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バベル九朔(万城目学) 

「バベル九朔」と呼ばれる5階建ての雑居ビル。祖父が建て母が引き継いだこのビルに、九朔満大は小説を書きながら管理人として住んでいた。
巨大ネズミの出現、不気味なカラス女、不思議な絵・・・。このビルには、意外な秘密があった!

「バベル九朔」に現れた不気味なカラス女が「扉はどこだ。」と言いながら満大に迫る。そのカラス女から逃れるため、満大は1枚の絵の中に現れた扉の中に思わず逃げ込んだ。そこで彼は不思議な体験をする。そして、カラス女が語るこのビルの驚くべき秘密!
死後も力を持ち続け、ビルを支える祖父。その祖父の力が弱まったとき、ビルの崩壊が始まる・・・?誰を、何を信じればいいのか?自分はどう行動するべきか?そして、「バベル九朔」を救う方法は?満大に決断の時が迫る。残された時間はあとわずか!一体どうなってしまうのかと、期待が高まるが・・・。
何とも不思議で、理解し難いというのが、正直な感想だ。満大は、どうなってしまったのか?作者は何を言いたかったのか?よく分からないまま読み終えてしまった。何だかすっきりしない結末だった。



| 万城目 学 | 21:50 | comments(0) | ゆこりん |


とっぴんぱらりの風太郎(万城目学)

首尾よく事が運んだと思ったのもつかの間、風太郎は伊賀を追い出されることになってしまった。悶々とした日々を過ごす風太郎の前に、不思議な人物が現れた。その人物とひょうたんの関わりとは?そして、風太郎は気づかぬままに、いつしか時代の大きなうねりに飲み込まれようとしていた・・・。

黒弓と一緒に仕事をしたのが不運だった。そのせいで風太郎は伊賀を追われ、京都にやって来た。だが風太郎は、おのれの意思で行動しているようでも実は巧妙に行動をコントロールされていた。人の命の重さなんて考えたこともない連中に、まるで道具のように扱われる。生きるか死ぬか、ギリギリのところで風太郎は踏みとどまっている。その姿は、哀しくて切ない。そして、秀吉の妻ねねの頼みで知り合った"ひさごさま"の運命も切ない。それが"さだめ"だとすべてを受け入れようとする姿は、胸を打つ。
後半の大阪城最後の戦いの描写は圧巻だった。戦って人が死ぬとはこういうことなのか・・・。大切な人、かけがえのない人が、次々と喪われていく。読んでいてつらい。けれど、それは過去に起こった残酷な現実なのだ。徳川泰平の世のために、いったいどれだけの命が消えたことか。
ラストも、とても印象に残った。風太郎に思いを寄せる芥下(げげ)はこの先どうなるのか?思い描いていたラスト(こうなればいいという希望のラストでもあったが)とは、かなりかけ離れていた。作者に現実の厳しさを突きつけられた。
700ページ以上の大作だが、まったくその長さを感じなかった。それほどこの作品にのめり込み、夢中で読んだ。発想、作品の構成力、個性的で魅力的な登場人物、戦いのシーンのリアルな描写、そして結末の見事さ、どれをとっても素晴らしい。とても面白い作品だった。



| 万城目 学 | 17:26 | comments(0) | ゆこりん |


偉大なる、しゅららぼん(万城目学)

日出家と棗家。お互い特殊な能力を持つ両家は、長年敵対関係にあった。そんな両家の人間が高校の同じクラスになったことから、騒動が持ち上がる。戦いが始まるのか!?だが、敵は思いもよらぬところにいた!

琵琶湖の近くに暮らす日出家と棗家。決して相容れない両家。彼らは戦わなければならない運命なのか?そんな両家の前に新たな敵が現れた!
何という発想力なのだ!琵琶湖を題材に使うとは!しかも、その発想が奇抜で面白い。読めば読むほど「しゅららぼん」の世界に引き込まれていく。それにしても「音」がキーワードになるとは・・・。「音」こそが、日出家と棗家の均衡をかろうじて保たせている。また、登場人物もすごいとしか言いようがない。この個性的な面々を作者は巧みに作品の中で使いこなしている。
ほかの人が持っていない特殊な力。そういう力を持つ人間はカッコよく見える。けれど、持っている人間は、人と違うことに悩み苦しむこともあるのだ。力のせいで、大きく運命を変えられることもある。その切なさも充分伝わってきた。それだけに、ラストへの展開の仕方は胸に迫るものがあった。お見事!読後もさわやかさが残る。究極の楽しさを味わいたい方は、ぜひ万城目ワールドへ♪



| 万城目 学 | 16:51 | comments(0) | ゆこりん |


プリンセス・トヨトミ(万城目学)

大阪には、400年前から続く「秘密」があった。だが、その「秘密」は、3人の会計検査院の調査官が東京からやってきたことをきっかけに暴かれることになった。「秘密が暴かれたとき、大阪が全停止する!?」はたして事の顛末は?

奇抜な発想、奇想天外な展開に、読んでいて思わずのけぞるほどの衝撃を受けた。400年前に滅んだと思われていた豊臣家の末裔が生きていた!しかも、大阪に住む男たちは、そのことを知りながら完全に秘密を守り続けている。むむ・・・。どこからこういうアイディアが沸いてくるのか?作者の豊かな想像力には驚くばかりだ。
細かいことを言えば、「少年にセーラー服を着せる必要性があったのか?」「大阪が全停止したとき、観光や仕事やその他もろもろの用事で大阪に来ていた人たちはいったいどうしていたのか?」「大阪を全停止させるほどの存在価値がプリンセス・トヨトミにあるのか?」という疑問はある。けれど、そういう疑問をすべて吹き飛ばすだけの楽しさがこの作品にはあった。徹底的に読者を楽しませようとする作者の思惑に、完全にはまってしまった。とにかく楽しい作品だった。



| 万城目 学 | 20:04 | comments(0) | ゆこりん |


鴨川ホルモー(万城目学)

すべての始まりは、葵祭りのときだった・・・。大学入学から一ヶ月、祭りのときに手渡されたビラを受け取ったのが運のつき。安部は否応なく「ホルモー」の世界に足を踏み入れていた!

「ホルモー」とは何ぞや?読み手もしだいにその世界に足を踏み入れていく。4つの大学で繰り広げられる戦い。果たしてその結末は?安部の恋の行方は?内容は面白さ盛りだくさんのはずだが、いまいち読んでいて楽しめなかった。「だからどうなの?」「だから何なのさ!」読みながら常にそういう思いがあった。作者は結局何を言いたかったのか?読み手に何を伝えたかったのか?筋が通ってないように感じる。どちらかというと単なるドタバタ的なものだった。面白くてサクサク読める・・・・という作品ではなかった。



| 万城目 学 | 14:50 | comments(0) | ゆこりん |


鹿男あをによし(万城目学)

大学の教授の勧めに従い、期限付きで奈良の女子高の先生をすることになったのだが、そこで経験したことは摩訶不思議なことだった。人間の言葉をしゃべる鹿が現れたとき、そこからすべてが始まった・・・。

これほど面白さを徹底的に追求した作品は、ほかにはあまりないのではないだろうか。奈良の女子高で繰り広げられる物語。時には、はるか昔の神の話まで飛び出して、事態は思わぬ方向に・・・。よくぞここまで話を練ったと、ただただ感心するばかりである。奈良、京都、大阪の3校で争われる大和杯。そのなかの剣道の試合の描写は迫力があり、読んでいてハラハラさせられた。これで決着か!と思わせておいて、読者をあらぬ方向へ引っ張っていく作者。「えっ!?この先何があるの?」「これからどうなるの?」そう思いながらあっという間にラストへ。読後さわやか♪ 気分がスカッとする作品だった。



| 万城目 学 | 11:44 | comments(0) | ゆこりん |