紅けむり(山本一力)
2014.12.20 Saturday
1795年(寛政7年)の東インド会社の終焉で輸出が途絶え、曲がり角を迎えた伊万里周辺で、公儀の隠密が動き回っていた。「爆薬である塩硝が密造されている!」藩存続の危機になりかねない事態の中、薪炭屋・山城屋の主・健太郎は、公儀の隠密から協力を求められるのだが・・・。
塩硝の密造、伊万里焼に絡むひそかな企み、動き回る公儀隠密・・・。伊万里の周辺は不穏な空気に包まれていた。本の帯のあらすじを見たときは、てっきり健太郎が活躍するのかと思った。だが、読んでいるうちに話が混沌としてきた。いったい、どの話が中心なのか?誰が主人公なのか?焦点が絞り切れていなく、健太郎の身に起こるできごともとても不可解だ。中には派手なアクションシーンもあるが、全然つまらない。ラストは無難にまとめたようだが、それも白々しく感じた。「600ページの中身はいったい何だったのか?」読了後、いくら考えても分からない。主人公不在のまとまりのない支離滅裂な話だった。最後まで読むのがつらかった・・・。
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