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本バスめぐりん。(大崎梢)

移動図書館「本バスめぐりん号」で借りた本の間に大切な物をはさんだまま返却してしまった!けれど、次に借りた女性は、本の中には何も無かったと言う。彼女はなぜ嘘をつくのか?「テルさん、ウメちゃん」を含む5編を収録。

この作品では、移動図書館バスを舞台にした日常のささいな謎や問題を描いている。時にはちょっとしたトラブルも起きる。でも、みんな本が好きな人たちだ。彼らは協力して事の解決に当たる。起きるトラブルはほろ苦いものもあるが、登場人物たちの温かな思いやりが読み手をホッとさせる。
わが街にも移動図書館バスがある。時々走っているのを見かけるが、どこへ行っているのか気にしたことはなかった。でも、この本を読んで以来とても気になっている。そこにはどんな物語があるのだろうと。
仕方がないことだが、移動図書館バスが舞台なのでどうしても扱う話が限られる。でも、ほのぼのとしたぬくもりが感じられる、読んでいて心地よい本だった。



| 大崎 梢 | 23:29 | comments(0) | ゆこりん |


ようこそ授賞式の夕べに(大崎梢)

届いた不審なFAX・・・。しかも、差出人の名前は8年前に閉店したはずの書店になっていた。はたして、書店大賞授賞式を無事行うことができるのか?授賞式開始時間が、刻々と迫っていた・・・。

「成風堂書店事件メモ」、「出版社営業 井辻智紀の業務日誌」、両シリーズのキャラクターが勢ぞろい!
ということで読んでみた。このふたつは私の好きなシリーズだ。
不審なFAXの送り主は閉店したはずの書店。しかもその店主は・・・。書店大賞の授賞式を無事終わらせるために、両シリーズおなじみのメンバーが真相を求め協力し合う。内容については、事件の背後にもっと複雑な動機があるのかと思ったが意外と普通だった。また、個性的な登場人物がたくさん登場するせいか、話があちこちに飛びストーリー展開がぎこちない感じがした。焦点が絞られていない?でも、書店大賞(実際は本屋大賞)のこと、業界や書店の内情など、今回も私たちが普段知ることができない本の世界について書かれていてとても興味深かった。ラストも無難にまとめられていると思う。



| 大崎 梢 | 16:59 | comments(0) | ゆこりん |


ねずみ石(大崎梢)

サトは、地方に伝わる祭りを研究しているいとこのために神支村のことをレポートにまとめたいと言う友人セイの手伝いをすることになった。けれどセイは、レポートのことよりねずみ石に強く興味を示すようになる。なぜ?やがて、サトとセイは4年前の殺人事件の真相に迫っていくことになるのだが・・・。

神支村の子供たちなら誰でも知っている「ねずみ石」。それは、願いごとをかなえてくれる、一生に一度きりの大切な宝物だった・・・。
4年前の祭りの日、ねずみ石を探していたサトは一時行方不明になる。同じ日、村では悲惨な殺人事件が起こっていた。そして、記憶をなくして戻ってきたサト・・・。セイの不可解な言動は?4年たった今も犯人が誰かわからない事件の真相は?事件の謎を解くカギはサトの記憶の中にあるのか?新たな事件も起こり、事態は意外な展開を見せる。読んでいて目が離せなかった。のめり込むほどではないが、適度な緊張感を持たせてくれる作品だ。人物描写もていねいで、読んでいると登場人物ひとりひとりの個性があざやかに浮かび上がってくる。特にサトとセイが魅力的だった。ミステリーの内容自体は平凡で、犯人像や犯行動機も読んでいてそれほど引きつけられるものはなかったが、読後感は悪くなかった。



| 大崎 梢 | 19:43 | comments(0) | ゆこりん |


クローバー・レイン(大崎梢)

家永という作家を家まで送って行った時に偶然見つけた原稿は、彰彦の心に深い感動を与えた。「これを本にしたい!」だが、現実は甘くなかった。1冊の本を世の中に出し多くの人に手にとってもらうためには、さまざまな困難を乗り越えなければならなかった・・・。

作家は、自分が書きたいと思ったことを文章にする。出版社は、それを本にする。小説を作るということは、そんなに単純なものではなかった。作者の思いが詰まった文章でも、編集者は作者に書き直しを依頼することがある。そればかりか、最悪はボツにすることだってある。本は売れなければならない。作者の思いと出版社の事情の間で、編集者は毎日身を削るように働いている。彰彦もそんなひとりだ。自分が気に入ったという理由だけで原稿を本にするなどということは、無謀以外の何ものでもないことは分かっていた。けれど彼は、自分が心を動かされた小説を数多くの人に届けるために、数々の困難を乗り越えていく決心をする。彰彦の奮闘は続く。部署を超えた連携や、ライバルたちや本屋さんの協力を経て、事態が動き始める。みんな本が好きなのだ。いい本を出すためには、さまざまなしがらみを捨て、境界線をも取り払ってしまう。そんな人たちの姿に、とても感動した。1冊1冊、それぞれの本にそれぞれのドラマが秘められている・・・。これからは、そんなことを考えながら本を読んでいきたいと思う。熱い思いが伝わってくる、面白い作品だった。



| 大崎 梢 | 14:47 | comments(0) | ゆこりん |


背表紙は歌う(大崎梢)

出版社のフレッシュ営業マンの井辻は、営業仲間の久保田という中年女性と趣味を通じ親しくなる。久保田には気がかりなことがあった。それは、新潟県内にある「シマダ書店」が経営の危機にあるということだった。なぜ書店は経営危機に陥ったのか?その書店と久保田との関係は?表題作「背表紙は歌う」を含む5編を収録。

出版業界も書店も、厳しい状況に置かれている。そんな中、井辻は毎日奮闘している。出版業界の内部事情や書店の裏側などを知ることができ、読んでいて楽しい。「背表紙は歌う」では、地方書店のあり方について考えさせられた。地域に根ざした本屋さんになるのにも、いろいろな苦労があり難しい・・・。最後に収録されている「プロモーション・クイズ」では、なぞなぞの答えを真剣に考えてしまった。でも、このなぞなぞの答えは正直言って微妙な感じだ。感心するほどのものではなかった。また、この話の中でなぞなぞを解いた人物に触れている箇所がある。おお!この店員さんは!大崎梢ファンなら、即、分かるはず♪ふんわりとした温かさを感じる、楽しい作品だった。



| 大崎 梢 | 19:30 | comments(0) | ゆこりん |


スノーフレーク(大崎梢)

6年前の不幸なできごと・・・。そのときに逝ってしまった速人のことを忘れられない真乃だが、高校卒業を間近に控えた或る日、彼とそっくりな青年に出会う。「もしかしたら速人は生きている?」真乃は速人の死の真相を調べてみることにしたのだが・・・。

車で海に飛び込み一家心中するという衝撃的なできごと・・・。家族の中で一人だけ遺体が見つからなかった速人。真乃は、速人の死を心の底から信じる気持ちにはなれなかった。そこにあらわれた速人にそっくりな青年を見て心が揺らいだのは、仕方のないことだと思う。速人の死に、いったいどんな事実が隠されているのか?真乃が真実に迫っていく・・・。読み手としてもすごく気になったが、ふわふわとした読み心地で少々現実味に欠ける点もある。全体的に少女漫画的ロマンチックミステリーという感じだ。。大人向けというより少女向けの小説のような気もしないではない。ラストは意外性があったが、完全に納得できるものではなく疑問も感じる。作者がこの作品にどんな思いを込めたのかはあまり伝わって来ないが、まあ、それなりに楽しめる作品だとは思う。



| 大崎 梢 | 23:11 | comments(0) | ゆこりん |


平台がおまちかね(大崎梢)

明林書房の営業マン井辻は、自社の本の、ある1冊だけがやけに売れている書店に気がついた。ベストセラーでもない本がなぜこの店でこれだけ売れるのか?不思議に思い訪ねてみたが、店主に冷たくあしらわれた。「悪いが、帰ってくれないか。」こう言う店主に言葉もない井辻。いったいなぜ?そこには秘められた物語があった・・・。表題作を含む5編を収録。

「成風堂」シリーズは書店員の女性が主人公だが、この作品は出版社の営業マンが主人公だ。書店や本にまつわるミステリーを描いているのは同じだが、見る視点が変わり、趣の違う作品に仕上がっている。ミステリー的な面白さだけではなく、書店や店員さんたちの日頃の様子、個人書店が抱える問題、出版社の営業社員の苦労など、普段知ることのできないことがたくさん描かれていて、とても興味深く読んだ。登場人物も、そして作者も、本当に本が好きなのだと思う。個人書店は今とても厳しい状況に置かれている。だが個人書店には、大型書店にはない雰囲気がある。その店のこだわりで並べた本たちを見るだけでも楽しい。がんばれ!個人書店!
この作品を読んでいると、本屋さんに行きたくなった。本を好きな人にはたまらない作品だと思う。そうそう、微妙に「成風堂」とリンクしているところがありました〜(*^o^*)



| 大崎 梢 | 17:41 | comments(0) | ゆこりん |


片耳うさぎ(大崎梢)

父母が不在のため、小学6年生の奈都は友だちの「ねえちゃん」の中学生のさゆりに泊まってもらうことにしたのだが・・・。古くて大きな屋敷には、昔からの不吉な言い伝えがあった。「片耳うさぎに気をつけろ。」決して入れてはいけないうさぎとは?

屋敷の中を探検し、屋根裏部屋を見つけた奈都とさゆりだったが、このことが雪子伯母をはじめとする蔵波家の人たちの過去を明らかにしていくことになる。「うさぎ」はなぜ不吉なのか?雪子伯母が奈都に厳しかったのは?屋根裏部屋に潜んでいた者の正体は?
過去には不幸なできごとがあったが、血生臭い事件も起こらず、全体としてはさわやかなミステリーという感じだった。古い大きな屋敷を探検する描写は読んでいてわくわくした。怖いけれど、子供はきっとこういう冒険は好きだと思う。ラストは、想像がついたものもあったが、「えっ!あの人が!」とびっくりすると同時に「そういう設定はありなの?」と疑問に感じる部分もあった。でも、全体的には楽しめる作品に仕上がっていると思う。



| 大崎 梢 | 18:07 | comments(0) | ゆこりん |


サイン会はいかが?(大崎梢)

人気ミステリー作家影平紀真のサイン会が、成風堂書店で行われることになった。ただし、サイン会開催には条件がひとつ。影平に対し、執拗に嫌がらせを続ける相手を見つけ出すこと。必ずサイン会にはやってくるという嫌がらせの犯人。はたしてその正体は?表題作を含む5編を収録。

おなじみの成風堂書店を舞台にしたミステリーが五つ。何気ない出来事が思わぬ波紋を広げる「サイン会はいかが?」、他人の名を語り本を注文する人物の意図を探る「取り寄せトラップ」が印象的だった。また、本屋にまつわるエピソードをつづった「君と語る永遠」にはホロリとさせられた。このシリーズは読んでいて本当に楽しい。本が好きな私にとって、この作品に描かれている書店の裏話もすごく魅力的だ。本屋さん、陰でけっこう苦労しているんですね。本のために、ありがとうございます(*^▽^*)



| 大崎 梢 | 14:17 | comments(0) | ゆこりん |


晩夏に捧ぐ(大崎梢)

成風堂に勤める杏子のもとに一通の手紙が届く。もと同僚だった美保からのもので、今勤めている老舗の本屋まるう堂に幽霊が出るという。アルバイトの名探偵(?)多絵と一緒に来て、解決してほしいとの依頼だった。杏子と多絵はさっそく信州へと向かうが・・・。

幽霊の正体は、作家殺しの犯人として捕まり、刑務所内で病死した作家の弟子小松秋郎だというが・・・。はたして彼は本当に殺人犯なのか?また、なぜ事件から20数年を経た今になって幽霊が出るようになったのか?どんな真相が出てくるのかとワクワクしながら読み進んだが、真相をつかんだ多絵がなかなかそれを話さないのでかなりイライラした。もったいぶっているとしか思えない。杏子のように多絵に対して「はっきりしろ!」と詰め寄りたくなった。ちょっと引っぱりすぎではないだろうか?その割には真相は貧弱だと思う。正直言って、がっかりした。もっとテンポよく、読み手を作品の中にのめり込ませるものがあればよかったのに。作品の内容自体はちょっと・・・という感じだが、本屋さんの描写はさすがにうまい。本好きにはたまらなかった♪



| 大崎 梢 | 18:34 | comments(0) | ゆこりん |