マイマイ新子(高樹のぶ子)
2014.08.02 Saturday
あの頃は、夢と希望があった・・・。芥川賞作家の高樹のぶ子が、昭和30年代の山口県を舞台に自分自身の幼少時代をモデルに描いた自伝的作品。
昭和30年、新子は9歳の女の子。さまざまなものに興味を持ち、何でも確かめてみたい性格だ。彼女の遊び場はいろいろな所にあった。中には、絶対に近寄ってはいけないと言われていた場所もあったのだが・・・。
自然の中でのびのびと遊ぶ新子やその仲間たち。今のように物にあふれた時代ではなかったが、自然と深くかかわることができた貴重な時代だと思う。祖父と新子が自然をうまく利用して楽しんでいるが、今の子どもたちにも経験させてあげたいと思った。昭和30年代はとてもいい時代だった。戦争の痛手から立ち直り、人々は未来に夢や希望を持って進むことができた。人と人とのつながりも深かったと思う。
読んでいてとても懐かしい気持ちになった。逆に、若い人が読めば新鮮さを感じるかもしれない。なかなか興味深い作品だったが、ひとつ気になったのは本の帯に「日本版 赤毛のアン」と書かれていることだ。違うような気がするのだが・・・。
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