そしてバトンは渡された(瀬尾まいこ)
2019.11.24 Sunday
まるでリレーのように、次から次へと親というバトンが渡されていく。けれど、血のつながらない親たちと優子の間には、確かな愛情と絆があった。心温まる物語。
実の母は早くに亡くなった。その後再婚した父は、再婚相手と娘の優子を残し、ブラジル(?)へ。優子は、血のつながらない親たちに育てられることになる。彼らはさまざまな事情から、優子の養育を次の者に引き継いでいく。彼らに共通しているのは、優子をこよなく愛しているということだ。親として、限りない愛情を注いでいる。そんな育ての親たちの気持ちを優子もしっかり受け止めている。血がつながっているとかいないとか、そんなことは関係ない。愛情や信頼で結びついていれば、りっぱな親子なのだ。
こんな大人たちがたくさんいれば、幼い子供たちへの虐待もなくなるかもしれない。幼児虐待が頻繁に起こっている今の世の中の状況を見ると、そう思わずにはいられない。
ちょっと切ないところもあるけれど、ほのぼのとした心に残る作品だった。
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