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ドイツイエロー、もしくはある広場の記憶(大崎善生)

出会いがあり、そして別れがあった。愛し合い触れ合っていたときのぬくもりの記憶をいつまでも心にとどめたまま、人は歩き続けていく。4つの愛の物語を収録。

自分が愛した人のことは、何年たっても決して色あせることはないのだろう。たとえ別れのときに心が傷ついたとしても、人はいつかその傷を淡い思い出に変えていく。この本の中にはそういう人たちが息づいていた。さまざまな愛し方、さまざまな別れ方。4つの物語はまったく違う愛の物語だが、彩る色はどれもブルーというイメージが強い。それは海の色だったり、水の色だったり、空の色だったり・・・。
こういう恋愛もあるのだろう。でも作者の描く世界に入り込めない。妙に飾られた世界は、全ての出来事をガラス越しに見ているようなもどかしさある。淡々と読み進めるしかない作品だった。



| 大崎 善生 | 22:47 | comments(0) | ゆこりん |


孤独か、それに等しいもの(大崎善生)

双子の藍と茜。姿も、することも、何もかも一緒。しかし、茜が怪我をして傷跡が残ったときから、二人は少しずつ違う道を歩き始めた。そして・・・。表題作を含む5編を収録。

「孤独を感じたことがないという孤独」
これほど心を凍えさせる言葉はない。人は寂しがりやの生き物だ。孤独のままでは生きられない。傷つかず、傷つけられずに一人で生きていくよりも、傷つけあいながらでも、二人で生きていく道を選ぶこともある。作者は心傷つく者たちを温かな目でとらえ、描いている。読後、心が穏やかになっていくような作品だった。



| 大崎 善生 | 15:17 | comments(0) | ゆこりん |


九月の四分の一(大崎善生)

甘くほろ苦い若き日の思い出。小説が思うように書けず、絶望的になっていた僕の前に現れた奈緒。彼女との出会いと別れが、僕に再び小説を書く勇気を与えた・・。表題作を含む4つの短編を収録。

心の奥深くにひっそりと横たわる、過ぎ去った日々の思い出。どんなに望んでも過ぎ去った日々はもどらない。人は時には甘く、時にはほろ苦いその思い出に、心を乱される時もある。独特の透明感のある文章で描かれる追憶の日々は、光のかけらのようにきらめいている。人は過去を積み重ねて生きている。いや、過去を積み重ねなければ生きてはいけない。それがどんなにつらい過去でも、捨て去ることは出来ないのだ。



| 大崎 善生 | 10:22 | comments(0) | ゆこりん |


アジアンタムブルー(大崎善生)

葉子を失った山崎。彼は3ヶ月間ほとんど毎日、デパートの屋上に座り続けていた。人は愛する人が死に臨んだ時、いったい何をしてやれるのだろうか?愛する人が死んでしまったら、どう生きていけばいいのだろうか?透明感のある文章でつづられた、愛の物語。

愛する人を失った悲しみがひしひしと伝わってくる。いるはずのない人をさがし求める山崎の姿に、彼がどんなに葉子のことを愛していたのか、痛いほど伝わってくる。命を終えようとする葉子と二人で過ごしたフランス、ニースでの日々。読んでいて切ない。残念なのは、同作者の作品「パイロットフィッシュ」を読んだ直後に、この作品を読んだことだ。「アジアンタムブルー」を読んでいると、「パイロットフィッシュ」がちらついて、しかたなかった。できれば、まったく関係のない作品として読みたかった。



| 大崎 善生 | 14:22 | comments(0) | ゆこりん |


パイロットフィッシュ(大崎善生)

ある日突然、かつての恋人由希子から電話がかかってきた。19年ぶりの由希子の声。山崎の心に切ない記憶がよみがえる・・・。

心の奥底に眠る記憶たち。それは決して消えることはない。人が生きていくということは、記憶の積み重ねなのかもしれない。かつて愛した由希子。その存在は形を変え、19年たった今も山崎の中に生き続けている。「人は、巡りあった人と二度と別れることはできない。」この言葉の持つ本当の意味が、深く心に突き刺さる。



| 大崎 善生 | 14:20 | comments(0) | ゆこりん |


将棋の子(大崎善生)

奨励会、そこは日本将棋連盟の組織の一つで、棋士になるための修行の場である。全国各地から棋士をめざし、ここに集まる若者たち。しかしそこは、弱肉強食の過酷な場所でもあった。

全国からプロ棋士をめざし集まる少年たち。彼らは、地方では天才と呼ばれた少年たちだ。しかし、奨励会という天才集団に入ってしまうと、もはや天才少年ではなくなってしまう。将棋棋士をめざす普通の少年になってしまうのだ。彼らには、ある年齢になるまでに一定の段位を取らなければならないという、過酷な条件がつけられる。その条件をクリアしなければ、退会するしか道はない。過酷な競争に敗れ、無念のうちに奨励会を去った者たちのその後の物語は、読む人の心を切なくさせる。プロになるということがどんなに厳しいものか、華やかな表面からは、決して見えないものなのだ。



| 大崎 善生 | 14:17 | comments(0) | ゆこりん |


聖の青春(大崎善生)

幼い頃にネフロ−ゼという恐ろしい病気にとりつかれた彼は、病院のベッドの上で、将棋のおもしろさを知る。「時間がない。」そう言い続けながら、彼は将棋界の頂点をめざすため走り続けた・・・。

天才棋士と言われながら、若くして逝った一人の青年の記録です。病気でなければ、頂点に立つことも夢ではなかったのにと思う反面、病気にならなかったら、将棋と出会うこともなかったかもしれないと思うと、複雑な気持ちになりました。



| 大崎 善生 | 14:09 | comments(0) | ゆこりん |