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再会(横関大)

幼い日、4人で埋めたタイムカプセル。だが、その中には、永遠に封印してしまいたいものもあった。ある事件がきっかけで4人は再会するが、それぞれの思惑が複雑に絡み合い、ねじれていった・・・。過去と現在をつなぐ悲劇とは?第56回江戸川乱歩賞受賞作品。

過去の事件の真相。そして現在の事件の真相。それが微妙なつながりを見せる。いったい拳銃を撃ったのは誰か?読み手の思惑が翻弄される。想像を超える展開に驚かされた。けれど、過去の事件の真相に関して言えば、突然真実が明かされてもとまどう気持ちが大きかった。作者は「意外な真相」を狙ったのだろうが、そういうふうには思えなかった。「都合がよすぎる。」そういう思いのほうが強かった。少ない登場人物の中に犯人を設定するのは無理があったのではないか?現在と過去、どちらの事件が解決してもすっきりとした感じはしない。感動もない。モヤモヤ感だけが残った。それほど面白いとは思えない作品だった。



| ”よ” その他 | 17:59 | comments(0) | ゆこりん |


萩を揺らす雨(吉永南央)

「小蔵屋」という和食器とコーヒー豆の店を、年老いてもなお気丈に切り盛りしている杉浦草。ある日草は、友人である大谷から、鈴子という女性についての頼まれごとを引き受ける。その女性の息子と関わりを持ったことから、草はちょっとした事件に巻き込まれていく・・・。表題作「萩を揺らす雨」を含む5編を収録。

「おばあさん探偵が日常の謎を解く」という設定だが、ミステリーの謎解きの面白さを味わうというより、むしろ悲哀を感じる内容だった。怪しいと思われる家の周りを歩いていると、痴呆の徘徊者だと思われてしまう。草はそういう年齢なのだ。どんなにがんばっても、世間の「草は高齢者」という考えを変えることはできない。悲しいけれど、残酷な現実を突きつけられてしまう。けれど、草は前向きだ。草のように、年老いても生きがいを持ち、毎日を過ごすことができたらどんなにいいだろう。こういうふうに年をとりたいものだ。
しっとりとした味わいを持つ作品だと思う。さまざまな問題も含んでいて、考えさせられることも多かった。



| ”よ” その他 | 14:20 | comments(0) | ゆこりん |


悪人(吉田修一)

保険の外交員をしていた石橋佳乃が殺された。犯人は出会い系サイトで知り合った男だった。ひとつの事件が、さまざまな人たちに波紋を広げていく。苦悩を抱える加害者や被害者の家族。殺人犯となった男を慕い続ける女性・・・。「悪人」の真の意味とは?

なぜ事件は起こったのか?佳乃が出会い系サイトを利用しなければよかったのか?その男と実際に会わなければよかったのか?それとも?考えれば考えるほど複雑な思いがする。本当の「悪人」とは?殺人を犯した男、清水祐一なのか?だが、佳乃自身の言動にも、事件の引き金となる要素がたくさんある。いろいろなことが重なり合い起こってしまった殺人。そこに至るまでの人間関係が、むなしくもあり恐ろしくもあった。被害者の家族や加害者の家族のおかれた状況も、悲惨というほかに言葉が見つからない。最後に祐一がとった行動は・・・。人は、悪人になりたくてもなれないときもあるのだ。



| ”よ” その他 | 21:04 | comments(0) | ゆこりん |


雨のち晴れ、ところにより虹(吉野万理子)

ホスピスに入っている剛志は、小学生のときに起こった衝撃的なできごとのせいでトラウマになっていた。夢を見てうなされる時も・・・。あのときのアヤはどこにいるのか?表題作を含む6編を収録。

つらくて心が重いと感じていても、ちょっと考え方やものの見方を変えるだけで、心が軽くなることがある。表題作に登場する剛志は不治の病。毎日、死を待つだけの生活を送っていた。しかし、ある日彼は前向きに生きようと決心する。剛志がトラウマになるほどのできごとを、アヤは今どう思っているのか?その真相にはあ然とし、そして次に起こる小さな奇跡にはボーゼン(?)とした(笑)。どの話も人生の応援歌のようだった。つらいときに読むと心がほっとする。ところで、おさめられている話のあちこちに登場する、ある人物の存在に気づきましたか?♪



| ”よ” その他 | 15:21 | comments(0) | ゆこりん |


おんみつ蜜姫(米村圭伍)

九州豊後温水藩に、暴れ姫と呼ばれる姫がいた。名前は蜜姫。ある日父の、藩主乙梨利重が何者かに命を狙われた!利重は蜜姫を風見藩に嫁がせることにより、両藩の合併を企んでいた。この策を知り、刺客をよこしたのが吉宗だと思い込んだ蜜姫は、吉宗と闘うため江戸にいく決心をするが・・・。痛快時代劇。

忍びの者、忍び猫、海賊、尾張藩、そして天一坊などなど、出てくる人、起こる事件がさまざまで、長い作品だけれど読者を最後まで飽きさせない。まるで一昔前に流行ったテレビの時代劇ドラマのようで懐かしかった。お姫様や王女様が男装して敵をやっつける話には、幼い頃とてもあこがれたものだった。今読んでも胸がわくわくする。数々の難関を乗り越えて突き進む蜜姫の活躍は爽快♪楽しめる作品だった。



| ”よ” その他 | 09:10 | comments(0) | ゆこりん |


ランドマーク(吉田修一)

大宮に建てられている巨大建築物、スパイラルビル。独特のねじれたような形を持つビルの建設に携わる人々の、悲喜交々を描いた作品。

そのビルを設計した者、そのビルを建てている者。彼らには彼らの、それぞれの人生がある。ビルはねじれたままで、存在し続けることができるのか?ビルの姿におのれの人生を重ね合わせている男たち。彼らは、自分たちの人生もどこかねじれていると、感じているに違いない。良治の人生が、全てを物語っているような気がした。



| ”よ” その他 | 12:11 | comments(0) | ゆこりん |


パーク・ライフ(吉田修一)

いつも行く公園で一人の女性と知り合った。何気ない日常の何気ない生活から切り取られたような、公園でのひと時。そこで繰り広げられる出来事は?表題作を含む2編を収録。

同じ公園に同じ時間に行くと、同じ人に会うということはないだろうか?言葉は交わさなくても、気がつくとその人を見ている。どこでどんな生活をしているのだろう?ここに来て何を思っているのだろう?自分がそう思うとき、相手も同じことを考えているかもしれない。作品に出てくる二人は、これからも公園で会うのだろうか?ちょっと気になる。



| ”よ” その他 | 16:42 | comments(0) | ゆこりん |


東京湾景(吉田修一)

メールの出会い系サイトで知り合った亮介と美緒。お互い、相手を信じたい思いは同じ。だが、臆病な自分自身の心を抱えたままで立ち止まる・・・。二人のラブストーリーの行方は?

本当は好きなのに、気づかないふりをする。自分自身傷つくのが怖いから、踏み出せない。もどかしさを感じるふたり。永遠に信じられるものはないかもしれない。でも、そのことを恐れていたら、前に進むことはできない。人は生きている今この瞬間を、大切にするべきではないだろうか。進まずにあとで後悔するよりは、まず進んでみよう!亮介と美緒に向かって叫びたい。



| ”よ” その他 | 13:39 | comments(0) | ゆこりん |


みだれ髪(与謝野晶子)

歌集「みだれ髪」をわずか22歳のとき発表した与謝野晶子。その全作品399首と、彼女の生涯を描く。

明治時代、まだ女性の地位がそれほど認められていないこの時代にあって、与謝野晶子の作る歌、その生き方は、若者には共感されたが、大人たちは眉をひそめた。しかし彼女は、自分に正直に歌を詠む。その歌はその時代のものとは思えない大胆さだ。臆することなく堂々と自分の気持ちを歌にする彼女の生き方は小気味よい。鉄幹との出会いから、結婚、そして永遠の別れ。彼女の生涯は決して平穏な日々ばかりとは言えないが、充実したものだったに違いない。鉄幹と晶子の生涯を描いた渡辺淳一さんの作品、「君も雛罌粟われも雛罌粟」(雛罌粟・・こくりこ)を読むと、この「みだれ髪」の世界がもう少しあざやかに見えてくるかもしれない。



| ”よ” その他 | 10:58 | comments(0) | ゆこりん |


死よりも遠くへ(吉岡忍)

様々な人たちの死を通して、生きることの意味を問いかける胸を打つエッセイ。人は何を思い死んでいくのか?遺された家族は?生と死という大きな二つのテ−マに、考えさせられることが多かった。



| ”よ” その他 | 19:50 | comments(0) | ゆこりん |