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おれに関する噂(筒井康隆)

ある日突然、ニュースで"おれ"のことが取り上げられた。日常生活のすべてがニュースとして放映される。平凡な人間に起こった珍事の結末は?表題作「おれに関する噂」を含む11編を収録。新潮文庫20世紀の100冊1974年。

「おれに関する噂」は、ひとりの平凡な男がある日突然ニュースに取り上げられる話だ。女性にふられたこと、病院へ行ったこと、ウナギを食べたこと、そして決して人には知られたくないことまで・・・。1974年に出版された作品だが、マスコミを痛烈に批判したこの話は現代でも充分に通用する面白さを持っている。「熊の木本線」は、民謡の歌詞を正しく歌ってしまった(絶対に正しい歌詞を歌ってはいけないことになっていた)男に起こった悲劇を描いている。ばかばかしいと思うような内容だが、なかなかの味わいを持っている。「心臓に悪い」も面白い。読んでいると、こちらまで胸が苦しくなってくるようだった。中にはアクの強い話もあったが、作者の独特の世界観を感じることができる興味深い作品だった。



| ”つ” その他 | 21:14 | comments(0) | ゆこりん |


流星雨(津村節子)

幕末から明治。この歴史の激しい流れに翻弄された藩があった。会津藩・・・。男たちだけではなく、女たちも過酷な運命にさらされる事になる。敗走の先には、いったい何が待ち受けているのだろうか?激動の時代を生き抜いたひとりの少女の物語。

歴史の流れが変わるときはいつも、多くの者たちが犠牲になる。何が正しくて何が間違っているのか、それは誰にも分からないことなのではないだろうか。人々は歴史の大きなうねりの中で、ただおのれを見失わないようにするだけで精一杯なのだ。あきもそのひとりだ。戦いで父や兄を失い、転封により過酷な土地への移住を余儀なくされる。食べ物もろくにない土地で生き延びなければならない。その生きざまは壮絶だ。もと会津藩の人たちは、人としてまともに扱ってはもらえない。新政府は、それほど会津が憎かったのか・・・。
「自決した方がよかったのでは?」
そう思いつめるほどひどい生活が続く。そして・・・。ようやくあきに一筋の光が当たる。貧しい生活からやっと抜け出すことができたときはほっとした。あきもこれで幸せな人生を送ることができると思った。だが、作者は意外な結末を用意していた!
真に迫る戦いの描写、会津の人たちの悲しみや苦悩、それらがとてもよく描かれている。会津の歴史を知ることができたのもよかった。印象に残る作品だった。



| ”つ” その他 | 20:05 | comments(0) | ゆこりん |


雷の季節の終わりに(恒川光太郎)

雷の季節に失踪した姉。姉の失踪と同時に「風わいわい」に取り憑かれた賢也は、その事実を隠し、不思議な空間「穏(おん)」で生きていこうとする。だが、その暮らしは長くは続かなかった。あるできごとがきっかけで、賢也は穏から逃亡した。彼を待ち受けていた運命は?

失踪した姉は生きているのか?死んでしまったのか?なぜ姉が失踪しなければならなかったのか?なぜ姉の失踪と同時に賢也に「風わいわい」が取り憑いたのか?逃亡する賢也の物語とそれらの謎を解き明かす物語が交錯する。一見何の関係もないように思えるふたつの出来事が結びついたとき、姉と賢也の悲惨ともいえる過去が浮かび上がってくる・・・。
ホラー的な部分もあるが、ひとりの少年の成長物語的なところもあり、読み応えがあった。不思議な雰囲気を漂わせる、独特の世界観を持った作品だと思う。




| ”つ” その他 | 19:38 | comments(0) | ゆこりん |


夢のまた夢(津本陽)

信長亡き後の天下を手中に収めたのは秀吉だった。彼は知力と武力を駆使し、日本の最高権力者となる。日本から世界へ・・・。晩年、秀吉が朝鮮出兵に託した願いとは?吉川英治文学賞受賞作品。

この作品は、本能寺の変以降の秀吉を描いている。仇の明智光秀を討ち、信長時代の主な大名を押さえ込み、天下統一に向かって突き進む秀吉の姿が生き生きと、そして鮮やかに浮かび上がってくる。作者によって描き方の違いはあるけれど、本能寺の変から天下統一までの秀吉についての描写は似たり寄ったりだと思う。この作品が他の作品と違うところは、朝鮮出兵について、かなりのページ数を費やしているところだ。全5巻のうち、2巻近くは朝鮮出兵についてだ。「ここまで書かなくてもいいのではないだろうか。」と、読んでいてうんざりするほど詳しく書かれている。けれど、今まで知らなかった事実も多数あり、興味を惹かれる部分もあった。正直、これほど悲惨で残酷な戦いだとは思わなかった。この戦いで何を得たというのか。結局は、朝鮮の人たちの恨みをかっただけではないだろうか。秀吉の判断力に疑問を感じざるを得ない。
読み応えがあり、今まで読んだ歴史小説とは一味違う作品だった。



| ”つ” その他 | 15:41 | comments(0) | ゆこりん |


旅のラゴス(筒井康隆)

30年もの長い間旅を続けたラゴスが、最後にたどり着こうとしたところはどこなのか?ラゴスの不思議な旅を通して、「人間」という生き物を見つめた作品。

旅というのは、人生に役立つ何かを得ることができると同時に、何かを捨てなければならないものでもある。いろいろな人たちとの出会いと別れ、さまざまな体験を繰り返すラゴス。そんなラゴスの旅で特に印象に残ったのは、ボロ村でのできごとだった。ドームの中でひたすら本を読むラゴス。そんな彼にアドバイスを求める村人たち。ドームの中のラゴス自身は何も変わらないのに、ドームの外の村は急速に変化していく。「人間とはこういうものなのだ。」作者の声が聞こえてくるような気がした。
求めていたもの。30年たっても変わらず求めていたもの。それが分かったとき、ラゴスは再び旅に出る。求めているものは得られたのだろうか?笑顔で旅を終えることができますようにと、願わずにはいられない。人は誰でも、人生という道を歩く旅人なのかもしれない。この作品を読んでそんなことを感じた。



| ”つ” その他 | 10:57 | comments(0) | ゆこりん |


家族八景(筒井康隆)

人が何を考えているのかすべて分かってしまう不思議な能力を持つ七瀬。彼女はこのことを他人に知られないように生きてきた。お手伝いさんとしていろいろな家庭を転々とする日々の中で、彼女が経験したことは・・・?8つの短編を収録。

仲がよい夫婦に見えるのに実際は・・・。真面目そうな人なのに心の中で考えていることは・・・。他人の心の中がすべて分かってしまったら、普通の人なら人間不信に陥るのではないだろうか。19歳の七瀬にとっても過酷なことだと思う。だから、内容はもっとミステリアスで深刻な展開かと思ったが、読んでみるとたてまえと本音が交錯する不思議な感じのする話だった。七瀬は自分の能力を使い、人の本音を引き出そうとする。そのことがその人の運命を左右し、時には不幸な結末を引き起こしてしまう。彼女の行動がはたして正しいのか、疑問に感じる部分もあった。人は知らなければならないこともたくさんあるが、知らなくていいこともそれと同じくらいあるのではないだろうか。七瀬には希望が持てる未来があるのか?人としての幸せを望むことができるのか?否定的な答えしか浮かばないのが悲しい。



| ”つ” その他 | 19:37 | comments(0) | ゆこりん |


ロートレック荘事件(筒井康隆)

ロートレック荘と呼ばれる別荘で、一人また一人と殺されていく。犯人はロートレック荘の中にいる!いったい誰が?なぜ?銃声とともに始まった惨劇の結末は?

私が読んだのは単行本だが、読んでみて表紙に書かれていた「映像化不能。前人未到の言語トリック。」という意味がよく分かった。読み手は、知らず知らずのうちに思い込まされていた。こういうふうに、思い込まされてだまされたという本は他にもある。乾くるみの「イニシエーション・ラブ」と歌野晶午の「葉桜の季節に君を想うということ」だ。「イニシエーション・ラブ」の方は、見事にだまされたという爽快感のようなものがあった。「葉桜の・・・」の方は、こういうトリックはありなのかと少々疑問に感じる部分があった。けれど、どちらも読み返すのが楽しかった。だがこの作品は、ただ確認するためにだけページをさかのぼる・・・そんな感じでつまらなかった。本の表紙には「この作品は二度楽しめます。」とも書いてたあったのだが、疑問だ。読後もすっきりとはせず、はっきり言って満足できる作品ではなかった。



| ”つ” その他 | 15:30 | comments(0) | ゆこりん |


秋の牢獄(恒川光太郎)

「11月7日。この日をいったいいつまで繰り返せばいいのだろう?」
同じ日を何度も繰り返し経験する藍。やがて彼女は、ほかにも同じように11月7日を繰り返している人たちがいることを知る。表題作「秋の牢獄」を含む3編を収録。

表題作「秋の牢獄」のほかに、不思議な家を描いた「神家没落」、特殊な能力をもつ女性を描いた「幻は夜に成長する」が収められている。印象に残ったのは「秋の牢獄」だ。同じ日、同じ時を何度も経験する話はいろいろ読んだが、この作品は独特の雰囲気を持った作品だった。なぜそうなったのか?行き着く先は?それは全て読み手にゆだねられている。だが読んでいて、それを不満に感じたりはしない。「なぜそうなった?」「これからどうなる?」そのことを考えながら読むのは楽しかった。「あり得ない話だわ。」と片付けてしまうのは何だかもったいない。この世の中には言葉だけでは説明できないことが、まだたくさんあるような気がする。これもそのひとつかもしれないのだ。



| ”つ” その他 | 16:57 | comments(0) | ゆこりん |


夜市(恒川光太郎)

妖怪たちがさまざまなものを売る夜市。裕司はかつて弟を売り、そのかわり野球の才能を手に入れた。再び夜市が裕司の前に現れたとき、彼は自分の弟を取り戻そうとするが・・・。表題作「夜市」と、「風の古道」2編を収録。

第12回日本ホラー大賞の受賞作だが、「夜市」は怖さだけではなく、切なさや悲しさが漂う作品だと思う。弟を売った兄、兄に売られた弟。裕司は弟を取り戻せるのか?夜市の決まりをどう乗り越えるのか?夜市の独特の雰囲気も加わり、読み手は不思議な世界へと誘われていく。裕司の心の奥底にあったもの、売られた後の弟の人生、そして、意外性を持った結末・・・。そのどれもが、読んでいてとても悲しく感じられた。「夜市」はわずか80ページ弱の長さだが、密度が濃く、読後も余韻が強く残る作品だった。



| ”つ” その他 | 15:55 | comments(0) | ゆこりん |