アルモニカ・ディアボリカ(皆川博子)
2014.07.17 Thursday
18世紀のイギリス。悲惨な連続殺人事件から5年が過ぎた。解剖医ダニエルの弟子たちは、判事のジョン・フィールディングの要請で犯罪防止の新聞作りをしていた。そんな中、ある広告依頼が持ち込まれる。それは、新たな恐るべき事件へとつながっていた・・・。「開かせていただき光栄です」の続編。
私の2012年の年間ベスト1だった「開かせていただき光栄です」。その続編とあって、否応なしにも読む前から期待が高まった。内容は、期待通りの素晴らしいものだった。
警察組織が整っていない18世紀のイギリス。犯罪がきちんと裁かれることなく、被害を受けた者たちが泣き寝入りをすることも珍しくなかった。権力者はおのれの地位や利益を守ることばかり考え、そのためには貧しい者に犠牲を強いることを何とも思わなかった。そんな中で悲劇は起こった・・・。
前作に登場した人物たちの思いがけない運命や知られざる過去に驚くと同時に、強い怒りや悲しみを感じた。「こんなこと、許されることではない!」そういう思いで胸がいっぱいになった。
読んでいてつらい描写もあちこちにあったけれど、濃厚な内容で読みごたえ充分だった。とても面白い作品だと思う。
注意!!「開かせていただき光栄です」を先に読んでからこの作品を読んでください。決して、こちらから読まないように。面白さが半減します!
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