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ルームメイト(今邑彩)


大学に通うため東京に出てきた春海は、やはり大学に通うために京都から東京に出てきた麗子から、ルームメイトにならないかと声をかけられる。共同生活はとても快適だった。だが、ある日突然麗子が失踪する。麗子には、驚くべき秘密が隠されていた・・・。

麗子の二重三重の生活。そして驚くべき隠された秘密。殺人事件の真相は何となく読んでいて見えてきたが、麗子の本当の姿には驚かされた。それと同時に、この設定は少々無理があるのではないかとも思った。いくらなんでも、そこまで人はだまされるものなのか?それと、春海の人物設定も読んでいて不自然さを感じる。ストーリー展開もどこかぎこちない。
モノローグ4に関しては、多くの人が述べているように蛇足だと思う。いったい作者は何を読者に訴えたいのか?ミステリーとして純粋に楽しむこともできず、読後感も全然よくなかった。中途半端な印象の作品だった。



| 今邑 彩 | 19:55 | comments(0) | ゆこりん |


鬼(今邑彩)

かくれんぼの鬼になったまま、古井戸に落ちて死んだみっちゃん。そのみっちゃんが、7歳のときの姿のままでもとの遊び仲間の前に現れた。かくれんぼはまだ続いていたのだ!みっちゃんに見つかった者たちを待っていたのは・・・。表題作「鬼」を含む10編を収録。

この作品に登場する人たちは、どこにでもいそうな人たちばかりだ。平凡な日常生活を送っている。だが、そんな人たちにも突然恐怖が襲いかかる。そこから逃れようとすればするほど、ますます恐怖に絡め取られていく。読んでいると、一歩間違えば誰もがそうなってしまうかもしれないと思わされる。本当にぞっとした。恐怖はあちこちに潜んでいるのだ。平凡な家庭の片隅に、幸せそうな笑顔の陰に、そして温かな心の裏側に。できればそれに気づかずに、おだやかに毎日を過ごしたいものだ。
じわじわと足元を這い上がってくるような恐怖と考え抜かれたラストが、絶妙のストーリーを作り上げている。どの話も面白いと思った。でも、決して夜にひとりで読まないように。振り返ることができなくなるかもしれない。恐怖が背後から・・・。



| 今邑 彩 | 17:47 | comments(0) | ゆこりん |


そして誰もいなくなる(今邑彩)

学校の開校100年記念を祝う七夕祭りで、演劇部がアガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」を上演した。だが、毒を飲み死亡する役の生徒が舞台上で実際に死んでしまった。その後も、この劇の筋書き通りの方法で生徒が次々と殺されていく。この劇に出演していた江島小雪は顧問の向坂典子とともに犯人を突き止めようとするが、そこには衝撃的な真実が待っていた・・・。

劇の筋書き通りの手段で次々と生徒たちが殺されていく。犯人は?そしてその動機は?次に誰が殺されるのか分かっているのに防げない。そのあせりと緊迫感が、読んでいてこちらにもしっかりと伝わってくる。ストーリーは二転三転し、長いけれど飽きずに最後まで読むことができた。意外な展開。意外な犯人。よく考えられ、そしてよくまとめられた作品だと思う。ただ、あまりにも有名で高評価の作品をベースとしてしまっているので、どうしてもそちらと比較してしまう。比較すると、やはりこちらの作品が霞んでしまう。それがこの作品のマイナスポイントになっているのが残念だった。



| 今邑 彩 | 19:15 | comments(0) | ゆこりん |


鋏の記憶(今邑彩)

いろいろなものの中に封じ込められた思いや記憶。紫は、物に触れただけでそれらを感じることができた。ある日知人のところで触れた鋏。その中にはとんでもない過去の出来事が残されていた。表題作「鋏の記憶」を含む4編を収録。

4編の中で一番印象に残ったのは「鋏の記憶」だ。鋏の中に秘められた母親の心を思うと、胸が痛くなった。その母親がついに語ることのなかった真実が暴かれた時は、ちょっと衝撃的だった。悲劇的なラストでなかったのが救いだったが。「弁当箱は知っている」は、一人の男の哀切を見事に描いた作品だと思う。彼が守りたかったものがどんなにむなしいものであったか・・・。弁当箱に向き合う彼の姿を想像すると、あわれさを感じる。残る二つも面白かった。全体としてよくまとまった作品だと思う。読後も満足♪



| 今邑 彩 | 15:00 | comments(0) | ゆこりん |


いつもの朝に(今邑彩)

画家日向沙羅の描く絵の中にいつもいる顔のない少年。そこには30年前の悲惨な事件が隠されていた。そして、30年の時を超え、その事件は沙羅の2人の息子達に襲いかかる。彼らと過去の事件にはいったいどんなつながりがあるというのだろうか・・・?

父亡きあと、母と2人の息子は仲良く暮らしていた。そしてその日がこれからも続くと信じていた。「いつもの」。その言葉がどんなに大切で貴重なものか!作者は、失おうとしているその言葉を家族が取り戻そうとするさまを、感動的に描こうとしている。また、浮かび上がってくる過去の事件と兄弟との関係にはつらいものがあったが、絆の深さというものを強く感じさせようとしている。けれど、作者の意図はなかなかこちら側には伝わってこなかった。テーマーやストーリー性の重さに比べ、文章が軽すぎる気がした。さらっとし過ぎているというか、上っ面だけをすべっていくような・・・というか、そのアンバランスさがとても気になった。感情移入できないまま読み終えてしまったのが残念だった。



| 今邑 彩 | 16:43 | comments(0) | ゆこりん |