奇跡の本屋をつくりたい(久住邦晴)
2020.01.10 Friday
ユニークな企画で注目を集めた本屋さんが、かつて札幌にあった。それは、「くすみ書房」。時代の流れの中、街の本屋さんはどんどん消えていった。そんな街の本屋さんを存続させようと奔走したくすみ書房店主・久住邦晴さん。志半ばで逝った、彼の遺稿集。
「なぜだ!?売れない文庫フェア」「中高生はこれを読め」「ソクラテスのカフェ」。
次々とユニークなアイディアを出し、注目を集めた「くすみ書房」。しかし、時代の流れは愛すべき街の本屋さんを存続の危機に追いやる。場所を変え、起死回生を図る久住さん。だが、奮闘むなしく、「くすみ書房」は終焉の時を迎える・・・。
久住さんの遺した文章を読むと、彼がいかに本を愛していたか、そして書店をたたむことがどれほど無念だったのかが手に取るようにわかる。私も、何度か行ったことがある。ほかの本屋さんにはない独特の雰囲気があり、居心地のいい本屋さんだった。できれば、ずっと残ってほしかった。
「くすみ書房」は無くなってしまったけれど、久住さんには夢があった。でも、その夢を実現する前に、彼は病に倒れ、逝った・・・。さぞかし残念だっただろう。そう思うと胸が痛い。彼の夢が実現するのを見たかった。彼の死が惜しまれてならない。
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