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カレイドスコープの箱庭(海堂尊)

右肺葉摘出術の患者が術後に亡くなったが、肺癌としたのは誤診ではないかとの疑惑があった。「電子カルテ運用に関わる問題があるのでは?」誤診疑惑の調査に乗り出したのは、電子カルテ導入委員会の委員長である田口医師だった。はたして真相は・・・?

誤診疑惑の調査。そして、AI国際会議の準備。そのふたつで田口医師はてんやわんや・・・。内容は、ミステリーとまでは行かないと思う。けれど、過去のシリーズで活躍した人物がいろいろ登場して、読んでいて面白かった。多少ドタバタの感じではあったが、このシリーズの最後を飾るのにふさわしいように思う。本編はまあまあ面白いかな?といったところだが、巻末の"おまけ"の「海堂尊ワールド」がすごかった!作品相関図、登場人物相関図、登場人物表・・・などなど。ファンなら泣いて喜びそうなものばかりだ。それにしても、海堂尊ワールドは奥が深い。未読の作品もまだ少しあるので、そちらもじっくりと読んでいきたいと思っている。



| 海堂 尊 | 20:00 | comments(0) | ゆこりん |


ケルベロスの肖像(海堂尊)

東城大学病院に脅迫状が届いた!
「8の月、東城大のケルベロスの塔を破壊する。」
病院長の高階の依頼を受けた不定愁訴外来の田口は、厚生労働省の白鳥の部下姫宮とともに調査を開始するが・・・。「バチスタシリーズ」最終話。

過去のさまざまな因縁がもたらした東城大学の危機。それを救うべく田口は奔走する。碧翠院や桜宮一族との負の関係もからみつき、事態は最悪の方向へと流れていく。そして、運命のエーアイセンター設立の日が・・・!
登場人物たちの会話が理屈っぽくてくどい。読んでいてうんざりする。話の展開もいまいち。なぜ田口があんなものに乗らなければならないのか?エーアイセンターの運命にも驚いた。派手な演出は映像化を意識してのことなのか?読後もあまりすっきりとはしなかった。もやもやしたものが残る。このシリーズ、最初のころの作品は面白いと思ったが、途中からそれほどでもなくなってしまった。シリーズ後半は惰性で読んでいるようなものだった。だんだんと魅力がなくなってきたのは残念だった。
また、この作品では過去のシリーズに登場した人物があちこちに登場する。過去の事件についても触れられている。なので、この本だけ単独で読んでもそれなりにしか楽しめない。読むのなら、今までのシリーズすべてを読んでからの方がいいと思う。



| 海堂 尊 | 18:47 | comments(0) | ゆこりん |


モルフェウスの領域(海堂尊)

再発した網膜芽腫の特効薬承認を待つため、14歳の佐々木アツシは5年間の眠りについた。コールドスリープ・・・。アツシを見守る日比野涼子は、少年が目覚めるときに起こる重大な問題に気がついた。彼を守るために、涼子がとった行動は?

この作品を描いた作者の意図が分からない。この作品を通して何が言いたかったのか?コールドスリープというとても興味深いものをテーマとしているので期待を持って読んだのだが、見事に裏切られた。眠っている人間の人権問題をはじめとして、睡眠学習、記憶の操作など、現実にはあり得ないことがたくさん出てくる。現実味が感じられない。極めつけは、涼子のとった行動だ。いくら5年間眠っているアツシを見守り続け情が移ったとしても、あまりにも突飛すぎないだろうか。まったく共感できない。登場人物も、ほかの作品に登場する人たちがたくさん登場している。それは、リンクしているというより、使い回しているといった安易な感じだ。自己満足的で中途半端な印象の作品だった。



| 海堂 尊 | 19:56 | comments(0) | ゆこりん |


医学のたまご(海堂尊)

潜在能力テストで全国1位!中学1年生の曾根崎薫は、東城大学医学部特別プロジェクトに参加することになった。マスコミのインタビュー、医学書10冊読破、英語の論文・・・薫に次々と試練が襲いかかる。そんな中、薫が医学的大発見???医学部の中に衝撃が走るのだが・・・。

「潜在能力テストで全国1位になったからといって、いきなり医学生とは少し設定に無理があるのではないか?」と思いながら読み進めたが、作者は無難に話を展開させている。学力の不足分を補うためにさまざまな知恵を絞り、数々の試練の波を必死に乗り切ろうとする薫。その姿は健気だ。だが彼はしだいに大人たちの醜い陰謀の渦に巻き込まれていく。薫を利用しようとする大人たちには、憤りを感じる。負けるな薫!悪をそのままにしてはいけない!アメリカにいる父の応援を受け、薫は敢然と立ち向かう。その描写は痛快だ。
中高生向けに書いたとのことだが、それ以外の人が読んでも楽しめる。作者のほかの作品と微妙にリンクしているところも面白かった。読後感もまあまあだった。



| 海堂 尊 | 21:10 | comments(0) | ゆこりん |


極北クレイマー(海堂尊)

財政破綻の危機的状況にある極北市。その中で赤字にあえぐ極北市民病院に、ひとりの外科医がやってきた。彼の名は今中良夫。さまざまな問題を内外に抱えたこの病院に、はたして未来はあるのか?

財政破綻した市。赤字に苦しむ市立病院。そして、いろいろ生じる医療関係の問題。それはまさに現代社会が抱える問題だ。もうどこにも逃げ場がない。抜け出したくても道が見えない。医療現場の混乱がひしひしと伝わってくる。この悲惨な状況からどう事態を好転させるのか?今中の行動に注目したが、読んでいて絶望感だけしか感じなかった。「どこをどうすればいい」という、小手先だけの対策はもはや通用しないのだ。ラストも、とても後味の悪いものになっている。弱いもの、貧しいものは、切り捨てられる運命なのだろうか?やりきれない思いだけが残った。



| 海堂 尊 | 16:13 | comments(0) | ゆこりん |


アリアドネの弾丸(海堂尊)

通称コロンブスエッグと呼ばれる縦型MRIの撮像室で、死体が発見される。事故死か?不審死か?さまざまな人間の思惑が入り乱れる中、今度は元警察庁刑事局局長がコロンブスエッグの前で死んでいた・・・。そして、彼を射殺した容疑が、東城大学医学部付属病院院長の高階にかけられた。おなじみのコンビ田口と白鳥は、高階の無実を証明できるのか?そして事件の真相とは!?

72時間という限られた時間内に、高階院長の無実を証明しなければならない。しかし高階は眠ったままで、事情を聞くどころか面会さえ許されない状況だ。乏しい状況証拠の中から、田口と白鳥は真実を見つけ出すことができるのか?かなりよく練られたストーリーだ。北川局長の死因も、MRIを熟知した作者だからこそ描けるのだと思う。司法側と医療側の対立。解剖か画像診断か?現実にある問題も巧みに織り込まれていて、少々理屈っぽくも感じるが、なかなか興味深い内容になっている。途中、冗長的な部分があり読んでいて中だるみしてしまったが、全体的にはよくまとめられた作品だと思う。



| 海堂 尊 | 16:31 | comments(0) | ゆこりん |


ひかりの剣(海堂尊)

「医鷲旗」は誰の手に?
東城大学医学部剣道部の速水、帝華大学医学部剣道部の清川は、おのれの全てをかけて戦う。その陰で、彼らを見守るのは阿修羅と呼ばれている高階だった。はたして勝負の行方は?速水、清川の青春時代を描いた作品。

「ジェネラル・ルージュの凱旋」に登場した速水、「ジーン・ワルツ」に登場した清川、そのほかにも田口、高階など、海堂作品に登場するおなじみの人物が登場する。速水と清川の因縁の対決は、手に汗握る。剣道を経験していない者でも充分に楽しめる。けれど、どこか漫画的なところもあり、読んでいて「あり得ないでしょう!」と突込みを入れたくなる部分もあった。特に速水の特訓の内容には驚かされた。「郊外にある城址」での特訓とあるが、銃刀法違反で捕まらないのか?所持するだけでも大変なことなのに(^^;ちょっと現実離れしすぎた感も否めないが、海堂作品に登場するいろいろな人たちの若き日の姿を垣間見るのは楽しかった。まあ、それなりに楽しめる作品だとは思う。



| 海堂 尊 | 18:03 | comments(0) | ゆこりん |


イノセント・ゲリラの祝祭(海堂尊)

ある宗教団体の施設で12歳の男の子が死んだ。その死因の解明が発端となり、「医療関連死事業」の論議に拍車がかかる。田口公平は高階院長の「お願い」により会議に出席するが・・・。「バチスタシリーズ」第4弾。

今回のシリーズはミステリーっぽくない。医療事故死の死因究明のあり方を、さまざまな人間が議論する展開になっている。役人、医療従事者、法律学者、遺族代表などなど。誰もが自分の立場から言いたいことを言いたいだけいうので収拾がつかない。おなじみの登場人物田口や白鳥も、今回は影が薄い存在になってしまっている。壮絶な議論はそれなりに面白いのだが、述べられている内容がくどすぎる。今の医療の問題点を滔々と述べるのはいいのだが、度が過ぎるとうんざりしてくる。作者の思惑は、読み手を楽しませることではなく、この作品で自分の考えを主張することなのか?と勘ぐりたくなる。明らかに今までのシリーズとは趣が異なる。ラストもかっこよく決めようとしているのだが、なんだかすっきりしない。田口や白鳥に、もう少し活躍してほしかった・・・。



| 海堂 尊 | 16:07 | comments(0) | ゆこりん |


ジーン・ワルツ(海堂尊)

産婦人科医曾根崎理恵が閉院予定の病院で行なった不妊治療。その中で、55歳の女性に代理母の疑いが!理恵の先輩清川が真相を探ろうとするが、理恵の真意の恐ろしさを見ることになる・・・。理恵のやったことは許されることなのか?

生命操作・・・。それはまさに神の領域と言わざるを得ない。その領域を、ヒトは侵す権利があるのだろうか?確かに、不妊に悩む人たちに救いの手をさしのべることにはなるのだが。だが、自然の摂理を破壊するという危険性も充分秘めている。モラルを逸脱すれば、見ず知らずの他人の卵子と精子を受精させ、代理母に出産させることもできるのだ。医学の発達がはたしていいことなのか悪いことなのか、この作品を読んでいると判断がつかなくなってくる。せめて悪用されないことを願いたい。そして世の中の医師たちには、ヒトとしての道を踏み外さない医療を切に望みたい。いろいろな問題を含んだ作品だった。



| 海堂 尊 | 16:28 | comments(0) | ゆこりん |


ブラック・ペアン1988(海堂尊)

東城大学医学部付属病院の研修医世良が医療現場で経験したことは?個性豊かな医師たちとの交流、医療現場の実態、佐伯教授と渡海の因縁などなど。病院内には陰謀も渦巻いて・・・。また、「ブラック・ペアン」に託された思いとは?

この作品には「バチスタシリーズ」でおなじみの人物があちこちに登場する。これがけっこう楽しめるので、この作品を読む前にまず「バチスタシリーズ」を読むことをお勧めしたい。もちろんこの作品を単独のものとして扱っても、充分満足できるが。
舞台は1988年の東城大学医学部付属病院。作者が現役医師だけあって、病院内の様子や手術場面の迫力は満点だった。派閥間の争いや、医師同士の個人的な確執、手術方法をめぐる対立など、内容も盛りだくさんで読み応えがあった。また、タイトルにもなっている「ブラック・ペアン」。この存在がこの作品をより魅力のあるものにしている。ラストはちょっと衝撃的!とにかく、面白いのひと言。一気読みだった。



| 海堂 尊 | 15:43 | comments(0) | ゆこりん |