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空へ(ジョン・クラカワー)

1996年5月10日に起こったエヴェレストの悲劇。アウトドア誌の記者としてロブ・ホール隊に参加していた作者は、この悲劇を目の当たりにする。それはいったいなぜ、そしてどのような状況のもとで起こったのか?作者自身の記憶、さまざまな証言をもとに、克明に描き出した作品。

エベレストの天候はいつどうなるか分からない。わずか数十分の下山のタイミングの違いが生死を分けた・・・。急変した天候。風が、雪が、寒さが、登山者たちの命を次々に奪っていった。キャンプからわずか数百メートルのところまで来ていながら力尽きた者もいた。どんなにベテランでも、どうすることもできない時がある。山は過酷な世界だ。それなのに人はなぜ危険を冒してまで登ろうとするのか?私にはその心情がどうしても理解できない。遺された家族、生き残った人たち。そのどちらも悲劇なのだ。これから、深い傷を負った心を抱えて生きていかなければならない。作者もその中のひとりだ。だが彼は、思い出すのもつらいこの悲劇を記録として残そうとした。その努力に、深い感銘を受けた。実際に体験した者にしか描けない生々しい描写があって、読んでいて胸が痛くなる時もあった。だが、この重い内容を事実として受け止めなければならない・・・。
山について、さまざまなことを考えさせてくれる作品だった。ひとりでも多くの人に読んでもらいたいと思う。



| ジョン・クラカワー | 14:30 | comments(0) | ゆこりん |