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パリのすてきなおじさん(金井真紀)

「パリの街を歩き回り、面白い話をしてくれそうなおじさんを見つけて話を聞こう!」
パリ在住40年のジャーナリスト・広岡裕児さんの案内で、パリで見つけたおじさんたちの話を集めた作品。

パリには実にさまざまな人たちが住んでいる。いろいろな国から来ていろいろな事情でパリに住んでいる人がたくさんいる。ここに登場するおじさんたちの経歴も十人十色でとても興味深い。登場する人たちに共通するのは、しっかりとした自分の考えをもって、しっかりと大地に足をつけて生きているということだ。人生、思うようにいかないこともたくさんある。そんなときはどう考えどう行動するべきか?この作品の中に、たくさんのヒントがある。そして、生きるということはやっぱり素晴らしいことなのだと思わせてくれる。金井真紀さんが描くおじさんたちのイラストも見ていて楽しい。
ずっと手元に置いて時々読み返したくなるような作品だ。



| ”か” その他 | 21:24 | comments(0) | ゆこりん |


コーヒーが冷めないうちに(川口俊和)

過去に戻れる喫茶店があった。ただし、そこにはめんどうなルールがたくさんあった。数々あるルールの中の最後の項目は、”過去に戻れるのは、コーヒーをカップに注いでから、そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ”・・・。それでも、この喫茶店には、過去に戻りたい人が訪れる。4人の女性が紡ぐ4つの物語。

恋人、夫婦、姉妹、親子。大切な人との絆を求め、喫茶店を訪れた人は過去に戻る。けれど、過去に戻っても未来を変えられるわけではない。この先待ち受ける残酷な運命を知っていたとしても、ただ見ているしかないのだ。「姉妹」では、過去の妹と会う姉がいた。妹の運命、そして姉の後悔。読んでいて切なかった。過去に戻る。戻らない。どちらを選択してもつらいものがある。だが、過去としっかり向き合うことで、姉はこれから先強く生きていける。それを確信した。
4回泣けると本の帯に書いてあるが、それほどの強いインパクトはない。最後に収録されている話「親子」のラストは、どうしてこういう展開になったのか理由が分からない。唐突過ぎて不自然な感じがする。話題になっていたので読んでみたが、期待したほどではなかった。



| ”か” その他 | 20:39 | comments(0) | ゆこりん |


世界から猫が消えたなら(川村元気)

まだ30歳なのに、脳腫瘍で余命があとわずかだと宣告される。絶望的な気持ちになっているところに悪魔が現れた。
「この世界からひとつ何かを消す。その代わりにあなたは一日だけ命を得ることができる」
自分が生き続けるためには、世界から物を消していかなければならない。かわいがっていた猫さえも・・・。

世界から物がひとつ消えるたびに、一日寿命が延びる。彼は、一日にひとつくらい物が無くなってもどうってことないと思っていた。だが、しだいに事の重大さに気づき始める。
自分にとって生きるとは何か?生きがいとは何か?人はただ生き続ければいいというものではない・・・などなど。この作品の中には、生きていくうえでの大切なメッセージがたくさん含まれている。テーマはすごくいいと思う。けれど、それを読み手に伝えるには文章力や表現力が不足していると思う。幅も深みもない薄っぺらい内容だ。それでは、どんなに大切なメッセージも相手の心には届かない。期待して読んだのだが、共感も感動もできないのはすごく残念だった。



| ”か” その他 | 20:34 | comments(0) | ゆこりん |


天璋院と徳川将軍家101の謎(川口素生)

今和泉島津家の姫として生まれ、後に島津斉彬の養女となり、第十三代将軍徳川家定の御台所となった天璋院。彼女の生涯とその時代背景を、101の謎として紹介。

天璋院の生い立ち、そして徳川家定に嫁ぐことになったいきさつとその後、さらに大奥の内情や家定、和宮についてなども書かれていて興味深かった。激動の幕末から明治にかけて、天璋院の果たした役割はとても大きかったと改めて感じた。強い意志と信念がなければできないことだ。また、大奥にいた頃は気持ちのすれ違いもあっただろうが、勝海舟の語る明治になってからの天璋院と和宮二人のエピソードには心温まるものがあった。時代に翻弄された二人だったが、晩年の仲睦まじい姿はほほえましい。この本の中に特に目新しい記述はないが、誰が読んでも分かりやすく書いてあるので天璋院などについて知りたいと思う人にはぴったりの本だと思う。



| ”か” その他 | 16:01 | comments(0) | ゆこりん |


虹色ほたる(川口雅幸)

1年前に交通事故で突然父を失ったユウタ。父との思い出の場所でかぶと虫をとろうと一人バスで山奥のダムにやってきたが、30年前にタイムスリップしてしまう。小学6年生のユウタの、不思議で感動的な夏休みが幕を開けた。

ダムに沈む前の村の豊かな自然、そこに暮らす人たちの様子が生き生きと描かれている。私が子供の頃は、こういう風景や光景はどこでも見られるものだった。だが、時代の流れがそれらを消してしまった。読んでいて懐かしさがこみ上げてくる。ユウタがそんな村で体験したのは、友情や、他人に対するいたわりや思いやりの心、そして、生きることの大切さや命の重さだった。父の死という悲しいできごとも、ユウタは彼なりに受け止め、乗り越えていこうとする。不思議な夏休みが一人の少年を成長させていく。その過程がとてもいい。文章の表現力不足を感じたが、読み心地もよく心温まる作品に仕上がっている。



| ”か” その他 | 14:41 | comments(0) | ゆこりん |


凍れるいのち(川嶋康男)

1962年(昭和37年)1月1日、北海道学芸大学函館分校山岳部の11人のうち10人が大雪山で遭難、そして死亡した。たった一人生き残ったのはリーダーだった野呂幸司。45年の沈黙を破り、彼が語った真実とは?

野呂の生い立ち、山登りをするようになったきっかけ、遭難、その後の人生・・・。真実の重みがずしっと伝わってくる。とくに遭難の描写は言葉がない。凄まじいの一言に尽きる。冬山の恐ろしさをいやというほど思い知らされる。一人また一人と雪の中で力尽きていく仲間たちを目の前にした野呂の心境は、いったいどれほどの苦痛を伴ったものだったのだろう?リーダーなのに一人生き残ってしまった野呂を責める遺族もいた。「死んでいった10人の分まで生きなくては!」そう決意する野呂。それは、24歳の若者が背負うにはあまりにも大きくて重いものだった。だが彼はくじけなかった。凍傷により身障者となった彼のその後の人生は、読む人に勇気を与えてくれる。読後も、心に深く余韻が残る作品だった。



| ”か” その他 | 17:03 | comments(0) | ゆこりん |


削除ボーイズ0326(方波見大志)

ナオがフリーマーケットの「おっさん」からもらったものは、起こったできごと数分間を削除できる装置だった。KMDと名づけられたこの装置は、ナオたちの運命をどう変えるのか?

あの時、あんなことをしなければよかった。あの時、あんなことを言わなければよかった。そう思って後悔した経験は誰にでもあると思う。もしそれをなかったことにできたら・・・。だがそれは事態を本当に好転させることになるのか。自分だけではなく、周りの人の運命をも変えてしまう削除装置KMD。時間を切り取ってしまうという発想はとても面白かった。KMDを使い続けてさて結末は?もっと先が読みたくなる。大人より子供のほうが、読んで面白いと感じる作品ではないだろうか。



| ”か” その他 | 17:44 | comments(0) | ゆこりん |


ららのいた夏(川上健一)

走ることが大好きな少女らら。そんなららを愛する純也。ららはマラソンの世界で、その天才的な才能を見せるのだが・・・。さわやかでちょっと切ない物語。

まさに青春小説といった感じ。コーチにもついたことがなく、一人でただひたすら走るらら。その才能は、日本のトップクラスの選手をも上回る。ちょっと都合のいい設定のような気もするが・・・。ボーイフレンドの純也とのやりとり、そして全体的な話の展開は、読んでいてわざとらしい感じがした。少女漫画のような世界だ。読み始めたときは子供向けの話かと思ったくらいだ。内容にも深みが感じられなく、物語の中に入っていけなかった。ラストも切ないはずなのに、あまり感動せずに終わってしまった。



| ”か” その他 | 11:15 | comments(0) | ゆこりん |


精霊探偵(梶尾真治)

妻を失ってから他人の背後霊が見えるようになった新海は、霊の力を借りていろいろなトラブルを解決する。ある日、人探しの以来が舞い込んだ。だがこれは単なる人探しでは終わらなかった。新海はしだいに不気味な出来事に巻き込まれていった。

他人の背後霊が見える探偵。しかもその探偵は、背後霊からさまざまな情報を集めることが出来る。面白い設定だと思う。新海の助手を務める少女子夢の存在も面白い。失踪事件に隠された謎は何か?わくわくしながら読んだが、後半は思わぬ展開になった。賛否両論あると思うが、私にはしっくりこなかった。前半の面白さが一気にしぼんでいくような感じさえした。ラストに明かされる真相もちょっと疑問。「えーっ!こんな結末なの!?」読後もすっきりしなかった。



| ”か” その他 | 16:09 | comments(0) | ゆこりん |


君たちに明日はない(垣根涼介)

リストラの作業を、いろいろな会社から請け負う村上真介。面接を受けに来た人に、怒鳴られたり、泣かれたり、うらまれたり・・・。だが、首を切る側と切られる側の狭間で、今日もめげずに仕事する。リストラにまつわる五つの短編を収録。

リストラする方もされる方も必死だ。生きていく現実の厳しさ。自分が生き残るためには一体何をすべきなのか?内容は切実だが、作者は軽快なタッチで描いている。涙あり、笑いあり、男と女のドラマあり。読んでいて「人生何があっても、どうにかなるさ!」そんな気持ちにさせられる。どんな時でも誰にでも、明日は必ずやって来る!明日は絶対にあるのだ。



| ”か” その他 | 16:54 | comments(0) | ゆこりん |