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紅けむり(山本一力)

1795年(寛政7年)の東インド会社の終焉で輸出が途絶え、曲がり角を迎えた伊万里周辺で、公儀の隠密が動き回っていた。「爆薬である塩硝が密造されている!」藩存続の危機になりかねない事態の中、薪炭屋・山城屋の主・健太郎は、公儀の隠密から協力を求められるのだが・・・。

塩硝の密造、伊万里焼に絡むひそかな企み、動き回る公儀隠密・・・。伊万里の周辺は不穏な空気に包まれていた。本の帯のあらすじを見たときは、てっきり健太郎が活躍するのかと思った。だが、読んでいるうちに話が混沌としてきた。いったい、どの話が中心なのか?誰が主人公なのか?焦点が絞り切れていなく、健太郎の身に起こるできごともとても不可解だ。中には派手なアクションシーンもあるが、全然つまらない。ラストは無難にまとめたようだが、それも白々しく感じた。「600ページの中身はいったい何だったのか?」読了後、いくら考えても分からない。主人公不在のまとまりのない支離滅裂な話だった。最後まで読むのがつらかった・・・。



| 山本 一力 | 19:39 | comments(0) | ゆこりん |


つばき(山本一力)

寛永元(1789)年5月初旬、つばきは浅草から深川に移り住み、浅草の時と同じ一膳飯屋「だいこん」を開業した。だが、同じ江戸でも浅草と深川とでは仕来りが違う。つばきは深川でどう生きていこうとするのか?彼女の戦いが始まった・・・。「だいこん」の続編。

「だいこん」の続編が出たと知り、さっそく読んでみた。舞台は浅草から深川へ。同じ江戸でも環境は微妙に違う。つばきは深川に馴染もうと懸命に努力する。「だいこん」の評判も上々だ。だが、「出る杭は打たれる」と言われるように、商売繁盛を妬む者も現れる。つばきは、降りかかった災いを見事に福に転じる。山本さんの作品を読むといつも、人と人との心のつながりがいかに大切かを感じずにはいられない。ちょっとした心配りが相手の心に大きく響き、思いがけない幸せをもたらすこともある。だが、そこに打算があってはならない。打算は、人間関係に溝を作ってしまう。つばきはいつも真っ向勝負だ。時には損得抜きで行動する。その潔さは読んでいて爽快だ。つばきは、いろいろな人に支えられて成長していく。ほろ苦い別れも経験したが、それもつばきを大きく成長させる糧となった。読んでいてつばきにあまり感情移入はできなかったが、まあまあ面白い作品だと思う。



| 山本 一力 | 19:14 | comments(0) | ゆこりん |


戌亥の追風(山本一力)

女人吟味役おせいの個人的な恨みのせいで、店の大事な用で出かけたおきょうが船番所に留め置かれた。「理不尽な扱いは許さない!」与力、同心、手代、肝煎など、さまざまな男たちが立ち上がった。

おきょうを留め置いた女人吟味役のおせいは、吟味に自分の感情を差し挟んだ。そのためおきょうは、船番所で理不尽な扱いを受けることになる。どんなにささいでも、権力がある人間は立場が優位だ。だが、その権力を私利私欲、そして私怨に用いてはならない。悪いのは、おせいばかりではない。権力を振りかざし、今回の騒動を利用してひと儲けをたくらむ者たちもだ。権力者の腐敗ぶりは目に余る。権力に守られた人間をどう懲らしめるのか?そこにこの作品の醍醐味がある。さまざまな職業の男たちが、悪を懲らしめるために手を取り合い、知恵を出し合う。悪人たちがだんだん追い詰められていく様は小気味よいものだった。まさに、勧善懲悪!読後もさわやかな感動を味わうことができた。面白い作品だと思う。



| 山本 一力 | 17:53 | comments(0) | ゆこりん |


研ぎ師太吉(山本一力)

深川の長屋で刃物研ぎを生業にしている太吉のもとに、ひとりの若い女性が訪ねてきた。料理人だった父の形見の庖丁を研いでほしいと言う。けれど、そのことが思わぬ事件へと発展する。太吉は、その事件の真相を暴いていくことになるのだが・・・。

研ぎ師としてまじめに仕事をしている太吉。彼の仕事に対する態度や腕の良さは、みなが認めるところだった。そのまじめさが人に好感を与え、太吉はさまざまな人とつながりを持つようになる。殺人事件の下手人として捕えられた女性を救うのにも、この人脈は大いに役立った。職人の心意気や江戸人情は、読んでいて心惹かれるものがあった。人と人との微妙なつながりも、読んでいて面白かった。けれど、真の下手人が罪を認める描写はあまりいいものではなかった。真実にたどり着くのには、この方法しかなかったとは思えない。事件が解決しても、嫌な思いが残った。そこのところが少し残念だった。



| 山本 一力 | 21:00 | comments(0) | ゆこりん |


八つ花ごよみ(山本一力)

薬種問屋のあるじ柳之助の妻よしえは、「呆け」と呼ばれる病にかかり徐々に正気を失いつつあった。病状は悪化する一方だったが、ある日突然よしえが正気に返った。一時的に元に戻ったよしえの願いとは・・・。「路ばたのききょう」を含む、花にまつわる8つの短編を収録。

「路ばたのききょう」に登場するよしえは、今で言うなら痴呆の症状だ。よしえを介護する夫柳之助の苦悩は想像を絶するものがある。それでも柳之助は、常に妻をいたわり大切にしている。一時的に正気に戻ったよしえと柳之助の描写は、読んでいて胸に迫るものがあった。夫婦の強いきずなが感じられた。「砂村の尾花」では、ススキを扱う商売があったことを知って驚いた。現代では考えられない商売だ。「佃町の菖蒲」では、職人の技に感心した。また、父が娘を、娘が父を思う心がとてもよく描かれていてじんときた。そのほかの話も、心に迫るいい話だった。また、江戸庶民の生活もていねいに描かれていて興味深かった。読後もほのぼのとしたぬくもりが残る、心地よい作品だった。



| 山本 一力 | 16:38 | comments(0) | ゆこりん |


千両かんばん(山本一力)

「親方の後を継ぐのは俺だ。」
だが、親方の急死でその夢は叶わなかった。親方のおかみさんからは理不尽な扱いを受け、それにより弟弟子にも先を越されてしまった。失意のどん底であえぐ武市に、大店から看板の依頼があった。はたして武市は期待に応えることができるのか?

親方に見込まれ前途洋々だったはずなのに、親方の突然の死で人生が一変した。誰をうらむわけでもないが、武市の心はすさんでいた。だが、さまざまな人との関わりが、武市の心に少しずつ変化をもたらす。「いじけていてはだめだ。素直な気持ちにならなければ・・・。」暗闇から抜け出した武市は、おのれの信じた道を突き進む。周りの人間がどう批判しようとも、ただひたすら突き進む。武市が成し遂げた仕事は、武市ひとりの力ではない。いろいろな人の想いや努力があればこそのものだ。人情味あふれるストーリー展開は、読み手の心を熱くする。いつどんなときも、思いやりの心を忘れてはいけない。あらためて強く感じた。作者のほかの作品から比べるとインパクトが弱いような気がするが、心に温もりを与えてくれる、楽しめる作品だと思う。



| 山本 一力 | 20:16 | comments(0) | ゆこりん |


大川わたり(山本一力)

「借金を返すまでは、何があっても大川は越えられない・・・。」
借金返済のためにひたすら仕事に励む銀次に降りかかる数々の困難!はたして彼は再び大川を渡ることができるのだろうか?

真面目に働いていれば何のことはなかったのに。ちょっとしたことがもとで人生につまづいてしまった銀次だったが、周りの人たちに助けられ支えられてようやく立ち直りのきっかけをつかむ。だが、そのことをよく思わない者もいた・・・。作者お得意のパターンの話だ。人生、時にはしくじることもあるが、コツコツと地道に真面目に努力をすれば、いつかきっと報われる。この作品は、読み手に勇気と力とを与えてくれる。江戸の町に暮らす人たちの人情もほのぼのとして心地よい。読後感もさわやかだった。



| 山本 一力 | 19:40 | comments(0) | ゆこりん |


いっぽん桜(山本一力)

12歳で丁稚小僧で井筒屋に入って42年。頭取番頭にまでなった長兵衛だったが、息子に家業を譲ることになったあるじから、自分と一緒に店から身を引いてくれるよう、切り出される。突然の言葉に長兵衛は・・・。表題作を含む4編を収録。

「いっぽん桜」のほかに、武士の暮らしを捨て新たな道を歩み始めた男を描いた「萩ゆれて」、人情や親子の情愛を描いた「そこに、すいかずら」、朝顔作りの職人のもとに嫁いだおなつを描いた「芒種のあさがお」が収録されている。この中で一番印象に残ったのは「いっぽん桜」だ。エリートだった人物が突然リストラされた・・・。現代でも珍しくない話だ。いつまでもエリートだったというプライドを捨てきれない長兵衛。新たな勤め先では摩擦が生じるが、人情に触れるうちにだんだんと心を開いていく。一人の男の心の揺らぎや変化を実に細やかに描いている。人の心を開かせるのは、人の心だ。どの話も心にほのぼのとした思いを残す。温かみのある作品だった。



| 山本 一力 | 15:10 | comments(0) | ゆこりん |


かんじき飛脚(山本一力)

加賀藩の命運は飛脚たちにかかっていた。「加賀藩の御内室のために密丸を10日以内に運べ!」だが、それを阻もうとする者たちが飛脚の命を狙い動き始めた。はたして無事に役目を果たすことができるのか?

金沢から江戸。この145里の冬道を走る飛脚の苦労は並大抵ではない。人から人へ物を届けるということが、こんなにも大変なことだとは思わなかった。裏切り者や飛脚の命を狙う者、決められた期限、そして過酷な道のり。とにかく読んでいて面白かった。刺客の攻撃をかわしながら、仕事に誇りを持ち命をかけて走り続けた男たち。ラストはほろ苦かったが、人と人とのふれ合いの描写もほほえましく、心に残る作品だった。



| 山本 一力 | 16:08 | comments(0) | ゆこりん |


蒼龍(山本一力)

借金で苦しくなった暮らし。少しでも早く返済したいと思う弦太郎の目に飛び込んできたのは、瀬戸物屋の大店岩間屋の貼り紙だった。「茶碗・湯飲みの対の新柄求む。」うまくいけば借金が返せる!弦太郎はその日からさっそく取りかかるが・・・。表題作を含む5編を収録。

江戸深川の人情、大店であるがゆえの苦労、武家社会の理不尽さなど、山本一力の得意とする分野の作品が詰め込まれている。時代物ではあるけれど、人と人とのつき合い、親子の情、友情、お客を大切にする心など、どれも現代にも通じるものばかりだ。読んでいてはっとさせられることが何度もあった。助けられたり助けたり。人と人とのいい関係がそこにはある。物質的には貧しくとも、心豊かな日々の暮らしはうらやましい。表題作「蒼龍」は、作者の当時の境遇を投影した作品ということで特に印象に残ったが、どの作品もとても読み心地がよかった。



| 山本 一力 | 14:15 | comments(0) | ゆこりん |