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月の満ち欠け(佐藤正午)

「月のように、死んで生まれ変わる。」月の満ち欠けのような、人のそういう生き方死に方はあるのか?瑠璃というひとりの女性の生まれ変わりを通して、生と死を問いかける作品。第157回直木賞受賞作品。

神さまが選ばせた二種類の死に方。ひとつは、自分は死んでも子孫を残す。もうひとつは、月のように、死んでも何回も生まれ変わる。三角と出会い三角を愛した瑠璃は、何度も生まれ変わる。だが、はたしてそれは瑠璃の幸せなのか?自分の愛する娘が誰かの生まれ変わりで、その誰かの想いを成就するためだけに生きているとしたら、両親にとっては悲劇だ。瑠璃自身は、本当にそれでいいのか?もっと違った人生を歩むことだってできるのに。年老いた三角と、小学生の瑠璃。そんなふたりが以前のように愛を育むことができるとは思えないのだが・・・。疑問なところもある。三角は、瑠璃が生まれ変わるとずっと信じ続けて長い時を過ごしていたのか?根本的なこととして、瑠璃の想いは生まれ変わりを起こさせるほど強いものだったのか?読んだ限りでは、それほどの想いを感じることができなかったのだが。
多くの人が絶賛しているが、私個人としては残念ながら、ストーリーや登場人物たちに共感できるところはなかったし、それほどの感動もなかった。



| ”さ” その他 | 20:13 | comments(0) | ゆこりん |


氷の轍(桜木紫乃)

北海道釧路の海岸で、他殺体が見つかった。被害者は、札幌に住む80歳の滝川信夫という男性だった。身寄りのない独身の老人が釧路にやって来たのはいったいなぜなのか?釧路方面本部刑事第一課の大門真由は、生前の滝川の足取りを追うことにしたのだが・・・。

過去のことを忘れた者、過去のことを忘れようとしている者、過去をいまだに引きずっている者、がいた。その者たちをつなぐ過去のできごとは、今では考えられないような貧しい時代に起きた悲劇だった・・・。
過去を引きずる者は、償いを考えた。だがそれは、自己満足に過ぎなかったのではないか?
「善意のひとだったと思うんですよ。言葉も行動も、なんにもずれがない。ずれがないから、他人の嘘と都合にも気づかないし、気づけない。」
この言葉がすべてを物語る。誰もが必死で生きていた。誰もが他人を貶めたり傷つけたりすることを望んではいなかった。けれど、悲劇は起こった。いったい何を責めるべきなのか?その答えはとても出せそうにない。
ひとつ気になったのは、この作品が「砂の器」(松本清張)に何となく似ていることだ。それは、他の方も指摘している。読みごたえのある面白い作品だと思うが、感動!とまではいかなかった。



| ”さ” その他 | 09:32 | comments(0) | ゆこりん |


砂の街路図(佐々木譲)

「なぜ父は、幼かった自分と母とを捨てこの街で溺死したのか?」
父の死の真相を知るために、岩崎俊也は北海道の運河町を訪れた。その街には、俊也の知らなかった父の姿があった・・・。

運河町を訪れた俊也は、昔の父を知る人たちに話を聞こうとする。だが、彼らは堅く口を閉ざし、なかなか話そうとはしなかった。どんな真相が隠されているのか、読み手としては興味津々だ。けれど内容は、街の様子の描写があまりにも多くうんざりするほどだった。読んでいて街の様子がすんなりと頭に入ってこなく、何度も何度も巻頭の地図を見なければならなかった。そんなに街の中の様子が真相を知る上で重要なのかと思ったが、そうでもない。何のためにこれほどしつこく街の様子を描くのか理解できない。それでも真相を知りたくて読み進めたのだが、その真相はお粗末としか言いようがないものだった。はたしてこれが、ひとりの人間を死に追いやるものなのだろうか?到底納得できない。これでは、ここまでせっせと読んできた苦労が報われない。読後感も悪く、あまり面白味のない作品だった。



| ”さ” その他 | 17:47 | comments(0) | ゆこりん |


夜の床屋(沢村浩輔)

初めて登った山で道に迷い、高瀬と佐倉は無人駅で一夜を明かすことにした。駅前は住人がいない廃屋ばかりだと思われたのだが、高瀬は深夜に一軒の理髪店に明かりがともっているのに気づいた。その店の中に入ってみると・・・。表題作「夜の床屋」を含む7編を収録。

無人の駅前の理髪店に深夜明かりがともる謎を描いた「夜の床屋」、寝ている間に絨毯だけが盗まれるという謎を描いた「空飛ぶ絨毯」、廃工場でドッペルゲンガー捜しをする小学生の真意を描いた「ドッペルゲンガーを捜しにいこう」の3編は、現実社会でも起こりそうなリアリティのある話だった。けれど、名家の別荘に隠された宝をめぐる話を描いた「葡萄荘のミラージュ機廖嵒鯑坐颪離潺蕁璽献絖供廖[眠り姫]を売る男」の3編は、現実離れした不思議な話だった。あり得そうな話とあり得ない話。これが「エピローグ」で結びつき、作者に新たな驚きを与える。最後の最後まで作者は読み手を翻弄する。これはこれで面白かったが、私個人としてはあり得そうな話ばかりでまとめたほうが現実味が増し、より面白くなるような気がした。ミステリーとファンタジーの融合は少々強引かもしれない。



| ”さ” その他 | 17:16 | comments(0) | ゆこりん |


雪の断章(佐々木丸美)

引き取られた家でのつらい仕打ちに耐えかね逃げ出した孤児の飛鳥。そんな彼女を救ったのは、滝杷祐也という青年だった。彼は、2年前5歳だった飛鳥が迷子になったところを助けてくれた青年だった!飛鳥は祐也に引き取られることになったのだが・・・。

正直、読んでいてずっと違和感を感じた。まず、飛鳥の境遇だが、引き取られた家で学校へも行かせてもらえずこき使われるという設定には疑問を感じる。かなり昔に書かれた作品だとはいえ、この設定はあり得ない気がした。それに、飛鳥を引き取って育てようとする20代の青年・・・。これもあり得ないのでは?引き取られた後の飛鳥の生活や彼女と関わる人たちの人物設定もいまいちだ。
また、飛鳥という人間にも全く魅力を感じない。かわいそうな境遇なのは分かるが、感情移入できない。それどころか、彼女の心情の描写を読み、反発を感じた。自分勝手過ぎないか?
作者は、読み手のことを考えず、読み手に何を伝えるでもなく、まるで、自分の文章に陶酔しているかのように文章を書き連ねているだけのような気がする。起きた事件も現実味がないし、ラストにも感動がない。高評価の作品ということで読んでみたが、全くの期待外れに終わってしまった。私には合わなかった。



| ”さ” その他 | 19:54 | comments(0) | ゆこりん |


青玉の笛(澤田ふじ子)

お紀勢を嫁にするのは、佐七か?彦次郎か?だが、彦次郎は忽然と姿を消し、お紀勢は佐七に嫁いだ。ある日、息子の修平が人攫いに攫われたのだが・・・。表題作「青玉の笛」を含む6編を収録。

どの話も、その時代に生きる人々の暮らしが生き生きと描かれている。
表題作「青玉の笛」では、佐七と彦次郎の間に起こったできごとやお紀勢の取った行動に、読んでいてどちらも救われない気持ちになった。いちばん哀れなのは、修平ではないだろうか?
6編の中では「四年目の壺」がいちばん印象に残った。芳助とお清、紆余曲折はあったけれどこれから幸せに暮らしていくに違いない。わずかでも希望の光が見えるような終わり方の話に、ほっとさせられた。
いつの時代も、まじめに倹しく生きていくのが一番だ。だがそれは、決して楽な生き方ではない。むしろつらいことかもしれない。そんな中でけなげに生きる人たち・・・。明るい話ではなかった。むしろ、読んでいて暗い気持ちになる話の方が多かった。けれど、深い味わいのある作品だと思う。



| ”さ” その他 | 18:00 | comments(0) | ゆこりん |


ホテルローヤル(桜木紫乃)

釧路湿原を見下ろす高台に、ラブホテル「ローヤル」はあった・・・。そこで働く者たち、そこを利用する者たち、さまざまな人々のさまざまなドラマを、瑞々しいそして独特の感性で描いた作品。

人というのは、実にさまざまな思いを抱えて生きている。心の奥に秘められた憂い、悲しみ、悩み、とまどい・・・。作者は、それらをそっと両手ですくい上げ、本の中にちりばめている。希望に満ちて「ローヤル」を建てた夫婦。その「ローヤル」の中でひっそりと働く者。そして、いろいろな事情で「ローヤル」を訪れる者。世の中、いいことばかりはない。むしろ不幸なできごとのほうが多い。作者の叫びのような描写が、読んでいて胸に突き刺さる。「生きるということはこういうことなのか!」だが、「そこから逃げてはいけない。どんな時も前を向いていなくては!」そういう作者の思いも伝わってくる。楽しく読める作品ではない。けれど、読んだ後におだやかな余韻に心が満たされていくような感じがした。深い味わいのある作品だと思う。



| ”さ” その他 | 21:44 | comments(0) | ゆこりん |


星新一 空想工房へようこそ(最相葉月)

何十年たっても決して色あせることのないショートショート。それらはどのようにして生まれたのか?自宅や思い出の場所、思い出の写真、そして残された膨大なメモ・・・。それらから、星新一の素顔に迫った作品。

私の大好きな「ボッコちゃん」。その作品が発表されたのは、もう半世紀以上前だ。だが、今読んでも違和感はない。どんなに月日がたとうとも、星さんの作品は決して色あせることはない。彼は作品を書く段階から、その作品がずっと読み継がれていくように工夫を凝らして書いていたのだ。それでも時代に合わなくなったときは、その都度修正を加えていたという。本当にショートショートを愛していたのだと、あらためて感じる。
ショートショートの神様、天才・・・。人は彼のことをそう言うが、残された膨大なメモを見たとき、作品を生み出すのにはかなりのエネルギーが必要だったのだと感じた。並大抵の努力じゃすばらしい作品は生まれないのだ。「だれもこの人のまねはできない。」そう思わずにはいられないほどの量のメモだった。(何を書いてあるのか知りたくて、メモの部分をすべて拡大鏡で見てみた。うーん。星さんの頭の中はいったいどうなっていたのか・・・?)
星さんのショートショートは何度読んでも新鮮味を感じるし、面白い。10年後、20年後、30年後・・・いや100年後でも、きっと彼の作品は輝きを失わずに残っていると思う。これからも多くの人に読んでもらいたいと思う。
星新一という人間を知ることができる貴重な作品だと思う。載せられている数々の写真もとても興味深い。星ファンならぜひ読んでみてほしい。




| ”さ” その他 | 14:40 | comments(0) | ゆこりん |


御鑓拝借(佐伯泰英)

大酒会で一斗五升の酒を飲み、寝過ごして藩主の参勤下番の見送りができなかった・・・。屋敷からの立ち退きを命じられた赤目小藤次だが、実は彼には大きな目的があった。「江戸城中で他の大名たちに辱められた藩主の無念を晴らす!」小藤次は、孤独な戦いに身を投じた・・・。酔いどれ小籐次留書シリーズ1。

下屋敷の厩番と身分は低いが、藩主を思う気持ちは誰にも負けない。おのれの命を賭けてまでも藩主の汚名を雪ごうとする。小藤次は、藩主を辱めた大名の行列を襲撃し槍を拝借する。目指すは鑓4本。1本、また1本と、行列を襲い槍を手に入れる小藤次の行動は読んでいて爽快だ。だが、さすがに4本目の鑓は厳重な警戒だった。はたして小藤次はどうするのか、まさに手に汗握るその瞬間!鮮やかな手並みは、その場に居合わせた者たちに遺恨や立場を忘れさせ、感嘆の声を上げさせるほどだった。「お見事!」まさにそのひと言だ。それにしても、槍を奪われたというだけで改易の危機に直面するというのが、現代を生きる者にはどうしても理解できない。たかが鑓1本のことなのに・・・。
さて、小藤次の活躍はこれからもまだまだ続く。彼はこれからどんな人生を送るのか?このシリーズにはまりそうだ。



| ”さ” その他 | 17:44 | comments(0) | ゆこりん |


凍原(桜木紫乃)

「行方不明になった弟は、今も湿原の中に、土に還ることもできずにいるのだろうか?」
つらい過去を持つ比呂は、警察官となり再び釧路に戻ってきた。弟を飲み込んでしまったかもしれない釧路湿原で、今度は成人男性の遺体が発見される。その事件は、過去に封印されたはずのできごとをしだいに暴いていくことになる・・・。

17年前、当時10歳だった弟が行方不明になった。今も心のどこかで弟を捜し求める比呂。当時捜査をしてくれた片桐は、今は比呂とともに今回の事件の捜査を担当している。弟の友だちだった純も、自分の店を持つほどになっている。月日は流れているのだ。だが、どんなに月日が流れても、絶対に真実をさらせないこともある。永久に封じ込めてしまわなければならない過去が暴かれようとしたとき、悲劇が起こる・・・。さまざまな人間のしがらみがからみ合い、物語に深みを与えている。「こんなに悲しい生き方しかできなかったのか?」と問わずにはいられない切ない描写もあった。けれど、設定や結末には斬新さがなく、感動を与えてくれるまでには至らなかった。全体的にはまあまあの作品だと思うが・・・。



| ”さ” その他 | 15:23 | comments(0) | ゆこりん |