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ファーストラヴ(島本理生)

女子大生・聖山環菜が父親を刺殺した!?環菜の事件を題材にしたノンフィクションを執筆するよう依頼された臨床心理士の真壁由紀は、環菜と面会しいろいろ話を聞く。そこで見えてきたものは・・・。

「自分の父親を刺殺」という事件を起こした環菜。環菜が逮捕されたときに言った台詞が、世間をにぎわせていた。いったい彼女はなぜそんなことを言ったのか?環菜との面会の中で、彼女の心の中にあるものを探り出そうとする由紀。そして、しだいに見えてきた彼女の抱える闇の正体・・・。
環菜の置かれていた状況が異常であることは明白だ。環菜の父も母も、そこまで環菜が傷つくとは想像できなかったのか?子供を守れるのは親しかいない。その親を頼れないと知ったときの環菜の心情は、察して余りある。環菜の心はいつも血を流していたと思う。もう限界だったのだと思う。
これからの環菜の人生がどうなるのか、想像がつかない。けれど、少しでも幸せを感じるものであってほしいと願わずにはいられない。
環菜のことは切なかったが、由紀や由紀の夫・我聞、そして我聞の弟・迦葉にまつわる話には、心温まるものを感じた。
傷ついた者にそっと寄り添うような作品だった。読後感もよかった。



| 島本 理生 | 10:44 | comments(0) | ゆこりん |


あなたの呼吸が止まるまで(島本理生)

野宮朔は、小説家を夢見る12歳の女の子。ある日、舞踏家の父の仕事仲間佐倉から、思いもよらぬ形で心を傷つけられる。癒されない思いを抱いたままの朔。彼女が佐倉に対してとった行動とは?

本の帯の「突然の暴力」「復讐」の文字がとても印象に残っていた。どんな内容かと期待して読んだが、かなり期待はずれだった。帯に書かれている言葉は少しおおげさではないだろうか。たしかに朔の年頃の女の子にとっては衝撃的なことだったと思う。だが、復讐の手段についてはすごく疑問だ。はたしてそれが復讐になるのか?なんだかあまりにも幼稚過ぎる。内容にもう少し工夫がほしい。また、読み手をひきつける表現力がほしい。深みも厚みもない薄っぺらな作品という印象だ。ラストの詰めが甘いせいか、読後もあまりすっきりとはしなかった。



| 島本 理生 | 14:30 | comments(0) | ゆこりん |


一千一秒の日々(島本理生)

いつから決めていたことだったのだろう。大好きだった恋人との別れ。彼と過ごした4年の日々に、真琴は別れを告げた・・・。さまざまな愛の形を連作で描いた作品。7つの短編を収録。

さまざまな出会いがあり、さまざまな恋愛があり、さまざまな別れがある。7つの物語の中には、不器用だけれど一生懸命に生きている人たちがいた。読んでいてもどかしく思う部分もあったけれど、彼らが着実に自分の道を歩んでいる姿はとても印象的だった。だが作品自体に個性が感じられない。どの作品も、描写がとても似ていると思う。同じ作者の別の作品を読んだ時に感じたものと、同じものしか感じることが出来なかった。読んでいて、そこのところが不満だった。



| 島本 理生 | 16:26 | comments(0) | ゆこりん |


ナラタージュ(島本理生)

愛した人は手の届かない人。抑えても抑えても思いがつのる。自分の心が壊れてしまうほどに人を愛した泉の物語。

あこがれがいつしか愛情に変わる。だがどんなに愛しても報われることはない。そのことが分かっていても進まずにはいられない。泉の葉山への思いはとても激しいはずなのだけれど、読んでいてもどかしいほどそれが伝わってこない。物語の流れも、あまりにも淡々としすぎているような気がした。泉や葉山の苦悩がもっと伝わってくれば、もう少しそこから読み取れるものがあったと思う。透明感のあるきれいな文章でつづられた作品だけに、ちょっと残念だった。



| 島本 理生 | 14:28 | comments(0) | ゆこりん |


リトル・バイ・リトル(島本理生)

二度も離婚した母。そのことにより、進学の夢を一時中断したふみ。そして、父親違いの年の離れた妹ユウ。母子3人の家族の日常と、その家族を取り巻く人々の姿を描いた作品。

何気なく過ぎていく日常。作者の透明感のある文章は、その何気ない日常を、きらきらと輝くように描いている。「明るい小説にしたかった。」「淡々と流れていく日々を照らす光を書きたかった。」後書きで作者がそう書いているように、この作品の中に暗さはない。だから前向きな気持ちで読むことが出来る。少しくらいの困難ならひょいと、乗り越えて行けそうな気がする。華美に飾ることなく、瑞々しい感性で描かれた素敵な1冊だった。



| 島本 理生 | 15:05 | comments(0) | ゆこりん |


生まれる森(島本理生)

「深い森に落とされた私を救ってくれるのは何だろう?」
日常生活の中でのいろいろな人たちとのふれあいを通し、心を再生していく物語。

妊娠、堕胎、好きな人を救えなかった絶望感。ばらばらになった心は日常生活の中で、少しずつジグソーパズルのように組み立てられていく。なぐさめの言葉など必要ない。ただ自分を見つめてくれる人がいればそれでいい。迷い込んだと思った森は、実は自分を再生してくれる森だったのだ。瑞々しい感性で描かれ、読後感もよかった。



| 島本 理生 | 17:06 | comments(0) | ゆこりん |