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盤上の向日葵(柚月裕子)

山中で発見された白骨遺体のそばにあった遺留品は、初代菊水月作の名駒だった。何百万円もする高価な駒がなぜ遺体と一緒にあったのか?刑事の石破と佐野は、その真相を追い求めたのだが・・・。

平成六年、山形県天童市。物語は、注目の若手棋士同士による対局会場に二人の刑事がやってくるところから始まる。若き天才棋士・壬生と実業家から転身して特例でプロになった東大卒の棋士・上条との対決だった。なぜ刑事がこの場に現れたのか?そこから話が過去にさかのぼっていく・・・。
少年時代、父親から虐待を受けていた上条。その上条を不憫に思い、わが子のように可愛がり将棋を教えてくれた唐沢。そして、東大時代に出会ったさまざまな人物。上条は、彼らを通して将棋の持つ光と影の部分を味わうことになる。その部分が切々と描かれている。
上条はこの事件にどう関わっているのか?また、なぜ高価な駒が被害者と一緒にあったのか?いったいそこにはどんな真実が隠されているのか?否応なしにも期待が高まっていく。
最初は面白い話だと思った。けれど、読み進めるうちに松本清張の「砂の器」に似ていることに気づいた。 (調べてみたら、やはり作者は「砂の器」を意識してこの作品を書いたことが分かった。)気づいたら、そこから先はどうしても「砂の器」と比較しながら読んでしまうことになる。はっきり言って、「砂の器」よりは劣る。「砂の器」と比較されるのは、この作品にとってはマイナスだと思う。主人公にもなかなか感情移入できなかった。それに、遺体とともに駒が埋められた理由も、説得力に乏しい気がする。上条の人生は悲しい。読んでいて胸が痛んだ。けれど、それが素直に感動に結びつかなかったのが残念だった。



| ”ゆ” | 23:45 | comments(0) | ゆこりん |


慈雨(柚月裕子)

「42年間の警察官人生は、はたして自分にとってはどうだったのか?」
警察官を定年退職した神場は、妻・香代子とともに四国お遍路の旅に出た。神場の胸に去来するのは、16年前に起こった幼女が殺害された事件だった。彼の心に深い傷を残した事件の真相とは・・・。

神場は16年前の出来事を胸に秘めながら妻と四国遍路の旅を続けていた。だが、ニュースで見たある事件をきっかけに、心がざわつくようになる。かつての部下に連絡を取りその事件のあらましを聞くうちに、彼は今回起こった事件と16年前の事件とを重ね合わせるようになる・・・。
警察官の使命は何だ?人々の安全を守ることか?それとも、自分たちの組織の対面を守ることか?16年前に優先するものを間違えた結果が、現在に影響を及ぼす。神場は真実を暴く決意をするが、それは同時に自分が歩んできた警察官としての人生を否定することにもなる・・・。だが、神場はおのれの信念を貫き通す。その描写はなかなか読み応えがあった。
現実にはありえないのでは?と疑問に思う部分もあったが、四国遍路、ミステリー、家族、さまざまなできごとやテーマを含んだ、まあまあ面白い作品だった。



| ”ゆ” | 22:35 | comments(0) | ゆこりん |


あまからカルテット(柚木麻子)

花火大会でたまたま隣のシートに座った男性がくれたのは、稲荷寿司だった。そのおいしさに惹かれただけではなく、その男性にも惹かれてしまった咲子。手がかりはもらった稲荷寿司だけ・・・。咲子の恋を成就させるべく、3人の親友が立ち上がった!「恋する稲荷寿司」を含む5編を収録。

中学時代から仲良しのアラサー女子4人組。友情は中学時代からずっと変わることなく続いていた。誰かが困った時は、他の3人が駆けつけ助けてくれる。4人は堅いきずなで結ばれている。置かれている状況は4人それぞれ全く違うのに、友情がこんなに長い間続いているなんてうらやましい。だが、そんな彼女たちの友情にもピンチが訪れる。「おせちカルテット」では薫子の一大事に他の3人が駆けつけようとするが、さまざまな事情で足止めされる。友情より自分の都合を優先すべきか?助けを求めている薫子はどうする?彼女たちの奮闘ぶりが面白い。
軽いタッチで描かれていて、さらりと読める。現実にはあり得ないような話もあるが、それなりに楽しめると思う。



| ”ゆ” | 22:14 | comments(0) | ゆこりん |


最後の証人(柚月裕子)

状況証拠、物的証拠はすべて揃っている。被告人の有罪は明らかだった。だが、被告人は無罪を訴える。弁護士の佐方は、この事件の裏側に隠された真実に迫っていく・・・。

実に巧妙に作り上げられた殺人事件。その裏側にはいったい何があるのか?佐方の鋭い考察力がその真相に迫るが、そこには高瀬夫妻の深い悲しみがあった。裁かれるべきはずなのに裁かれない。力やお金で真実を捻じ曲げられる。正義の味方であるはずの警察も汚れている。彼らの悲しみや怒りを癒してくれるものは何もない。高瀬夫妻に残された道は、おのずと限られてくる。たとえそれが非難されるものだとしても・・・。このふたりが哀れでならない。
ラストは驚いた。それと同時に、高瀬夫妻の強い信念を感じずにはいられなかった。かけがえのないものを失った悲しみが痛いほど伝わってくる。ストーリー展開にぎこちなさを感じる部分もあったが、全体的には読みごたえのある面白い作品だと思う。



| ”ゆ” | 15:44 | comments(0) | ゆこりん |


神々の山嶺(夢枕獏)

ネパールの首都カトマンドゥの路地の奥の登山用具店で見つけたものは・・・。すべてはそこから始まった。マロリーのものと思われるカメラを追う深町は、ひとりの男と出会う。伝説の登山家、羽生丈二だった。深町は、しだいに羽生という男にのめり込んでいくのだが・・・。

イギリスの登山家ジョージ・マロリーは、エヴェレスト初登頂に成功したのか?マロリーが遭難死してしまった今、1924年の登頂には数多くの謎が残る。その謎を解く最大のカギが、マロリーのカメラだと言われている。残念ながら未だに発見されていない。この小説では、そのマロリーのカメラが実に効果的に使われている。カメラを追ううちに、深町はそのカメラの発見者である羽生に興味を抱くようになる。知れば知るほど、羽生という男に惹かれていく。
それにしても、人はなぜこれほどの危険を冒してまでも山に登るのだろう。常に死と隣り合わせだというのに。読んでいると、無事下山できるのが不思議なくらいの過酷な世界だ。たったひとつしかない自分の命。それを懸けてまで挑むということがどうしても理解できない。だが、羽生も深町も、エヴェレストに命を懸ける。その描写の迫力は、読み手である私を圧倒する。羽生の、深町の、執念に満ちた息づかいが聞こえてくるようだ。山は・・・すごい!
とても面白い作品だと思う。けれど、後半にダラダラしていると感じる部分があって、飽き気味になってしまった。ラストもでき過ぎのような気がする。個人的に、少々不満が残る作品だった。



| ”ゆ” | 17:01 | comments(0) | ゆこりん |


刹那に似てせつなく(唯川恵)

自殺した娘の復讐のため、並木響子は年齢を偽り、名前を変え、憎むべき男に接近し、目的を果たした。男を刺殺し呆然とする響子は、ふとしたことから19歳のユミと名乗る女性と逃亡する羽目になる。響子とユミ、それぞれ心に傷を抱えた二人の行き着く先は果たして?

自分の人生を変えてしまった憎むべき男。その男をそれぞれ殺し、逃亡する響子とユミ。奇妙な友情にも似た感情が、二人の間に芽生える。親子ほど年の違う二人だが、愛するものを失った悲しみ、人に裏切られて傷ついた心など、お互いがお互いを理解しあえる、同じものを持っている。どちらの女性も、決して多くは望んでいない。ただ愛する人がそばにいて、平凡な日常がそこにあればよかったのだ。それさえもかなわないのだとしたら、あまりにもせつな過ぎる。



| ”ゆ” | 14:51 | comments(0) | ゆこりん |


夏の庭(湯本香樹実)

「人が死ぬところを見たい。」少年達は一人暮らしの老人に目をつけ、観察を始める。しかし、老人は次第に元気を取り戻していく・・・。

少年達と老人の心が次第にふれあい、交流していく様が実によく描かれている。人の生と死も、作者は正面からしっかり見据えている。しかし、「死」というものを前面に押し出しすぎていると感じるところがあり、様々な人の死を経験している私は、思わず引いてしまったような場面が何度もあった。少年の心の成長だけを視点にとらえ読むのならいいが、それに「死」という問題を絡めると、どうしても抵抗があった。読む人の「死生観」で、作品の評価が違ってくるのではないだろうか。



| ”ゆ” | 15:06 | comments(0) | ゆこりん |