殺人犯はそこにいる(清水潔)
2015.12.24 Thursday
栃木県足利市、群馬県太田市。この隣接するふたつの市で、5人の少女が行方不明になった・・・。
著者は、この五つの事件が連続殺人事件だと考えた。足利事件の冤罪について、そして犯人と思われる「ルパン」について、さまざまな検証をもとに描いた作品。ノンフィクション。
警察が追い求めるのは事件の真実や犯人ではないのか?自分たちに都合の悪いことを隠そうとする体質が、事件の真相を見えづらくしてしまったように思う。この作品を読んでいると、警察は本当に市民の味方なのか疑問を感じる。
警察は、やってもいない罪で長い間刑務所に入らなければならなかった人の苦しみが理解できるのか?警察は、真犯人を逮捕するということは、自分たちの過失をさらけ出すことになるとでも思っているのか?もう一度自分たちの使命を考えてほしい。私利私欲や利害関係より大切なことが見えてくるはずだ。
著者の独自の取材から見えてくる事件の真相は、とても興味深い。だが、それだけにルパンに対する記述に物足りなさを感じる。もっと突っ込んでもよかったのではないか?また、著者が語る事件の真相は本当にそうなのか、私には判断がつかない部分もあった。
ルパンが逮捕される日が来るのだろうか?それともずっと未解決のままなのか?もしこのままだとしたら、被害者の少女たちがあまりにも哀れだ。一日でも早く事件が解決しますようにと願わずにはいられない。
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