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スタイリッシュ・キッズ(鷺沢萠)

「あたしたちってカッコ良かったよね。」理恵の言葉の中に秘められているものは?久志と理恵、彼らの友人たち、そして彼らの家族を瑞々しい感覚で描いた作品。

どこにでもある日常の風景。何気なくいつもどおりの生活を送る人たち。その中で知り合った久志と理恵。だが読んでいて、二人の関係はつねにふわふわした不安定さを感じさせた。理恵の何気ないしぐさの中にも、彼女の心の動揺が垣間見える。大人と子供のはざまで、だれもが必ず経験するであろうほろ苦い思いを、作者は鋭い感性で描いている。静かな湖面を連想させるような文章だったが、物事が淡々と描かれすぎていて、ちょっと物足りなさを感じた。



| 鷺沢 萠 | 23:51 | comments(0) | ゆこりん |


ウェルカム・ホーム!(鷺沢萠)

家庭とは、家族とは何だろう?今までとは違う家族のあり方を鋭く描いた作品、2編を収録。

「渡辺毅」「児島律子」、二つのウェルカムホームを描いている。どちらも「普通の家庭」と呼ばれるのにはほど遠い。だが、そこには愛情や信頼関係がしっかりと存在する。読んでいくうちに、何が普通なのかを考えてしまった。もしかしたら私たちは、「普通」という言葉で「家族」という概念を、固定してしまっているのではないだろうか。「こうあるべきだ」という確定的なものは、何もないはずなのに。何が一番大切なのか、作者は作品を通して読者に問いかけている。読後、ほのぼのとした温かいものを感じた。



| 鷺沢 萠 | 21:11 | comments(0) | ゆこりん |


駆ける少年(鷺沢萠)

父はどんな人間だったのか?父の過去には何があったのか?龍之は父龍之介の菩提寺である律仙寺で、過去帳を受け取る。そして、父の一生に隠された思いを探り始める。表題作を含む3編を収録。

複雑な人間関係の中で育った父。父の過去が見えてきたとき、龍之は父の寂しさを知る。父は寂しさを癒やそうとして走り続けたのか?心の隙間を埋めようとして、出来る限りのことをまわりの人間にしていたのか?父の気持ちが分かったとき、龍之は初めて父と心がつながったように感じたのではないだろうか。親子はどこまで行っても親子。心の絆は決して切れることはないのだと思う。



| 鷺沢 萠 | 20:43 | comments(0) | ゆこりん |


F−落第生ー(鷺沢萠)

一生懸命に生きてきたつもりなのに・・・。いつの間にか落ちこぼれになっていた自分。さまざまな女性のさまざまな生き方を、豊な感性で描く、7つの物語を収録。

成績を表す言葉に「優、良、可、不可」がある。その不可に当たるのが「F」だという。人生において不可になってしまった彼女たち。一生懸命やればやるほど空回りするむなしさ。裏切られるつらさ。だが、ここに登場する女性は皆、生きることに前向きだ。くじけそうで、くじけない。倒れそうで、倒れない。その姿に、「落ちこぼれだっていいじゃない。」そう声をかけたくなった。



| 鷺沢 萠 | 18:31 | comments(0) | ゆこりん |


バイバイ(鷺沢萠)

嘘は寂しさを消し去ってくれるのか?勝利には朱美のほかにつきあっている女性が二人いた。誰にも嫌われたくないという思いの裏には、幼い頃の体験が影響していた・・・。

親の愛をあまり受けられずに育った。預けられる親戚の家では、嫌われないように行動した。「やさしい子」だと人に思われることが、自分を守る唯一の手段だったのかもしれない。それは女性とつきあうときも同じだった。だが、誰にでもやさしいということが、人を傷つけることもある。自分が寂しい人間だと分かったとき、そして人を信じないというよりも、もっと困難な信じるという道を選んだとき、勝利は自分にとって何が大切なのかに気づく。その描かれている過程がたまらなく素敵だ。作者のやさしい思いが伝わってくるような気がした。



| 鷺沢 萠 | 17:03 | comments(0) | ゆこりん |