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ほしのはじまり(星新一(新井素子編))

ショートショートの神様と言われている星新一さん。彼の膨大なショートショートの中から新井素子さんが選んだ、最高傑作54編を収録。

この本を読み終えるのに、数年かかってしまった。少しずつ少しずつ噛みしめるように読んできた。この中に収められている話はほとんどが以前読んだことのあるものだ。けれど、何度読んでも新鮮さを感じる。星さんのショートショートは、時代を経ても決して色あせることがない。常に時代の先を見据えて書いているからなのだ。さまざまな題材を星新一流に捌いて、読者に最高の状態で出してくれる。読み手は、心ゆくまで存分に味わうことができる。至福のひと時だ。さて、数年かかって読んでいたものだから、すっかり前半の話を忘れてしまっている。また最初からじっくり読み直してみようか(笑)。何度読んでも飽きることは絶対にない。そして、誰が読んでも心から楽しめる。本当に貴重な作品だと思う。



| ”ほ” | 22:35 | comments(0) | ゆこりん |


なずな(堀江敏幸)

独身の40代の男が、弟夫婦の子供を預かることになった。生後2ヶ月の女の子なずなとの生活は、未知のことばかりだった。周りの人たちの協力のもと、菱山は必死に子育てをするのだが・・・。

育児経験のまったくない40代の独身の菱山。ある日突然なずなの育児を任されることになる。ミルク、おしめの取替え、入浴、散歩などなど・・・。やるべきことは山のようにある。見も心もくたくたになりながら菱山は奮闘する。「ああ、赤ちゃんはこうやって大きくなっていくものだったなぁ・・・。」と、自分の育児経験を思い出した。生後間もない頃は本当に大変だと思う。何が起こるか分からない。だが、日々成長してく姿を見る喜びは何物にも換え難い。苦労以上の喜びがある。赤ちゃんは見る全ての人の心を和ませる。赤ちゃんを中心に人の輪ができていく。赤ちゃんは、不思議な力を持った命のかたまりなのだ。
周りの人たちに支えられながら、そして楽しみながら、菱山は子育てを続けていく。その姿は実にほほえましい。この作品では、大きな事件など起こらない。ただ普通の日常生活だけが静かに流れていく。だが、真の大きな感動は、この普通の生活の中にこそあるのだと思う。なずなはどんどん大きくなる。成長したなずなと菱山は、いったいどんな会話をするのだろうか?聞いてみたい。心をほのぼのとさせる、読み応えのある作品だった。



| ”ほ” | 20:03 | comments(0) | ゆこりん |


ヒトリシズカ(誉田哲也)

男が拳銃で撃たれ死亡した。だが、射創には不可解な点があった。犯人だと思われていた男は犯人ではないのか?現場から走り去った少女は?シズカというひとりの女性をめぐる物語が始まる・・・。6編の連作集。

さまざまな事件がおきる。その陰に、人を殺すのに何のためらいもない残虐性を持つシズカというひとりの女性の姿が見え隠れする。非情な彼女の行動はその生い立ちに由来するのだが、もともと彼女の中にあったものがあるきっかけで姿を現した・・・そんな気がする。なぜ彼女は人を殺すのか?彼女の行動にはインパクトがある。だが、殺人の動機には少々納得できない部分もある。シズカの心情に寄り添うには、描写不足なのでは?ラストはシズカの意外な面を知ることになったのだが、そこに至るまでの彼女の行動を考えると、今までの彼女のイメージとうまく結びつかなかった。また、あっさりとこういう結末にしてしまったことに拍子抜けした。あまりにも安易な終わらせ方だ。プツンと断ち切られたような感じで物足りない。また、最後までシズカという女性の人物像がぼやけたままで残念だった。



| ”ほ” | 16:55 | comments(0) | ゆこりん |


明治・父・アメリカ(星新一)

福島の田舎で育った星一は、自分自身で学資を稼ぎ、単身渡米する。そこで彼が見たこと体験したことは?さまざまな困難を乗り越え、おのれの信念を貫き通し、後に星製薬を創業した星一を、息子である星新一が鮮やかに描いた作品。

「どんな苦境に立たされてもあきらめることなく努力を続ければ、必ず夢はかなう。」
その典型的な例を見るような作品だ。どんな困難も、工夫と知恵と勇気と度胸で乗り越えていく。読んでいてすがすがしさを感じる。明治時代・・・。今のように物が豊かな時代ではなかったと思うが、未来に希望を抱くことのできるとてもいい時代だったような気がする。「自分たちの手でこれからの日本を作り上げていく。」人々の、そういう意気込みが感じられる。また、当時のアメリカ留学の描写も、とても興味深かった。平和で穏やか、そしてのびのびとした自由さにあふれている。「古きよき時代」そんな言葉がぴったりだ。
とても読みやすく、読後もさわやかさを感じる作品だった。



| ”ほ” | 14:38 | comments(0) | ゆこりん |


誘拐(本田靖春)

1963年3月31日、東京入谷で誘拐事件が発生する。誘拐された村越吉展ちゃんは当時4歳だった。警察の失態により事件は最悪の結末を迎える。犯人の手がかりもなく迷宮入りかと思われた事件だが、刑事たちの執念が犯人小原保を追い詰めた!
事件発生から犯人逮捕、そして刑の執行までを、時代背景や犯人小原保の生い立ちをからめて克明に描いたノンフィクション。

警察の誘拐事件捜査は、今では考えられないようなお粗末なものだった。電話の逆探知も思うようにできない。犯人の声の録音でさえ、被害者の父親がテープレコーダーを買ってきて設置するという有様だ。身代金もまんまと奪われ、吉展ちゃんも戻ってはこなかった。後手後手にしか動けない警察に対し、情けなくて腹立たしささえ感じた。犯人の小原保は、何度も捜査線上に浮かんだ。それなのに、彼のアリバイを崩せない。大金の出どころの話も嘘だと断定できなかった。犯罪が暴かれることはないと思ったのか、小原の態度にもふてぶてしいものがあった。だが、刑事たちの執念が小原を自供に追い込む日がやってきた。その過程は、生々しい迫力がある。誘拐を認めた時の描写は胸に迫るものがあった。
罪状から考えれば小原の死刑は当然だと思った。だが、彼の生い立ちや死刑確定後の生活を知ったとき、複雑な思いにとらわれた。どんな理由があるにせよ、本当に人が人を裁けるのか?死刑を宣告し、人が人の命奪っていいのか?短歌会「土偶」に投稿した小原の歌にも心を揺さぶられた。小原の死刑執行後、短歌会を主催する森川がこう言っている。

  人が人の罪を裁き処刑することの矛盾が、被害者が
  加害者の処刑を当然と考える封建時代の敵討意識に
  繋る思想の恐ろしさなどが、私の脳裏を次々に掠めて
  やまなかった。

読み応えのある、濃厚な内容の作品だった。ひとりでも多くの人に読んでほしいと思う。



| ”ほ” | 16:29 | comments(0) | ゆこりん |


虹とクロエの物語(星野智幸)

無心に二人でサッカーボールを蹴り合った日々があった。かつて親友だった虹子と黒衣。20年ぶりに二人は会うことにしたのだが・・・。

二人の間に言葉はいらなかった。ただボールを蹴っていれば気持ちが通じ合った。だが、その関係も終わりを告げる。それは成長のあかしなのか?それともお互い、見つめる方向が違ってきたからなのか?私にも似たような経験がある。生涯親友とまで思って友と、いつの間にか離れてしまっていた。二人の物語を読んでいて、無性にその友達に会いたくなった。昔のようにはなれないけれど、自然に笑って話ができるような気がする。全体的に難解な物語だった。だが、作者の思いをしっかりと感じた。



| ”ほ” | 14:52 | comments(0) | ゆこりん |


ALONE TOGETHER(本多孝好)

「私が殺した女性の娘さんを守ってほしい。」3年前に退学した、「僕」がほんのわずかしか籍を置かなかった医大の教授の突然の頼み。まだ14歳の少女を守ってほしいとは?心の二つの波長が共鳴するとき、そこには人間の本質があざやかに描き出される・・。

「MISSINNG」を読んだときにはあまり感じなかったが、作者の瑞々しい感性が、この作品には感じられた。一つ一つていねいに選ばれた言葉たち。その言葉たちが集まって、この作品全体をやわらかく包んでいる。他人の心の波長と共鳴することができるという、特殊能力を持った主人公柳瀬。果たしてその能力は救いになるのか?人は心の奥に隠しておいた、誰にも知られたくない本音を暴かれたとき、いったいどうなってしまうのか?心の本質に迫る、面白い作品だった。



| ”ほ” | 14:56 | comments(0) | ゆこりん |


MISSING(本多孝好)

自殺し損ねた「私」を救ってくれたのは、一人の少年だった。自殺の原因は一人の少女を死に追いやったこと。ぽつりぽつりと語る「私」に、少年はその少女の心の内側に隠された思いを話し始める。「私」は、少年が誰なのかをしだいに感じ始めるのだが。1994年第16回小説推理新人賞受賞作「眠りの海」を含む5編の短編を収録。

どの話も不思議な雰囲気を漂わせている。発想は面白いと思った。しかし、表現がわざとらしかったり、乏しかったりしていて、読んでいてのめりこむような感じにはならなかった。内容も、もう少し深みのある方がよかったと思う。全体的にたいくつな印象だった。



| ”ほ” | 14:44 | comments(0) | ゆこりん |