琥珀の夢(伊集院静)
2017.11.22 Wednesday
1879年(明治12年)1月30日、両替商・鳥井忠兵衛に次男・信治郎が誕生した。やがて彼は、日本に新たな風を巻き起こす・・・。サントリー創業者・鳥井信治郎の生涯を描いた作品。
明治、大正、昭和・・・。日本は激動の時代だった。日本が世界と対等に渡り合える力をつけようとするこの時期に、信治郎はおのれの夢を実現すべく奔走する。「本格国産ウイスキーを造る!」そのためにはどんな労力も惜しまない。周囲の反対、莫大な借金、数々の挫折・・・それらを乗り越え、ひたすら突き進む。人が喜ぶ優れたものを作るために。恐ろしいほどの情熱だ。彼は、商売には厳しかった。だが、人を思いやる心は決して忘れなかった。とても人情があり、人を惹きつける人柄だった。
幾多の困難を乗り越えて、信治郎の苦労が報われる時が来る。それはとても感動的だ。何度失敗してもくじけずにそこからさらに先に進もうとする鳥井信治郎。彼の生き方は、多くの教訓を私たちに遺してくれた。「やってみなはれ」信治郎のこの言葉が胸を打つ。
人間味あふれる感動的な話だった。多くのことも学んだ。面白かった。
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