ねじとねじ回し(ヴィトルト・リプチンスキ)
2017.10.07 Saturday
「21世紀を目前にひかえて、ミレニアムを特集をするから記事を書いてくれないかな。」それが始まりだった。最高の道具について書いてくれという依頼に悩んでいる作者に、妻が言った。「ねじ回しよ!」まさか、ねじとねじ回しに壮大なドラマがあるとは・・・。興味深い歴史物語。
この1000年で最高の道具。まさかそれが、小さなねじとそれを回すねじ回しだとは思わなかった。けれど読み進めるうちに、これは本当にすごい発明だったのだと実感した。さまざまな道具の中から工夫されて生まれたねじ。最初は精度が悪く、作るのにも恐ろしく手間がかかった。だが、職人たちは工夫を重ねた。そして、精度の高いねじを大量に作る方法を思いつく。そのことは、飛躍的に物作りのレベルを上げた。もう、ねじ無しでは何も作れないのではないかと思う。小さなねじが、世界を大きく変える力を持っていたのだ!
図と説明文だけではどういう物か想像することが難しい部分もあったが、ひとつの道具がさまざまな職人たちの手を経て進化していく過程は、とても興味深かった。
それにしても、古代中国にはねじがなかったなんて・・・。意外だった。
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