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スワロウテイルの消失点(川瀬七緒)

腐乱死体の解剖中、そこにいた者たちの体に異変が起こる。赤い発疹の後に起こる猛烈な痒み!その原因となった虫は、日本にいないはずの虫だった・・・。法医昆虫学捜査官シリーズ7。

冒頭から凄まじい腐乱死体が登場!ウジの数も半端ではない。そして、日本にいないはずの虫が、解剖に立ち会った者たちに襲い掛かる。事件の犯人は誰なのかよりも、その虫がどうやって日本に来たのか、そちらのほうが気になる。
法医昆虫学者・赤堀の調査が始まる。虫たちが教えてくれる事実をひとつひとつ積み重ねていく。虫たちは、決して人を欺いたり裏切ったりはしない。語るのは真実のみだ。「犯人は、虫たちが教えてくれる。」この作品の最大の魅力がそこにある。昆虫に関する詳細な知識を、作者はいったいどこから得ているのか?ただただ感心するしかない。
今回も期待を裏切らない面白さだった。私は虫嫌いだが、このシリーズだけは読み続けたいと思っている。



| 川瀬 七緒 | 21:47 | comments(0) | ゆこりん |


紅のアンデッド(川瀬七緒)

古い家屋から、大量の血痕と3本の左手の小指が見つかった。その家に住んでいた遠山夫妻と客の者の指だと思われたが、死体は見つからなかった。法医昆虫学者の赤堀は、岩楯警部補とともに事件の謎に迫っていく・・・。法医昆虫学捜査官シリーズ6。

いつもなら、死体が発見されそこについているウジなどを手がかりに捜査を進めていくのだが、今回は死体なき殺人事件というちょっと変わったパターンだった。また、赤堀の置かれている立場も今までとは違う。科捜研を再編成した「捜査分析支援センター」というところに所属している。そのせいで、事件現場には入れないという制約がある。また、新たな人物が登場する。プロファイラーの広澤春美だ。最初はうまくかみ合っていないように見えた赤堀と広澤だが、しだいに名コンビぶりを発揮するようになる。
死体はどこにあるのか?犯人はどうやって死体を隠したのか?地道な捜査の中で、赤堀はある虫から手がかりを得る。そして、過去に似たような事件があったことを知る・・・。
過去の事件と現在の事件。このふたつは関連があるのか?ないのか?もしあるとしたら誰がどう関わっているのか?真実が知りたくてどんどん読み進めた。けれど、たどり着いた真実はちょっと期待外れ。都合のいいようにまとめられている印象だった。それでも、最後まで楽しく読むことはできた。
余談になるけれど、この本を読むとお菓子を食べられなくなりそう・・・(^^;



| 川瀬 七緒 | 21:52 | comments(0) | ゆこりん |


テーラー伊三郎(川瀬七緒)

ダラダラと過ごす日々。17歳の男子高校生・海色(アクア)の日常は退屈なものだった。そんなある日、紳士服店のウィンドウに置かれたコルセットに、アクアは心を鷲掴みにされる。店主の伊三郎は頑固な老人だった。「なぜ彼がコルセットを?」そこには、伊三郎の思惑があった・・・。

紳士服仕立屋の伊三郎が突然コルセットを作った!家族の者は、伊三郎がどうかしてしまったのかとうろたえる。けれど、伊三郎には伊三郎なりの理由があった。
「さびれていく一方の田舎町の商店街を何とかしたい!」
だが、高齢者の多い街。理解を示してくれる者もいるが、頭の固い連中もたくさんいる。あの手この手で伊三郎のしていることを妨害しようとする。伊三郎、アクア、そして伊三郎を応援する者たちは、さまざまな妨害をひとつひとつクリアしていく。そしてついに・・・。
個性的・・・あまりにも個性的な登場人物が多すぎて面食らう。だが、彼らは何とかして街を再生しようとする。その方法がコルセットとは!読んでいて最後まで???だったが、それくらいインパクトがないと世間は注目してくれないのだと納得。「変える」勇気と努力。それがどういう結果を生み出すかを鮮やかに描いている。読後もさわやか♪



| 川瀬 七緒 | 23:32 | comments(0) | ゆこりん |


潮騒のアニマ(川瀬七緒)

小さな離島でミイラ化した女性の遺体が発見された。死後3ヵ月を経過したと思われる遺体は、首つり自殺として処理されようとしていた。だが、法医昆虫学者の赤堀は、遺体がいつもとは違うことに気がついた。「虫の声が聞こえない。」はたして、この遺体に隠された謎とは?法医昆虫学捜査官シリーズ5。

犬がどこからか運んできた女性の遺体は、首つり自殺をしたものと思われた。だが、遺体を中心にしての昆虫相が全く組まれていない・・・。どうすればこういう状態になるのか?いつもは虫たちの声を聞く赤堀は戸惑った。それでも、根気よく赤堀は現場からわずかな手がかりを探し出した。しだいに、遺体となった女性の人生が浮かび上がってくる。彼女がなぜこんな小さな島までわざわざやって来て命を絶ったのかが見えてくる。周りの人間の身勝手さや醜さが浮き彫りになってくる。事件が解決されても、満たされない切ない想いがつきあげて来た。
今回も赤堀は大活躍だった。この作品は、シリーズ1〜5の中で一番ウジの数が少なかったように思う。大量のウジが登場するだろうと身構えて読んだが、拍子抜けだった(笑)。そのかわり、他の生物が圧倒的な迫力で登場する。危機感を感じる赤堀だが、その生物は人間が持ち込んだものなのだ。生き物を人間の都合のいいように扱うことは、絶対にしてはいけないと思う。
じっくり考えれば疑問なところもあるが、楽しめる作品だと思う。いつも言っているが、虫の好きな人だけではなく、虫の嫌いな人にもぜひ読んでもらいたい。虫の生態は、ミステリーより面白いかもしれない。



| 川瀬 七緒 | 21:57 | comments(0) | ゆこりん |


メビウスの守護者(川瀬七緒)

東京西多摩で、腐乱した男性の死体の一部が発見された。岩楯はさっそく現地に飛び、山岳救助隊員の牛久とコンビを組み捜査に当たる。法医昆虫学者の赤堀も呼ばれたが、なぜか赤堀と司法解剖医がそれぞれ出した死亡推定月日が合わない。そこにはいったいどんな謎が隠されているのか・・・?法医昆虫学捜査官シリーズ4。

男の腐乱死体の一部が発見される。それ以外の部分も近くにあるだろうと、警察は付近をくまなく捜索する。だが、赤堀は独自の視点で死体の残りの部分を追う。虫の生態だけではなく野生動物の生態をも考慮に入れての捜索は、全然そういう知識がない私にとってはとても興味深いものだった。知識の有無が、手がかりを得られるかどうかということに大きく関わってくる。犯人の正体が思わぬところから暴かれる。この作品の面白さはそこにある。虫が大嫌いな私だが、虫がたくさん出てくるこの作品は大好きだ。
今回も期待を裏切らない面白さだった。虫よりも気味が悪いのは、心の中にドロドロした物を抱えながら何食わぬ顔で生きている人間の方ではないのだろうか・・・?この作品を読んでそんなことを感じた。次回作が待ち遠しい。



| 川瀬 七緒 | 20:23 | comments(2) | ゆこりん |


水底の棘(川瀬七緒)

遺体を最初に発見したのは、赤堀だった!
昆虫学者の赤堀涼子は、害虫駆除会社を営む後輩の手伝いでユスリカの駆除のため荒川河口にやってきて、そこで遺体を発見する。その遺体は、虫や動物に食い荒らされ損傷が激しかった。わずかな手がかりをもとに、捜査本部そして赤堀は、それぞれ別の角度から被害者の身元に迫ろうとするが・・・。法医昆虫学捜査官シリーズ3。

絞殺されたと思われる遺体。だが、損傷が激しく、所持品もほとんどないことから、身元の特定は困難を極めた。赤堀は、ウジやわずかに残された虫であろう微物から真実の糸を手繰り寄せていく。どんなささいなことも見逃さず、知識を駆使して虫の生態を調べ、被害者の状況を浮かび上がらせていく。今回は、陸上の生き物たちの生態だけではなく水中の生き物たちの生態も描かれていて、とても興味深かった。また、刺青のことについてもかなり深く描かれていて、よくここまで調べたと感心するほどだった。被害者はなぜ死んだのか?根底を覆す新事実もあり、驚かされた。そして、事件の真実に迫る岩楯刑事に危機が!その時の赤堀の行動力はすごかった。
最後まで飽きさせない、読みごたえのある面白いストーリーだった。今後の岩楯と赤堀の関係も気になるし、次回作が待ち遠しい。



| 川瀬 七緒 | 20:06 | comments(2) | ゆこりん |


シンクロニシティ(川瀬七緒)

東京・葛西にあるトランクルームから女性の死体が発見された。腐敗が激しく、人相も死亡推定時刻も分からないほどだった。捜査一課の岩楯は、さっそく捜査を始める。大量のウジや蝿が遺体に集まっていたため、法医昆虫学者の赤堀が呼ばれることになったのだが・・・。法医昆虫学捜査官シリーズ2。

私は虫が大嫌いだ。なのに、このシリーズを好んで読んでいる。虫の描写は読むと鳥肌が立つが、それ以上にこの作品には惹かれるものがある。
腐敗が進み死亡時刻を判断できない遺体。だが赤堀は、遺体に群がるウジや蝿などの種類から的確に被害者の殺害された日時を割り出していく。虫の生態が、被害者の状況を浮き彫りにしていく。その過程はとても興味深い。犯罪の動機や犯行手口には正直なところそれほどの面白さは感じないが、虫の生態を犯罪捜査に使うという設定には面白さと新鮮さを感じる。それは、前作の「147ヘルツの警鐘」を読んだ時にも感じた。「虫が犯人を教えてくれる。」まさに「虫の知らせ」だ。 また、今回のシリーズでは、岩楯と赤堀の微妙な関係も気になるところだ。
なかなか魅力のある、楽しめる作品だと思う。私の虫嫌いは直りそうにないが、めげずにこれからもこのシリーズを読んでいきたいと思う。



| 川瀬 七緒 | 19:51 | comments(0) | ゆこりん |


147ヘルツの警鐘(川瀬七緒)

悲惨な焼死体の腹部から発見されたのは、意外なものだった!
困難な事件に、警視庁は法医昆虫学者・赤堀涼子の起用を決定する。被害者の体に残されたわずかな手がかりから、彼女がたどりついた真実とは?

虫が嫌いだ。この作品の中にはたくさんの虫が登場する。読んでいるだけでも、背中がむずむずしてくる。けれど、虫の生態はとても興味深いものばかりだった。「ウジ」から死亡時間が推定できるのには驚いた。恐るべき、ADH!
赤堀涼子。彼女は心から虫を愛している。虫のことを「この子たち」と、親しみを込めて呼ぶ。彼女はいつも言う。「虫たちが教えてくれる。」と。物言わぬ虫たちが発するメッセージを、彼女はしっかりと受け止める。この法医昆虫学という発想はとても面白かった。けれど、事件そのものの組み立て方はやや荒っぽく、説得力に欠ける感じがした。ストーリー展開も、もう少し滑らかさがあれば読みやすかったのでは?でも、「赤堀の活躍をもっと読んでみたい!」と思う。作者の川瀬七緒さんにお願いしたいなぁ・・・。



| 川瀬 七緒 | 18:04 | comments(0) | ゆこりん |