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流(東山彰良)

「祖父は、なぜ殺されなければならなかったのか?」
すべての答えは、大陸に・・・。大陸から台湾へ渡った祖父の波乱万丈な人生を、孫である秋生はたどることにしたのだが・・・。

1970年代の台湾は、国民党によって戒厳令が敷かれていた。そんな暗い時代の中、不死身と言われていた祖父が殺された。なぜ祖父は死ななければならなかったのか?祖父の死の謎と孫・秋生の生きざまとを絡み合わせて物語は進んでいく。そこには、政治的な問題や人間的な問題が数多く含まれている。誰もが生きることに必死だったのだ思う。けれど、ひとつ言えるのは、憎しみからは何も生まれないということだ。殺したり殺されたり・・・。そこにはただ虚しさしかない。
祖父の死の真相、主人公の少年の成長とその後の人生の描写は、考えさせられる部分が多かった。けれど、主人公に共感できず、ストーリーに引き込まれるほどではなかった。評判がいいので読んだのだが、それほど感動はしなかった。



| ”ひ” その他 | 20:27 | comments(0) | ゆこりん |


謎解きはディナーのあとで(東川篤哉)

「宝生グループ」総帥のひとり娘である宝生麗子。なに不自由のないお金持ちのお嬢さんであるはずの彼女の職業は何と!刑事!けれど、次々に起こる難事件を実際に解決していくのは、執事の影山だった。麗子から状況を聞くだけで、犯人が誰かを見抜いてしまう。ふたりを待ち受けている難事件とは?6編を収録。

「お嬢様はアホでいらっしゃいますか?」
執事・影山の辛辣な言葉に怒り心頭の麗子だが、事件解決のためにはぐっと我慢する。麗子の話から犯人を特定する影山。ふたりの掛け合いがユーモラスで面白い。麗子の上司の風祭も、なかなか個性的だ。しかし、事件の内容はそれほど面白いものではないような気がする。薄っぺらい。なので、事件の謎を解く影山に対しても、お世辞にも「お見事!」とは言えない。純粋にミステリーを楽しみたいと思う人には不満かもしれない。それにしても、麗子にここまで容赦ない言葉を浴びせる影山とはいったい何者?事件以上に、影山の謎が気にかかる。シリーズの中で、明かされるときがくるのだろうか・・・?



| ”ひ” その他 | 18:48 | comments(0) | ゆこりん |


マイナス・ゼロ(広瀬正)

1945年(昭和20年)の東京大空襲の日、少年だった浜田は隣に住む先生から死の直前に奇妙なことを頼まれる。「18年後の今日、ここに来てほしい。」彼はその約束を果たしに、18年後再びその場所を訪れる。そこで浜田が目にしたものは・・・。

先生との約束を果たすため、18年後に再びその場所を訪れた浜田。彼が目にしたのは、空襲の日に行方不明となった伊沢啓子を乗せたタイムマシンだった。ここから彼の奇妙な体験が始まる。彼自身がタイムマシンに乗り込んで過去に行ったのはいいけれど、さまざまなアクシデントが・・・。
タイムマシン物は映画やテレビドラマなどでいろいろ見たが、重要なのはやはり結末ではないかと思う。過去、現在、未来に起こるできごとをどう収束させるのか?それが作品の良し悪しを決めるポイントだと思う。この作品ではそれがきちっと描かれていた。バラバラのピースがラストで、あるべき場所にきちんとはめ込まれていく爽快感があった。作者の緻密な計算がうかがえる。それにしてもこの結末・・・。考えれば考えるほど頭が混乱してくる。だが、それもまた楽し♪



| ”ひ” その他 | 19:11 | comments(0) | ゆこりん |


春の数えかた(日高敏隆)

虫や植物たちはどうやって春が来たことを知るのか?自然の不思議さや、虫や植物たちの生態を、分かりやすく描いたエッセイ。

誰に教えられるわけでもないのに、春になると虫たちが行動を開始し、植物は花を咲かせる。年によって、春が早く来るときと、遅く来るときがある。その年その年の微妙な違いを、自然の中で暮らす虫や植物たちはどうやって知るのだろう。読めば読むほど不思議さを感じる。生き物たちの何気ない行動にもちゃんとした意味がある。そのことはだいぶ解明されてきたけれど、人間がどんなに研究しても、どんなに考えても、分からないことがまだまだたくさんある。読んでいて自然の神秘さを感じずにはいられない。虫はあまり好きではないけれど、たまにはじっくり観察してみるのもいいかもしれない。



| ”ひ” その他 | 19:37 | comments(0) | ゆこりん |


オニビシ(久間十義)

北海道日高地方。富産別というところに「オニビシ」と呼ばれるアイヌがいた。彼は、その生涯を昔ながらの伝統的なアイヌ流の生活で暮らしたアイヌだった。富産別に暮らすアイヌの人たちやその土地にまつわる話を描いた異色の作品。

自然の中で、自然と調和して生きてきたアイヌの人たちは、時代の大きなうねりの中で次第に自分たちの居場所を失ってゆく。北海道は開拓され続けてきた。開拓者は、アイヌの人たちとの共存を全く考えずに、彼らから土地を奪った。それによって得たものは大きい。だが、失ったものもそれ以上に大きいのではないだろうか。この本に収められている物語はどれもほろ苦かった。オニビシは、最後のアイヌらしいアイヌではなかったのだろうか。今も語り継がれる彼の物語を、まだ読んでみたいと思った。



| ”ひ” その他 | 18:01 | comments(0) | ゆこりん |


鳶がクルリと(ヒキタクニオ)

セクハラもなく、働きやすい会社だった。ゆくゆくは管理職だと思っていたが、貴奈子は辞表を出してしまう。引きこもり寸前の娘の様子を見かねた母は、鳶職の叔父のところで働くようにすすめるが・・・。

それまでとはまったく違う世界に飛び込んだ貴奈子。最初はいやいや働いていたが、地上からはるかに高いところで命の危険にさらされながら働く男たちを見て、しだいに人生観が変わっていく。いろいろな個性がひしめく集団だけれど、一人一人は気のいい人ばかり。ひとつの事をやり遂げるために力をあわせる様は感動的だ。果たして仕事はうまくいくのか?そして貴奈子の恋の行方は?軽いテンポで最後まで楽しく読めた。



| ”ひ” その他 | 16:24 | comments(0) | ゆこりん |