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猫のパジャマ(レイ・ブラッドベリ)

カリフォルニア9号線を走っているときに猫を見つけた!ひとりの男とひとりの女が、ほぼ同時にそれぞれの車から降りて猫に駆け寄る。どちらも、猫を先に見つけたのは自分だと譲らない。さて、結末は?表題作「猫のパジャマ」を含む21編を収録。

実にさまざまな話が、さまざまな長さで語られている。
表題作の「猫のパジャマ」は、猫を通して知り合った男と女の心情が鮮やかにそして巧みに描かれている。ラストの言葉がとても印象的で、思わずニヤッとしてしまった。
インディアンの酋長とアメリカ上院議員の賭けの話「酋長万歳」も面白かった。まさか、賭けに負けてアメリカ合衆国を取られてしまうとは・・・。発想がユニークだ。
「島」では、恐怖が増幅されるとどうなるのかということを描いている。おのれ自身で恐怖を巨大化していった先に待っていたものは・・・。ユーモラスでもあり、何とも言えない悲哀も感じた。
どの話も独特の感性で描かれていて興味深かった。中には理解し難い話もあったが、「レイ・ブラッドベリ」という作家を知ることができる貴重な作品だと思う。



| レイ・ブラッドベリ | 20:05 | comments(0) | ゆこりん |


10月はたそがれの月(レイ・ブラッドベリ)

毎晩「鏡の迷路」にやってくるこびとがいた。なぜ彼は毎晩やってくるのか?その目的を知ったエイメーは彼に興味を抱き、彼のためにある行動に出る。けれど、その結末は・・・。「こびと」を含む19編の短編を収録。

ちょっぴり怖く、そしてミステリアス。時には人の醜い面を見せつける。この本の中には多種多様な物語が詰まっている。
「こびと」は、ひとりの女性の好意がある男のために台無しになる様を描いている。ラストがとても印象的だった。「小さな殺人者」は、かわいいはずの赤ちゃんが恐怖の対象となる衝撃的な話だった。「まさか、そんな動機で・・・。」と思うが、なかなか説得力のある描写だった。「大鎌」は、大鎌で麦を刈るという単調な作業に隠された秘密について描かれているが、その秘密に気づいた男の悲劇が胸を打つ。「運命はどうやっても変えられないのか・・・。」ラストは切なかった。
その他の話も、人間の心理をうまくとらえていて、興味深く面白かった。手元に置いて何度でも読み返したくなる作品だった。



| レイ・ブラッドベリ | 19:04 | comments(0) | ゆこりん |


華氏451度(レイ・ブラッドベリ)

モンターグは、世界で禁じられている「本」を見つけ出し焼き払う焚書官だった。何も考えることなく黙々と仕事をこなしていたが、あるとき本を手にしてから人生観が大きく変わり始めた。「何が正しいことなのか?」モンターグの行きつく先は・・・。

本を所持したり読んだりすることは重大な犯罪だ。人々は、ラジオやテレビから一方的に送られる情報のみを受け入れ、そのことに何の疑問も抱かずに生活していた。深く考えることもせず、知識の蓄積もない生活。本のない世界なんてまったく考えられないし、想像もできない。一方的な情報で自分たちの行動や考え方を決められてしまう世界。一部の権力者たちが情報を操作し、そして人を操作する。恐ろしい話だ。架空の話だとは分かっていても、どこか現実の世界につながる部分を感じて、読んでいてぞっとした。
自分で考え自分の意思で行動することに"目覚めた"モンターグたちの行く先には、いったいどんな未来があるというのか?楽観的になれないラストはつらいものがあった。



| レイ・ブラッドベリ | 19:37 | comments(0) | ゆこりん |