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東京會舘とわたし(辻村深月)
  

大正、昭和、、平成。時代が変われど、東京會舘はいつもそこにあった。旧館、そして新館になってからの東京會舘をめぐる人々の様々な物語。

大正11年に丸の内に誕生した東京會舘。国際社交場としての華やかな時代があった。訪れる人たちも、夢と希望にあふれていた。だが、時代は移り変わり、激動の時代へと・・・。喜びだけではなく悲しみも苦しみも、この會舘は経験することになる。けれど、この作品の中では特別な事件などは起こらない。そこで繰り広げられるのは、ささやかな日常を生きようとする人たちの物語だ。
時代が変わっても東京會舘を愛し続ける人たちがいる。東京會舘とともに歳を重ねる人がいる。そして、どこかで微妙につながりあう人たち。人を思いやったり、思われたり。ここで語られるさまざまなエピソードが胸を打つ。読後は、静かで穏やかな感動に満たされた。深い味わいがあり、いつまでも余韻が残る、読みごたえのある作品だった。



| 辻村 深月 | 22:01 | comments(0) | ゆこりん |


かがみの孤城(辻村深月)

いじめが原因で不登校になり、家に引きこもったこころ。救いのない状況の中で、ある日こころの部屋の姿見が光を放つ。その輝きに吸い寄せられるように、こころは鏡の中の世界に足を踏み入れた・・・。

鏡の中の世界には城があった。そして、この城に呼ばれた者は全員が中学生で、こころを含め7人いた。彼らを呼び寄せたオオカミの顔をした少女は言う。
「お前たちには今日から三月まで、この城の中で”願いの部屋”に入る鍵探しをしてもらう。見つけたヤツ一人だけが、扉を開けて願いを叶える権利がある。」
少女はなぜ彼らを鏡の国に引き込んだのか?なぜ彼らが選ばれたのか?そして、願いをかなえるのは誰か?少しずつ少しずつ状況が見えてくる。先が知りたくて夢中でページをめくった。登場人物ひとりひとりが抱える悩みや苦しみが明らかになるたびに胸が痛んだ。「誰にも相談できない!誰にも分かってもらえない!でも、誰か助けて!」彼らの悲痛な叫びが聞こえてくるようだ。
後半は、さまざまな伏線や謎がが見事に収束していく。彼らのつながり方が心にグッとくる。また、なぜ鏡の中に城があったのか?という理由もたまらなく哀しかった。まさかこんな真実が隠されていたとは!
読んでいてつらい部分や切ない部分もあったが、読後は温もりや優しさを感じた。深い感動が味わえる、読みごたえのある作品だった。



| 辻村 深月 | 21:41 | comments(0) | ゆこりん |


サクラ咲く(辻村深月)

塚原マチが図書館から借りた本の中に入っていた細長い紙に書かれた文字は、『サクラチル』だった。書いたのは同じクラスの誰か?マチと”誰か”の本を介してのメッセージのやり取りが始まった。表題作「サクラ咲く」を含む3編を収録。

人が成長し子供から大人へと変化する時期は、本当に微妙な時期だと思う。作者は、その微妙な時期に揺れ動く少年や少女たちの心情を実に細やかに描いている。作者の彼らを見る目は温かい。
3編の中で印象に残ったのは、「サクラ咲く」だ。自分の考えをうまくまわりに伝えられない塚原マチ。読んでいてもどかしさを感じたが、図書館の本を通しての見知らぬ相手との手紙のやり取りが、彼女を次第に成長させていく。その描写は本当に見事だ。人は悩み傷つきながら、それを糧にして成長していくのだと、あらためて感じた。
3編どれもが、作者の感性が光る話だった。中高生向けの話のようだが、楽しんで読める作品だと思う。



| 辻村 深月 | 23:09 | comments(0) | ゆこりん |


ハケンアニメ!(辻村深月)

9年ぶりに、天才と呼ばれるアニメ監督・王子千晴の作品が製作されることになった。話題の「運命戦線リデルライト」は、王子を口説き落としたプロデューサー・有科香屋子の努力のたまものだった。だが、突然王子が姿を消した!一方、期待の新人監督・斎藤瞳の作品も同じクルーでオンエアされることが決まる。果たして、アニメ界を制するのは・・・!?

完成されたアニメからは想像もできない壮絶ともいえる製作現場・・・。実にたくさんの人が素晴らしい作品にすべく昼夜を問わず働いている。現場での悩み、苦しみ、葛藤の日々、そして他社との熾烈なハケン争い。頂点を極めるアニメはただひとつなのだ。食うか食われるか?まさに弱肉強食の世界だ。ドタバタ感やできすぎだと思うストーリー展開は少々気になったが、自分が知らない業界を垣間見ることができてとても興味深かった。多くの人たちの努力によってひとつのものを作り上げるというのは、本当に感動的だ。これから、アニメを見る目が少しは変わってくるような気がする。
最後に・・・。表紙カバー裏に特別収録された短編もなかなかよかった。ちょっと得した気分♪



| 辻村 深月 | 17:34 | comments(2) | ゆこりん |


家族シアター(辻村深月)

姉と妹、姉と弟、母と娘、父と息子、祖父と孫・・・。それぞれにいろいろな事情を抱え、いろいろなトラブルに巻き込まれたりもする。さまざまな家族のさまざまな愛の物語を7編収録。

私にも4歳違いの妹がいる。小さい頃はケンカばかりしていた。けれど、それぞれ家庭を持ってからは、何でも話せる仲の良い姉妹になった。今は、妹がいてくれて本当によかったと思っている。
この作品に登場するさまざまな家族・・・。かけがえのない家族だからこそ許せないこともある。争うこともある。時には傷つけあうこともある。けれど、家族だからこそ心を寄り添わせることもできる。許すこともできる。
7つの話の中で特に印象に残ったのは、「1992年の秋空」と「タマシイム・マシンの永遠」のふたつだ。「1992年の秋空」は姉妹の物語で、自分たち姉妹と重ね合わせながら読んだ。「なぜ小さい頃は妹とケンカばかりしたのだろう?」今思うと胸が痛くなる。「タマシイム・マシンの永遠」は、赤ちゃんを連れて帰省する夫婦の物語だ。「覚えててね。」この言葉が意味するものに触れたとき、涙が出そうになった。とてもいい話だと思う。
家族・・・。それがどんなに大切でかけがえのないものであるかを、この作品はあらためて教えてくれた。穏やかなぬくもりが感じられる作品だった。



| 辻村 深月 | 18:46 | comments(2) | ゆこりん |


鍵のない夢を見る(辻村深月)

「りっちゃんだ・・・。」観光バスに乗ったミチルは、バスツアーガイドが小学校時代の同級生の律子だと知って驚く。ミチルの心に、鮮やかに当時の思い出がよみがえる。その思い出は、ちょっぴりほろ苦いものだった。「仁志野町の泥棒」を含む5編を収録。直木賞受賞作品。

「仁志野町の泥棒」は、ミチルと律子の小学校時代の話だ。思い出すと胸が痛むできごとがあった。だが、それが遠い昔のできごとになってしまったということを、とても印象的に描写している。小学生の女の子たちの様子もよく描かれていたと思う。作者の独特の感性を感じる話だ。ほかの4つの話は、どれも、読んでいて閉塞感を感じた。どんなにあがいても逃げ場がない。暗い穴の中、地面に這いつくばりもがいている、堕ちるだけ堕ちた主人公の姿が見えるようだった。本の帯には「岐路に立つ、5人の女たち」とあるが、はたして彼女たちは本当に岐路に立っているのだろうか?どの方向に進んでも救いがないように思える。読後感もよくなかった。気持ちが落ち込んでいくようで、後味がとても悪い。私には合わない作品だった。



| 辻村 深月 | 19:59 | comments(0) | ゆこりん |


オーダーメイド殺人クラブ(辻村深月)

学校生活での友だちとのトラブルや母親への絶望感が、アンにひとつのことを決心させる。「私を殺して!」クラスメートの徳川に、アンは自分殺しを依頼したのだが・・・。

学校生活や自分の母親に絶望を感じたアンが取った行動は、突飛なものだ。けれど、アンの年齢を考えると、そういうこともありなのかな〜とちょっと納得してしまう。昆虫系と称される徳川とふたりで練る殺人計画は、当人たちは大真面目なのだが、大人の目から見ればちょっと滑稽なものに思える。
この作品では、アンの心理描写はとてもていねいだ。けれど徳川は、何気ないしぐさや目の動きなどでその心理を知ることはできるが、控えめに描かれている。アンから自分を殺すように頼まれた徳川が、いったい本当のところ何を考えているのは分からない。しかし、ラストで作者は、今まで抑えてきた分徳川の思いを実に見事に印象的に描いている。「徳川ってこういう人だったんだ!」彼の秘められた思いにちょっと感激した。タイトルは物騒だけれど、読後はさわやかな感動を与えてくれる作品だと思う。



| 辻村 深月 | 19:13 | comments(0) | ゆこりん |


ツナグ(辻村深月)

「あなたなら誰に会いたいですか?」
そう聞かれたとき、いったい誰を思い浮かべるだろうか?たった一度だけ、死者と生者を会わせてくれる人がいる。その人は、「ツナグ」と呼ばれていた・・・。

アイドルに、母に、親友に、そして婚約者に・・・。「逝ってしまった人にもう一度会って話がしたい。」そういう想いから、人は「ツナグ」を探し求める。はたして、逝ってしまった人に会うことがその人にとっていいことなのか・・・。会ってよかったと思うこともあるが、会わずにいたほうがよかったと思うこともある。苦しみから逃れようとしたはずなのに、かえって苦しみを増す場合もある。読んでいて、たまらなく切ない。私にも会いたい人はいる。だが、私なら会わないだろう。生と死の間に引かれた線は、そのままにしておいたほうがいいと思うから。喪った悲しみに再び心が覆われるのは耐えられない。
全体的に透明感があり、切なさをふんわりとしたやさしさの中に包み込んだような雰囲気を持っている。生と死を、独特の瑞々しい感性で見事に描きあげた、読み応えのある作品だった。



| 辻村 深月 | 17:44 | comments(0) | ゆこりん |


ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。(辻村深月)

望月チエミが、母を刺し姿を消した。幼なじみだった神宮司みずえは彼女の行方を追う。チエミと関わりのあった人たちを尋ね、何とか手がかりを得ようとした彼女だったが・・・。

チエミは、なぜ母を刺して命を奪ったのか?あんなに仲が良かったのに。みずほはチエミの知り合いたちを尋ね、話を聞いていく。そこから浮かび上がるチエミと家族との絆・・・。第3者から見て、それは異常とも思える仲の良さだった。逆にそのことが、チエミと母との間に溝を作ってしまったのか?絆の深さの分だけ、溝も深くなってしまったのか?一方、みずほと母の関係は決していいとは言えないものだった。みずほは常に、母との間に距離を置こうとしている。仲が良くても悲劇は起きる。仲が良くないことも悲劇だ。けれど、チエミとみずほ、どちらの生き方にも是非を問えないような気がする。どんな場合でも、母と娘の関係は特殊で微妙だ。ラストは、胸が締めつけられるようだった。読んでいて、私も無性に母に会いたくなった。母は、いつでもどんな時でも娘を愛している。母とはそういうものなのだと、強く心に感じた。



| 辻村 深月 | 14:07 | comments(0) | ゆこりん |


太陽の坐る場所(辻村深月)

毎年開かれるクラス会。今まで一度も出席することのなかった「キョウコ」。女優になった彼女を何とか呼び出そうと、かつてのクラスメートたちは画策する。高校卒業から10年。28歳になった彼らは、高校時代のほろ苦いできごとを思い出していた・・・。

時には、人を傷つけてしまうようなことを平気でやってしまう残酷さを持つことがある。学校生活は、決して楽しいことばかりではない。月日がたったとき、つらかったことや苦しかったことも、懐かしい思い出にすることができるのか?この作品に登場する人たちの胸に去来するさまざまな思い。「キョウコ」との関わり。大人になった彼らが直面する問題。それらを作者はていねいに描写しているつもりなのだろうが、理屈っぽくくどさを感じる。すんなりと入ってこない。それどころか、読めば読むほどイライラが募っていく。話の組み立て方や展開の仕方がいまいちだ。「トリック」もありふれたもので、それが分かったときも「なるほど!」とは思わなかった。意外性のないトリックほどつまらないものはない。この作品の中で作者が言いたかったのは何か?分からない・・・。作者の自己陶酔型の作品といった印象だった。



| 辻村 深月 | 18:21 | comments(0) | ゆこりん |