逆ソクラテス(伊坂幸太郎)
2020.07.20 Monday
一度ダメな生徒だと思ったら、その認識を変えない教師。決めつけられた生徒はもうその認識から逃れることはできないのか?決めつけられた生徒・草壁を救おうと、クラスメートが立ち上がる!その作戦は?表題作「逆ソクラテス」を含む5編を収録。
「逆ソクラテス」
秘められた可能性を持っているのに一方向からしか見ず、「この生徒はできない。」と決めつける教師。その教師の先入観を何とか崩そうと奮闘するクラスメートたち。生き生きとした描写で、読み手を惹きつける。誰がどんな関わり方をするかで、子供たちの未来は変わってしまう。もっと柔軟な目で子供たちを見てほしい。そう願う。「僕はそうは思わない。」この言葉がとても印象的で、強く心に残った。
「非オプティマス」では、人を見かけで判断することはいけないということを、相手によって態度を変えたりわざと人に迷惑をかけることがどんなに愚かな行為であるかということを、あらためて考えさせてくれた。「本当にその通り!」
どの話もよかった。作者の思いがしっかりと詰まっていて、読みごたえがあった。さわやかな感動が味わえる作品だと思う
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