父・藤沢周平との暮し(遠藤展子)
2016.11.11 Friday
若いころ結核にかかりやむを得なく人生の進路を変更した。病気で最愛の妻を若くして亡くした。そんな藤沢周平がいつも口にしたのは、普通の生活を毎日続けることの大切さだった。娘・遠藤展子さんが語る、藤沢周平の素顔とは?
人のやさしさや人情味にあふれた温もりのある小説を描き続けた、作家・藤沢周平。その彼の素顔を描いたのが、娘の遠藤展子さんだ。展子さんは、生後8か月の時に実母を癌で亡くした。藤沢周平は、再婚するまでの数年間男手ひとつで展子さんを育てた。母のいない暮し・・・。彼は、娘にみじめな思いをさせないようにと最大限の努力を重ねる。その奮闘ぶりには頭が下がる。「娘は、こんなにも父親に愛されて育ったのか。」そう思うと胸が熱くなる。藤沢周平の、自分以外の人に注ぐ温かなまなざし。それは、彼の書く小説にも現れている。作家としても父としても、彼は本当にやさしい人だったのだ。ますます彼の作品が好きになる。藤沢周平ファンには是非読んでもらいたい本だ。いや、たとえファンでなくても、父と娘の心温まる物語をぜひ読んでほしいと思う。ステキな感動が待っているはずだから♪
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