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収容所から来た遺書(辺見じゅん)

終戦から12年の時を経て、6通の山本幡男の遺書が妻モジミに渡された。 シベリアで死んだ山本の遺書の保存方法は、実に驚くべきものだった・・・。 感動のノンフィクション。

戦争は終わったが、シベリアに抑留され日本に戻れない者たちがたくさんいた。彼らは、「いつか日本の土を踏むまでは・・。」という思いを胸に、過酷な状況下で労働に従事していた。だが、ひとり、またひとりと、斃れていく者が増えていった。常に死の淵に立たされ、明日のことさえ分からない絶望的な生活が延々と続いていく。けれど、そんな状況の中でも決して希望を失わず、前向きに生きていこうとする男がいた。彼の名は、山本幡男。俳句を通して、彼は人々の心にかすかな希望の灯をともす。「一緒に日本に帰ろう!」その思いが彼らを結びつけた。だが、もう少しで日本に帰れるというときに、山本は病で倒れた。生きて日本に戻れないと覚悟を決めた山本の心中は、察するに余りある。
収容所引き上げのときには、物を持ち出すのは厳禁だった。書かれた山本の遺書は、何人もの人間が手分けして暗記した。その必死の行為は、読んでいて強く胸を打つ。山本が、いかにかけがえのない存在であったか!無念のうちに死んでいった山本を思うと、涙が止まらなかった。
この作品で、あらためて戦争の残酷さを感じた。もう、決して決して戦争を起こしてはならない。平和な未来を次の世代に、絶対に渡さなければいけない。悲劇を繰り返してはいけないのだ。
感動的な作品だった。ぜひ、多くの人に読んでもらいたいと思う。オススメです!



| ”へ” | 19:28 | comments(0) | ゆこりん |


終末の海(片理誠)

核戦争により住んでいた世界は崩壊した。圭太は父母やその仲間とともに漁船で海に逃げ出したが、座礁!そんなとき豪華客船が現れた。だが、父母を初め乗り込んだ大人たちは誰一人帰って来なかった。そして2年後、再び現れたその船に今度は圭太たちが乗り込んでみたのだが、一人また一人と仲間たちが消えていった・・・。

大人たちが消えた後、ほとんど子供たちだけで生き抜いていた。今ある物をうまく利用し、食べ物を分けあって。がんばる男の子を描きたかったという作者の思いが伝わってくる。豪華客船で人が消えるのはなぜか?なぜ誰もいないのか?その真相には意外性があった。だが、内容、描写ともに小学生、中学生の子供向けのような感じがした。起こっている出来事だけが淡々と描かれていて、深みが感じれらない。登場人物の描写をもう少していねいに描いてほしかった。そうすれば彼らの苦悩や悲しみがもっと伝わってきて、作品全体に幅が出てくると思うのだが。



| ”へ” | 16:50 | comments(0) | ゆこりん |