流(東山彰良)
2016.04.16 Saturday
「祖父は、なぜ殺されなければならなかったのか?」
すべての答えは、大陸に・・・。大陸から台湾へ渡った祖父の波乱万丈な人生を、孫である秋生はたどることにしたのだが・・・。
1970年代の台湾は、国民党によって戒厳令が敷かれていた。そんな暗い時代の中、不死身と言われていた祖父が殺された。なぜ祖父は死ななければならなかったのか?祖父の死の謎と孫・秋生の生きざまとを絡み合わせて物語は進んでいく。そこには、政治的な問題や人間的な問題が数多く含まれている。誰もが生きることに必死だったのだ思う。けれど、ひとつ言えるのは、憎しみからは何も生まれないということだ。殺したり殺されたり・・・。そこにはただ虚しさしかない。
祖父の死の真相、主人公の少年の成長とその後の人生の描写は、考えさせられる部分が多かった。けれど、主人公に共感できず、ストーリーに引き込まれるほどではなかった。評判がいいので読んだのだが、それほど感動はしなかった。
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