向き合うことで、姉はこれから先強く生きていける。それを確信した。
4回泣けると本の帯に書いてあるが、それほどの強いインパクトはない。最後に収録されている話「親子」のラストは、どうしてこういう展開になったのか理由が分からない。唐突過ぎて不自然な感じがする。話題になっていたので読んでみたが、期待したほどではなかった。



| ”か” その他 | 20:39 | comments(0) | ゆこりん |


七色の毒(中山七里)

中央自動車道で高速バスが事故を起こした。死亡1名、重軽症者8名の大惨事となる。犬養は、テレビに映し出された運転手の様子に違和感を覚える。運転手と死亡した乗客との間には、果たして何があったのか?「赤い水」を含む7編を収録。

人の悪意。作者はそれを七つの色を使って描き出した。「赤い水」では、運転手の”怨み”の怖さを実感した。ラストの意外な真実にも驚かされた。「黒いハト」では、心の奥底に隠された残忍さを見せつけられた。「黄色いリボン」では、大人の身勝手さの犠牲になった子供が哀れだった。その他の作品も、人の悪意の怖さを存分に描いている。強烈なインパクトはないが、じわじわと迫って来る怖さがある。
憎しみ、恨み、妬み・・・。それらのものに心が囚われたとき、人は豹変する。善人と悪人は紙一重の差でしかない。やはり、この世の中で一番怖い存在は人間なのだ。この作品は、それを私たちに教えてくれる。



| 中山 七里 | 21:24 | comments(0) | ゆこりん |


アンネ、わたしたちは老人になるまで生き延びられた。(テオ・コステル)

収容所で15歳で亡くなったアンネ・フランク。生き延び80歳になったクラスメートたちは、アンネの思い出を静かに語り始めた・・・。感動のノンフィクション。

「アンネにはクラスメートがいて、生き延びた人たちがいる。」
それは当たり前のことなのに、今までその人たちのことを考えたことは一度もなかった・・・。彼らは語る。アンネとの思い出や、彼らがどのようにしてあの悲惨な時代の中で生きていたのかを。そのひとつひとつの真実が、読んでいて胸に突き刺さるようだ。中には、収容所でアンネと会った女性もいた。生と死。彼女とアンネを分けたものは、ほんの紙一重の差でしかない。本当に恐ろしい時代だった。しかし、彼らは必死でもがき苦しみながら生き延びたのだ。こんな悲劇はもう二度と起こってほしくない。世の中から争いが無くなってほしい。強く強く願う。
心を激しく揺さぶられる作品だった。できるだけ多くの人に読んでもらいたいと思う。

  ・・・ また「アンネの日記」を読んでみたくなりました。 ・・・




| テオ・コステル | 13:35 | comments(0) | ゆこりん |


切り裂きジャックの告白(中山七里)

公園で、女性の惨殺死体が発見された。被害者の女性は、内臓がすべてくり抜かれていた。その後も、同じ手口での殺人事件が相次いで起こる。そして、犯人からの犯行声明文が・・・。犯人・切り裂きジャックの正体は?

残忍な犯行。だが、内臓を抜き取る鮮やかなやり方はその道のプロの仕業だと思われた。犯人はいったいどんな動機で殺人を続けるのか・・・?
臓器移植を絡め、ちょっとした問題提起もなされている。だが、犯人の動機もそのやり方も、読み手を充分に納得させるまでには至っていないのではないだろうか。犯人の気持ちは分かるが、「そこまでするか!?」というのが正直な感想だ。どんでん返し的な部分もあることにはあったが、読んでいて途中で何となく察しがついてしまい、意外性は感じられなかった。それでも、物語の中に読み手を引き込む力はあると思う。まあまあ面白い作品だった。



| 中山 七里 | 20:35 | comments(0) | ゆこりん |


ノボさん(伊集院静)

野球に夢中で、そして俳句・短歌・小説・随筆等にも夢中だった。子規の未来は輝いていた。やがて彼はひとりの青年と出会う。夏目漱石だった。子規と漱石、ふたりは固い友情で結ばれていく。正岡子規の人生を鮮やかに描いた作品。司馬遼太郎賞受賞作。

子規と漱石を中心に、明治期に活躍した多くの著名人が登場する。子規はこんなにもいろいろな人と交流があったのかと驚いた。彼には人を引きつける魅力がある。彼のもとには大勢の人が集まって来る。子規は、たくさんの人に影響を与えた。だが、彼は病魔に襲われる。自分は長生きできないと悟った子規は、残りの人生を自分が本当にやりたいことのために使った。子規の運命は知っているはずなのにそれでも「こんなに無茶をしたら病気が悪化するのに。」と読んでいてハラハラせずにはいられなかった。凄まじい闘病生活の中、苦しみや痛みと闘いながら彼は多くの作品を世に残した。明治という時代を駆け抜けた子規の人生は、強烈に胸に迫って来る。漱石との友情にも感動した。
心を揺さぶられる、読みごたえのある作品だった。一度読んでみることをオススメします。



| 伊集院 静 | 21:51 | comments(0) | ゆこりん |