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蜜蜂と遠雷(恩田陸)

3年に一度開催される芳ヶ江国際ピアノコンクールにはジンクスがあった。
「ここを制する者は、世界最高峰のS国際ピアノコンクールで優勝する」
マサル・C・レヴィ・アナトール、栄伝亜夜、風間塵、高島明石。数多くの天才たちがひしめくコンクールを、彼らは勝ち抜けるのか?最後に栄光をつかむのはいったい誰なのか・・・?

本を読んだのではない。本を通してコンクールのピアノ演奏を聴いたのだ。そんな感じがする。コンクールで勝ちあがるための壮絶ともいえる演奏。聴こえるはずのないピアノの音が、この本を読んでいると聴こえてくる。音符の洪水が、圧倒的な迫力で押し寄せて来る。いったい読み手をどこに連れて行こうとしているのか?宇宙のはるかかなた?壮大な自然の真ん中?ともかく、読み手は翻弄される。素晴らしい音の波に。
はたして、コンクールで優勝するのは誰か?できればマサル、亜夜、塵、明石、この4人すべてに優勝の栄冠を与えたい。そんな気持ちになってくる。どんどん本を読み進める。いや、コンクールを聴きに来た聴衆のひとりとして音楽を聴き続けていく・・・。文章を読むだけで音楽を楽しめるなんて!素晴らしい音楽の世界に浸れるなんて!この作品は何なのだ!恩田陸のすごさをあらためて実感した。
読後も強く余韻が残り、頭の中ではいつまでもピアノの音が鳴り響いていた。500ページの大作だが、一気読みだった。ラストには素晴らしい感動が待っている!久々にとても面白い本にめぐり会い、大満足♪ オススメです!



| 恩田 陸 | 21:16 | comments(0) | ゆこりん |


ブラザー・サン シスター・ムーン(恩田陸)

楡崎彩音、戸崎衛、箱崎一・・・。ザキザキトリオと呼ばれた高校時代の同級生3人が過ごした大学時代を、鮮やかに描いた作品。

とりわけ大きな事件が起こるわけでもなく、時がゆるやかに流れていく。三人三様の大学生活。その中で彼らの接点はほんのわずかでしかない。抱えている思い出も違う。けれど、3人は確実に同じ時を過ごした。同じ空間にいて同じ物を見たこともある。進む道はそれぞれ違っても、彼らは時々人生のどこかで学生生活を懐かしむに違いない。時にはほほえましく、そして時にはほろ苦く。
この作品を読みながら、自分の学生時代と重ね合わせてみた。楽しいことばかりではなかったけれど、とても自分が輝いていたように思う。未来への希望もあった。どんなことにでも挑戦しようという意気込みもあった。この作品は、学生時代の自分自身にたまらなくいとおしさを感じさせる。
淡々とした話ではあるが、どこか人を惹きつけて離さない不思議な魅力を持った作品だと思う。



| 恩田 陸 | 19:41 | comments(0) | ゆこりん |


私と踊って(恩田陸)

ダンス会場で誰からも声をかけられることなく、忘れられた存在のようだった私に、声をかけてきた少女がいた。
「私と踊って。」
「ダンスは男の人と女の人がするものでしょ?」
そういう私の前で、少女はひとりで軽やかに踊った。それがふたりの出会いだった・・・。
表題作「私と踊って」を含む19編を収録。

どの話も、恩田陸の独特の世界観の中で描かれている。わたしの一番のお気に入りはミステリアスな「心変わり」だ。少しずつ少しずつ見えてくる真実。その緊迫した状況に、読んでいて胸がどきどきしてきた。表題作「私と踊って」もいい。ふたりの少女が出会い、やがてそれぞれの道を歩き始め別れが来るまでの描写は、強烈な印象を私に残した。「東京の日記」は最後に書かれた横書きの話だ。内容よりもその発想の面白さに惹かれた。「忠告」も異色でよかった。こんな犬が実際にいたら面白いと思う反面、怖いとも思う。また、一番驚いたのは「交信」だった。これは20番目の話になるのだが、それは・・・読んでからのお楽しみ♪とにかくユニークだった。
これだけさまざまな色の話を描ける恩田陸は、やはりすごい!中には理解し難いものもあったが、恩田ワールドにどっぷりと浸れる作品だと思う。



| 恩田 陸 | 20:25 | comments(0) | ゆこりん |


夢違(恩田陸)

夢をデジタル化し、「夢札」として保存することができるようになった。「夢札」を解析する夢判断を仕事とする浩章は、つねに疑問を抱えていた。「結衣子は生きているのではないのか?」それを裏付けるような不思議なできごとが、各地の小学校で起こり始めていた・・・。

小学生の夢札を見続ける浩章。そこに映し出された思いがけないものにぎょっとする。いったいそれは夢の中だけのできごとなのか?それとも現実の世界につながるものなのか?夢と現実。その境界線がしだいに消えていく・・・。そもそも我々自身は、本当に現実の世界を生きているのだろうか?もしかしたらこの世の中は、脳が見せる幻の世界なのかもしれない。そんなことを考え始めたら止まらなくなる。それと同時に、言いようのない恐怖に襲われた。この作品を読むと、自分自身の存在に確信が持てなくなってしまう。どこまでが夢でどこまでが現実なのか?最後までその疑問に対する答えは得られなかったが、恩田陸の世界を充分に味わうことの出来る面白い作品だと思う。



| 恩田 陸 | 18:20 | comments(0) | ゆこりん |


私の家では何も起こらない(恩田陸)

丘の上に建つ小さな家に、ある日"男"がやって来る。「なぜこの家を買ったのか?」「あなたの叔母は何か言っていなかったか?」男の意図するものは?この小さな古い家には、奇怪なできごとに染められたたくさんの歴史が積み重ねられていた・・・。表題作「私の家では何も起こらない」を含む9+1編を収録。

異次元の空気をまとい、ひっそりと丘の上に建つ家。そこで起こった数々の信じられないできごと!「生」と「死」。人はいつもその間に線を引きたがる。けれど、このふたつの間には、線など引けるはずがない。表裏一体。「生」と「死」はふたつでひとつなのだ。からみ合い、混じり合い、そこから伸ばされた手は読み手の心をつかみ、恐ろしいまでに締めつける。最初から最後まで不思議な雰囲気が漂い、恩田陸の独特の世界が果てしなく広がる。けれど、作者の意図をきちんと理解するのが困難で、読んだ後も、もやもやとしたものだけしか残らなかった。消化不良の作品だった。



| 恩田 陸 | 21:32 | comments(0) | ゆこりん |


土曜日は灰色の馬(恩田陸)

作家、恩田陸。彼女はどんなものを読み、そしてどんなことを考えてきたのか?彼女を作家へと導いてきたものは何なのか?彼女の一面を知ることのできる、興味深いエッセイ。

「恩田陸さんの小説の読み方は、私のような凡人とは一味違うのではないだろうか?」以前からそう感じていたが、このエッセイを読んでますますその思いを強くした。深い洞察力、そこから広がるはてしない想像力。どんなにがんばっても、彼女の生まれながらにして持っているその能力には及ばない。独特の感性、独特の世界観。たまらなく魅力的だ。今まで読んできた小説を語る部分は、面白く読んだ。今まで読んできた少女漫画を語る部分は、興奮しながら読んだ。あまりにも懐かしすぎる!!彼女の存在がとても身近に感じられた。さて、これからどんな世界を小説で表現してくれるのか?期待に胸をふくらませ、待つことにしよう。



| 恩田 陸 | 18:06 | comments(0) | ゆこりん |


ネバーランド(恩田陸)

冬休み、それぞれの事情から学校の寮松籟館に残ることになった美国(よしくに)、光浩、寛司。そして、松籟館に出入りする通学組の統(おさむ)。たった4人で過ごす松籟館でのできごとを、あざやかに、そして瑞々しく描いた作品。

読んでいて萩尾望都さんの漫画を思い出してしまった。あとがきの中で作者が、萩尾望都さんの作品「トーマの心臓」を意識していたことを知り納得♪
置かれている立場や抱えている事情、そして性格もまったく違う4人。そんな4人の、誰もいない寮での生活が生き生きと描かれていて、読んでいて楽しく、そしてワクワクさせられた。統の話は、どこまでが真実でどこまでが嘘か?美国が見たものの正体は?読みながら真剣に考えてしまった。また、光浩の悲惨な生い立ちには驚かされた。ここまで重い過去を背負わせなくてもよかったのでは・・・。ともあれ、4人の寮での生活は、それぞれに素晴らしい思い出を残した。こんなにステキな思い出を持っている4人がうらやましい。読後、さわやかな印象を残す作品だった。



| 恩田 陸 | 19:47 | comments(0) | ゆこりん |


不連続の世界(恩田陸)

現実のはざ間にひっそりと潜む恐怖。気づいたとき、人は何を思いどう行動するのか?日常生活の中で塚崎多聞が経験した不思議でちょっぴり怖いできごととは?5つの短編を収録。

当たり前のことが当たり前でなくなる。「こういうものか。」と思っていたことが、根底からひっくり返される。日常生活の中に不気味にひそむ落とし穴のような、そんな感じのする作品だった。5編どれもが個性的な光を放っている。その中で印象的だったのは、「幻影シネマ」と「夜明けのガスパール」だ。「幻影シネマ」では、ある男の苦悩が描かれている。傷ついた心が記憶を作り変える・・・。現実の世界でもありそうな話だ。「夜明けのガスパール」は衝撃的だった。心が作り出す、ゆがんでいて虚構に満ちた世界。その世界に身をゆだねようとする多聞。ラストでは、この話を読みながら心の中で構築してきたものが、ガラガラと音を立てて崩れていくような感覚を味わった。驚きと感嘆に満ち溢れている恩田陸が作り出す世界。それを充分に堪能できて満足だった。



| 恩田 陸 | 17:40 | comments(0) | ゆこりん |


訪問者(恩田陸)

3年前、朝霞千沙子が湖で溺死した。そして、千沙子に育てられた峠昌彦も事故で急死する。千沙子が住んでいた館に集まった朝霞一族は、峠昌彦の遺言の内容に驚いた。集まった中に昌彦の父親はいるのか?千沙子や昌彦の死の真相は?「訪問者に気をつけろ」この言葉の意味するものは・・・?

次々と現れる訪問者。そして、陸の孤島となってしまった館。限られた空間と限定された登場人物たちの行動や会話から、千沙子と昌彦の死の真相が徐々に明らかになっていく。そして、昌彦の父親が誰かということも・・・。
本を読むと、いつもなら頭の中で映画を観るように映像が出来上がっていくのだが、この作品はまるで舞台を観ているような感覚になっていった。個性豊かな登場人物たちが鋭い洞察力で謎のベールを一枚ずつはがしていく。真相が分かってしまえば「なんだ。そんなことか。」と思ってしまうかもしれないけれど、話の展開や盛り上げ方は実に巧妙だ。「訪問者」というタイトルを見た段階から、読者はもう作者に惑わされている。読後も不思議な余韻を読み手に残してくれる。恩田陸らしい作品だった。



| 恩田 陸 | 19:37 | comments(0) | ゆこりん |


きのうの世界(恩田陸)

1年前に失踪した男が、とある町で死体となって発見された。いったい彼は、この1年の間何をしていたのか?塔と水路の町に隠された秘密とは?

主軸は「ひとりの男の死」なのだが、章ごとに語る人物が違う。そのひとつひとつを組み合わせると、作品全体の流れがあざやかに浮かび上がっていく。そういうストーリー展開が絶妙で、どんどん作品の中に引きずり込まれるような感じで読んでいった。死体となって発見された男。その男が調べていたこととは?一見ミステリーのようだ。だが、ミステリーとして読むと、疑問や不満を感じる人が少なからずいるのではないだろうか。
結末にも意外性はない。いや、この作品全体に「意外性」などというものは存在しないのだ。だが、意外性がないのに意外性があるように思わせるところに作者のすごさがある。この作品は、「不思議な恩田ワールドをじっくりと味わう。」そういう純粋な気持ちで読むほうが楽しめると思う。私個人としては、とても好きな作品だった。



| 恩田 陸 | 15:26 | comments(0) | ゆこりん |