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いまさら翼といわれても(米澤穂信)

神山市主催の合唱祭。その本番直前に千反田えるがいなくなった。彼女はソロで歌うことになっていた。なぜ彼女は姿を消したのか?折木奉太郎が見つけた真実とは?表題作を含む6編を収録。古典部シリーズ6。

表題作「いまさら翼といわれても」では、行方不明の千反田えるに焦点が当てられている。さまざまな状況や彼女に関わる人たちの証言から、奉太郎は彼女の居場所を推理する。彼女が姿を消した理由・・・覚悟を決めて進もうとした道が確かな道ではなくなったとしたら?女子高生の揺れ動く気持ちを巧みに表現した話だった。
奉太郎のモットー「やらなくてもいいことなら、やらない」はどこから来たのか?それが分かる「長い休日」は、なかなか興味深かった。気づいてしまったら気づかないときには戻れないのだ。奉太郎、ドンマイ!
「箱の中の欠落」も個人的には好きな作品だ。思いこみが予想外の錯覚につながる。そういうことは現実にもあり得ると思う。面白かった。
「鏡には映らない」も傑作だった。ある事実に気づいた奉太郎が取った行動は爽快だ。理由を言わないところが奉太郎らしい。
6編どれも、とてもよくできている話だと思う。読んでいて感心させられる部分も多かった。読みごたえのある面白い作品だと思う。



| 米澤 穂信 | 22:21 | comments(0) | ゆこりん |


真実の10メートル手前(米澤穂信)

ベンチャー企業・フューチャーステアが倒産し、広報担当者だった早坂真理が失踪した。真理の妹・弓美から太刀洗万智に、真理から電話があったと連絡が来る。太刀洗は電話の内容から真理の居場所を突き止めることができるのか・・・?表題作「真実の10メートル手前」を含む6編を収録。

誰もが見逃してしまいそうなほんのちょっとしたできごと。だが、時にはその中に真実が隠されていることがある。太刀洗は、鋭い洞察力と観察眼で埋もれている真実を明らかにしていく。電話の内容から失踪者の居場所を、不自然な形の高校生同士の心中事件からある犯罪を、偏屈な老人の死からその老人の真の想いを・・・。真実が明らかにされたからといってそれで解決にはならない。知らないほうが良かったのではないかと思う場合もある。さまざまな人間のさまざまな思惑が交錯する。作者の心理描写が光る。
後味がいい作品だとは言えないと思うが、読み手を引きつけじっくり読ませる内容の濃い作品だと思う。面白かった。



| 米澤 穂信 | 22:11 | comments(0) | ゆこりん |


王とサーカス(米澤穂信)

太刀洗万智は、新聞社を辞め知人の雑誌編集者から頼まれた仕事の事前準備のためネパールに向かう。だが、彼女を待っていたのは、王族殺害事件という衝撃的な事件だった。さっそく取材を始めた万智だが、思わぬできごとが待っていた・・・。

ネパールの街の喧騒が実によく描かれていた。人々の息づかいも聞こえてきそうだ。読んでいると、まるで自分もその街の中にいるような気分になった。
最初は王族殺害事件の真相を探ろうとした万智だったが、思わぬできごとのために事態は意外な方向へと進んでいく。てっきり、王族殺害事件の真相を追い求める話だと思ったのだが・・・。
万智と、同じホテルに滞在する人たち、街の少年、ロッジの女主人との関係は最初は良好に見えた。だが、”あるできごと”が起こってから状況は一変する。誰もがあやしく見える。誰もが疑わしく思える。表面的な印象とはまったく違う裏の顔が垣間見える。それはかなり衝撃的だった。人は表面だけでは分からないものだとつくづく思った。そのことも衝撃だったが、もっと衝撃だったのは、万智の心をひどく傷つけたある人物の言葉だった。それは、「裏切った」とか「裏切られた」というような言葉で表現できるものではなく、もっと深くもっと暗いものだった。言葉もりっぱな武器になるのだ・・・。
自分はジャーナリストではない。でも、「ジャーナリストって何だろう?」「ジャーナリストは何をなすべきなのか?」「ジャーナリストはどういう立場にいるべきなのか?」などなど、いろいろなことを考えてしまった。「王とサーカス」。この作品のタイトルの持つ意味は限りなく重い。読み応えがあり、人を引きつけて離さないとても魅力のある作品だった。
最後に・・・。
この作品の中に出てきた「雲仙普賢岳の火砕流」の話はリアルタイムで知っている。ニュースを見てかなりの衝撃を受けた。「大火砕流に消ゆ」(江川紹子)という本も読んだことがあるが、報道のあるべき姿を考えさせられるとても興味深い本だった。機会があればぜひ読んでほしいと思う。



| 米澤 穂信 | 21:27 | comments(2) | ゆこりん |


満願(米澤穂信)

鵜川妙子が矢場英司を刺殺した!彼女はなぜか控訴を取り下げ、懲役八年の一審判決が確定した。彼女の真の動機とはいったい何だったのか?表題作「満願」を含む6編を収録。

起こってしまった出来事・・・。人はその表面に見える事実しか知らない。だが、その出来事の裏には、複雑に絡み合いうごめいている人の思惑がある。人の不思議さ、人の怖さ、人の面白さ。作者は6編の話の中で、そのことを巧みに描いている。表題作の「満願」はなかなかよかった。鵜川妙子という女性の執念には驚かされた。何かを守るためにはそんな力も出せるものなのか・・・。また、それ以上に印象に残ったのは「夜警」だった。川藤浩志というひとりの巡査の死は、本当に惜しまれ二階級特進に値するものだったのか?彼の裏の顔を知ったときには、ぞくっとするものがあった。
6編の中にはインパクトが弱い話もあったが、どの話も興味深く読んだ。人の心はまさに複雑怪奇・・・。読後、不思議な感じの余韻が残る作品だった。



| 米澤 穂信 | 20:31 | comments(0) | ゆこりん |


儚い羊たちの祝宴(米澤穂信)

丹山家の跡取りとして厳格に育てられた吹子にも、大学生になった時に楽しみができた。それは、読書サークル「バベルの会」への参加だった。だが、参加直前になると吹子の身近にいる者が殺害されるという事件が起こり、参加できなくなってしまう。翌年も翌々年も・・・。それらの事件の裏にはいったい何が隠されているのか?「身内に不幸がありまして」を含む5編を収録。

5編どれもが非常に奇異な話だ。いつの間にか読み手さえも、不思議な空間に引きずり込まれていく。人間の恨みや憎しみ、そしてねたみなどの思い・・・。それらが腐敗し、ドロドロとなり渦を巻き、まるで底なし沼のように周りの人間を引きずりこみ、破滅させていく。読んでいて、そういう何とも言えない恐怖を感じた。5編どれもが、「物語の中に張り巡らされた複線が、最後の凝縮された一行で見事に浮かび上がってくる。」という構成になっている。「古典部シリーズ」とはまったく違う作者の別の面が見えて、興味深い。ありきたりの小説に飽きてしまった人には、ぴったりの作品だと思う。



| 米澤 穂信 | 20:01 | comments(0) | ゆこりん |


ふたりの距離の概算(米澤穂信)

「いったい何があった?」
高校2年生になった折木奉太郎が所属する古典部に、新入生の大日向友子が仮入部した。だが彼女は、突然入部を断る。原因は千反田にあるらしいのだが、千反田は人を傷つける性格ではない。マラソン大会が終わるまでに何とかしなければならない奉太郎は、走りながら真相に迫ろうとする・・・。古典部シリーズ第5弾。

マラソン大会当日、奉太郎は走る。そして、走りながらひとつひとつの出来事を検証する。それぞれのしぐさや態度、何気なくかわされた会話の中から、まるでジグソーパズルのように、真相につながるピースを拾い集めてははめ込んでいく。人は心にやましいことがあると、必要以上に物事を深刻に考えてしまう。そういう心理状態を作者は巧みに描いている。さて、最後のピースをはめ込み完成させたとき、「真実」はいったいどんな姿を現すのか・・・?テーマとして、人間関係の難しさも織り込まれた、まあまあ読み応えのある作品だった。



| 米澤 穂信 | 17:21 | comments(0) | ゆこりん |


追想五断章(米澤穂信)

叔父が営む古本屋でアルバイトをしている菅生芳光は、店を訪ねて来た女性の依頼を報酬目当てで引き受ける。依頼主の北里可南子は、亡くなった父の書いた五つの結末のない小説を探していた。調べを進めていくうちに、芳光は22年前のある事件の存在を知る。事件の真相は?そして、五つの小説に隠された謎とは?

依頼主の可南子のもとにある、五つの一行だけの結末の文章。そして芳光が捜す五つの結末のない小説。全てが組み合わされたとき、そこから分かることは何なのか?作者がこの作品の中に仕掛けた謎にワクワクしながら読み進めた。作中の五つの小説は、本文と結末の組み合わせが22年前の事件の真相に結びついていくように、かなり計算されて書かれている。その仕掛けには、ただただ感心させられる。途中は「こうなのだ。」と思い込ませておいて、最後には意外な真相を用意しておく。作者にすっかりだまされてしまった。真相のインパクトの弱さ、主人公の芳光の今後などに多少の不満はあるが、全体的には面白い作品だと思う。



| 米澤 穂信 | 15:33 | comments(0) | ゆこりん |


さよなら妖精(米澤穂信)

1991年の春、守屋はある一人の少女に出会う。ユーゴスラヴィアから来たというマーヤ。たった2ヶ月だったけれど、彼女との思い出は強烈な印象を残した。「マーヤはどこから来たのか?」彼女の帰国後、謎解きが始まった・・・。

守屋、大刀洗、白河、文原、そしてマーヤ。最初読み始めたときは、彼らの他愛もない会話が退屈に思えてしょうがなかった。だが、読み進めていくうちに、会話の中に隠されているマーヤの思いにしだいに気づかされていった。どこに帰るかだけは決して言おうとせずに帰国したマーヤ。そこから守屋たちの謎解きが始まるが、ユーゴスラヴィアはひとつの国でないことを思い知らされる。退屈だと思えた会話の中にちりばめられたマーヤにつながる手がかり・・・。それを知ったとき、物語の面白さが見えてきた。マーヤはどこに帰ったのか?そしてマーヤのその後は?ラストは胸が痛くなった。戦争がいかに悲惨なものか!そして何気ない日常生活がどんなに貴重なものか!この作品に込められているものは、あまりにも重い。



| 米澤 穂信 | 17:07 | comments(0) | ゆこりん |


遠まわりする雛(米澤穂信)

女の子が着飾って「生き雛」となり、行列の先頭を歩き集落を巡る。千反田に頼まれ、その行列の手伝いをすることになった奉太郎だが、ちょっとしたトラブルに遭遇する。表題作を含む7編を収録。古典部シリーズ第4弾。

この作品は、入部から翌年春までの、古典部の部員たちが遭遇するちょっとしたミステリアスなできごとを描いている。謎解は相変わらず面白いが、古典部部員たちの描写もとても興味深かった。印象に残ったのは、「あきましておめでとう」と「手作りチョコレート事件」だ。「あきましておめでとう」では、奉太郎と千反田が納屋に閉じ込められてしまう。彼らはどういう方法でそこから出ようとするのか?その方法には思わず笑ってしまった。奉太郎と里志の厚い友情も垣間見えて、面白かった。「手作りチョコレート事件」では、消えたチョコの行方をめぐっての、里志と伊原の微妙な関係が見えてくる。この二人、どうなるのだろう?奉太郎と千反田の関係も気になる・・・。そして、今後の古典部は?次回作に大いに期待したい。



| 米澤 穂信 | 15:53 | comments(0) | ゆこりん |


クドリャフカの順番(米澤穂信)

神山高校文化祭がついに始まった!だが、古典部には大問題が・・・。大量に作成してしまった文集「氷菓」を売りさばくには、いったいどうすればいいのか?その一方、ひそやかに事件が発生していた。連続盗難事件に隠された秘密とは?古典部シリーズ第3弾。

いくつかの小さな流れが集まって、やがて大奔流となる。そんな作品の構成はお見事!読み手は知らず知らずのうちに、この作品から目を離せなくなる。連続盗難事件の真相はいかに?その謎解きもさることながら、古典部の面々一人一人の描写は、読んでいてかなり面白かった。前2作では知らなかった、意外な特技も!こんな一面もあったのかと驚きの発見を楽しんだ。「わらしべ長者」的な話も面白かった。最後は古典部自体を巻き込んでの大騒動。事件は解決するのか?「氷菓」は売れるのか?その二つに絡むのはやはりホータロー♪彼の取った行動も、読み手を充分に楽しませてくれた。



| 米澤 穂信 | 16:14 | comments(0) | ゆこりん |