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夢を売る男(百田尚樹)

出版社丸栄社の牛河原は、敏腕編集者として忙しい日々を送っていた。彼のもとには、自分の本を出版したいと思う人たちが訪ねてくる。彼らの欲求を満たし、かつ会社の利益につながる方法とは?

「自分の本を出版したい。」
そう思う人たちに、牛河原は言葉巧みにジョイント・プレス方式を持ちかける。それは、出版費用を出版社と著者とで分け合う方式だ。けれど、著者が支払う額は丸栄社に多大な利益をもたらす。それほど高額だ。自費出版よりかなり高い。だが、牛河原に巧妙にプライドをくすぐられた人たちは、ためらいもなく支払う。自意識過剰な人たちのなんと多いことか!最初、丸栄社は暴利をむさぼる会社かと思った。でも、読んでみると一概にそうとは言い切れないところがある。出版費用はかなり取られるが、出版した人たちはほとんどが満足しているのだ。売れる売れないではない。自分の書いたものを認めて評価してくれて、出版にまでこぎつけてくれた人がいた。そのことだけで充分なのだ。悪人かと思った牛河原は、本の出版に情熱を傾ける、熱い熱い男だったのだ。彼の語る出版にかける思いはなかなかのものだ。中には「百田某」という作家を痛烈に批判している個所もあり、思わず笑ってしまったが。
今、出版業界は電子書籍の登場で大きく変わろうとしている。本を読む人の数も減っている。いったいこの先どうなるのか・・・。この本を読みながら、そんな思いにもとらわれた。
詐欺まがいの話あり、人情味あふれる話あり、笑える話あり、とにかく楽しめる作品だった。



| 百田 尚樹 | 15:50 | comments(0) | ゆこりん |


錨を上げよ(百田尚樹)

戦後から10年。昭和30年に、又三は大阪下町で生まれた。破天荒な性格は小学生の頃からで、しばしば両親を悩ませた・・・。
どんなに挫折してもくじけず、おのれの心の命ずるままに生きた男の半生を描いた作品。

私は、主人公又三と同じ時代を生きてきた。新幹線開通、東京オリンピック、高度経済成長、石油ショック、ロッキード事件、三島由紀夫事件、浅間山荘事件・・・。どれも、又三と同じくリアルタイムで経験してきた。当時、私や私の周りにいた友人たちは、真剣に自分自身を見つめ、人生についてもっとまじめに考えていたと思う。だからこそ、彼の生きざまが受け入れられない。許せない。
何をやらせても中途半端で長続きしない。自分の人生について、心の底から真剣に考えたことなどない。気に入らないことがあれば相手を殴り暴れまわる。お金を稼ぐためなら、他人の迷惑になろうが法に触れようがまったくおかまいなし。相手を思いやるという、人としての根本的なところが欠けている。女性に対してもそうだ。相手に理想を押しつけるが、又三自身の異性との関係は最悪だ。いったいこんな男の人生のどこに魅力を感じることができるのか。彼の人生には共感するところがまるでない。今後の又三の生きざまにも、興味を示すことができない。単行本上下巻あわせて1200ページの大作だが、読後の充実感は全然感じられなかった。さまざまな男の人生を読んできたが、怒りしか感じない主人公は初めてだった。



| 百田 尚樹 | 13:51 | comments(0) | ゆこりん |


影法師(百田尚樹)

消息を調べたときには、その男はすでにこの世にいなかった・・・。
茅島藩筆頭家老の名倉彰蔵は、固く友情を誓った男、磯貝彦四郎と過ごした日々を思い出す。そして、自分が戸田勘一だった頃のことも。不思議な絆で結ばれたふたりの男の、感動的な物語。

幼い頃、不幸なできごとで父を亡くした戸田勘一。彼を支えてくれたのは、かけがえのない友だった。つらいときや苦しいとき、友はいつも見守ってくれた。だが、あるできごとがきっかけで、ふたりの運命は大きく違っていく。出世の道を突き進む勘一。しかし、友は・・・。
光あるところに必ず影がある。表裏一体だけれど、そのふたつはあまりにも違い過ぎる。日の当たる道を歩き続ける勘一。おのれの幸せを捨て、おのれの人生のすべてを賭け、勘一の影に徹しようと決心した男。読んでいて、胸が締めつけられるような切なさを何度も感じた。人はここまで自分を犠牲にできるものなのか?私は彼に問いたい。「その人生に悔いはなかったのか?」これを友情と呼ぶには、あまりにも悲しすぎる。ラストは、涙がこぼれた。いつまでも余韻が残る、感動的な作品だった。



| 百田 尚樹 | 23:29 | comments(0) | ゆこりん |


幸福な生活(百田尚樹)

「娘の蓉子が恋人を初めて我が家につれてくる!」
妻の孝子と一緒に待つ間、なぜか男は、蓉子の幼稚園のときの運動会を思い出す。いつかこんな日が来るだろうと思っていた頃のことを。幸せに満ちた生活だが、ラスト1行に衝撃が!表題作「幸福な生活」を含む18編を収録。

「ラスト1行に驚きの真実が隠されている。」どの話も、そういう構成になっている。特に印象に残ったのは、「母の記憶」「豹変」「そっくりさん」だ。ネタバレになってしまうので詳しい感想は書けないが、静かに穏やかに流れている日常が最後の1行でものの見事にひっくり返ってしまうという、その落差が面白いと思った。読んでいるとき、星新一さんのショートショートを思い出したけれど、星新一さんの作品よりはインパクトが弱い気がした。また、途中で結末が想像できてしまう話や、ラストに意外性を感じない話もあったので、多少の物足りなさも残る。全体としては、まあまあ楽しめる作品だと思う。



| 百田 尚樹 | 22:25 | comments(0) | ゆこりん |


BOX!(百田尚樹)

電車の中で、マナー違反の高校生を咎めようとした耀子は、逆に高校生たちにからまれた。危機的な状況から救ってくれたのは、乗り合わせたひとりの少年だった。彼は、耀子が勤める高校の生徒で、ボクシング部に所属していた。ひょんなことから耀子も「ボクシング」に関わっていくことになるのだが・・・。ボクシングの世界を、さわやかに描いた作品。

ボクシングというスポーツが持つ繊細さ、奥深さ、そして残酷さが、余すところなく描かれている。それは、今まで知らなかった部分で、かなり興味を持って読んだ。
天性の才能を持つ天才ボクサーの鏑矢。彼にあこがれ、彼に追いつくべく努力を重ねる木樽。そして、それを見守る顧問の高津耀子。最強のライバルとの闘いはいったいどうなるのか?試合のシーンの描写は圧巻だった。ラストも、無難にまとめられている。全体的には面白いと思うが、耀子と鏑矢・木樽との出会い、ボクシングの過酷な練習、丸野のエピソードなどなど、それらはどれも漫画的だった。最初からドラマ化やアニメ化を意識して書いたような印象も受ける。そこのところが多少気になるが、まあまあそれなりに楽しめる作品だと思う。



| 百田 尚樹 | 19:50 | comments(0) | ゆこりん |


聖夜の贈り物(百田尚樹)

会社を首になりお金もなくなった恵子。彼女は自分の窮状も顧みず、クリスマスイブの日に初老のホームレスに食べ物とお金を渡した。そのホームレスは、願いを書くと3回まで願いがかなうという不思議な鉛筆を恵子に手渡す。はたして、本当に願いはかなうのか?「魔法の万年筆」を含む5編を収録。

どの話もクリスマスイブの日に起こる奇跡を描いている。不思議な鉛筆がもたらす奇跡。猫が運んできた奇跡。クリスマスケーキが起こす奇跡。タクシーの中で起こる奇跡。そして、サンタクロースの奇跡。どの話もとてもいい話だ。読んでいて心がほのぼのとしてくる。また、涙ぐみそうになる心を打つ話もある。「一生懸命生きていれば、必ずステキなできごとにめぐり会う。だから、決して生きることをあきらめてはいけない。」そんな思いにもさせてくれる。「聖夜の贈り物」という宝石箱に入った五つのきらめく宝石たち。読む人すべてに、必ず感動を与えてくれる作品だと思う。



| 百田 尚樹 | 15:17 | comments(0) | ゆこりん |


モンスター(百田尚樹)

かつてモンスターと呼ばれた女性は、究極の美を手に入れて昔住んでいた街に戻ってきた。レストラン経営をしながら、彼女が待ち望んでいたものとは?

顔の醜さを笑われ、そしていじめられ虐げられてきた女性が完璧な美を手に入れ、かつて自分を馬鹿にした者たちへの復讐を遂げる。どこにでもあるような題材を作者がどう料理するのか?かなり期待して読んだが、内容はいまいちだった。美しく生まれ変わるまでの過程はまあいいとして、それ以降の彼女の行動が理解できない。せっかく究極の美を手に入れたのに、復讐の内容がお粗末だ。作者が手を抜いたわけではないと思うが・・・。ラストも興ざめ。安易な2時間もののテレビドラマを見せられたようで、がっかりした。作者には、もっとずっしりとしていて、深みもある、読み応えのある作品を期待したい。



| 百田 尚樹 | 14:46 | comments(0) | ゆこりん |


風の中のマリア(百田尚樹)

オオスズメバチのマリアは狩りがうまく、皆から「疾風のマリア」と呼ばれていた。30日間という寿命の中、彼女は女王アストリッドのために激しく命を燃やし続ける・・・。オオスズメバチの生態を独特の視線で描いた、異色の作品。

今までに、動物の生態を描いた作品はけっこう読んでいる。だが、擬人化し、壮大なドラマにした作品を読んだのは初めてかもしれない。オオスズメバチの世界は、メスだけの世界だ。そのメスたちが、同種族との壮絶な闘いや、命をかけての狩りに挑む。未帰巣は「死」を意味する過酷な世界だが、読んでいてワクワクする。また、巣の中での子育ての様子も読み応えがあった。。外の世界の喧騒とは対照的に、静かな命の営みが続く。克明に描かれている生態は実に興味深く、物語の世界へとぐいぐい引き込まれていく。獲物を狩り、せっせと肉団子を作り、幼虫を育てていく行為の裏側には、こんな面白さがあったのか!そして、生き抜くということはこれほど厳しいものなのか!読んでいて圧倒される。
大人だけではなく、子供にも読んでほしい作品だと思う。



| 百田 尚樹 | 15:37 | comments(0) | ゆこりん |


永遠の0(百田尚樹)

終戦から60年目、健太郎は姉に頼まれ、わずか26歳で戦死した祖父について調べることにした。必ず生きて帰ると妻に約束しながら無念の戦死を遂げた祖父。彼の人生をたどるうちに見えてきた真実とは?

娘のため、妻のため、必ず生きて帰ると約束した祖父・宮部久蔵。だが、厳しい戦況ではその約束を果たすのは不可能に近かった。健太郎がたどる祖父の軌跡・・・。ある者は久蔵を卑怯者で弱虫と言い、ある者は久蔵を尊敬していると言う。「いったいどれが本当の祖父の姿なのか?」調べを進めていくうちに見えてきたのは、祖父の人生だけではなかった。戦争の悲惨さが、健太郎や姉の慶子だけではなく、読み手である私にも痛いほど伝わってくる。勝利の可能性などどこにもない。それなのに兵隊たちは上部の者たちの捨て駒にされていく。爆弾を抱えたまま敵艦に突っ込んでいく特攻隊の描写は、読むのが本当につらかった。また、宮部久蔵が生きて家族のもとに帰ることができなかったと知ってはいても、「どうか、生き延びてほしい。」そう願わずにはいられなかった。久蔵の切ない生と死のドラマをまざまざと見せつけられ、それだけでも感動で目がうるんでいたのに、ラストに語られる意外な真実では、ついにこらえることができなかった。ただ、涙、涙、涙。読後も強い余韻が残った。ひとりでも多くの人に読んでもらいたい、感動的な作品だった。



| 百田 尚樹 | 17:28 | comments(0) | ゆこりん |