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地のはてから(乃南アサ)

父作四郎に連れられ、とわは母つねと兄直一とともに、夜逃げ同然で福島から北海道に渡った。そこで待っていたのは、過酷な環境だった。冬の寒さに耐え、登野原一家は北海道で必死に生きていこうとするのだが・・・。

登野原一家が北海道に来た大正の初めは、私の祖父がやはり福島から北海道に来た頃でもあった。その当時の苦労話を、祖父母から聞いたことがある。北海道の自然は過酷だ。人間に容赦なしだ。働いても働いても報われることなく、力尽き斃れていく人たちもいたと聞く。登野原一家も大変な苦労をして生き抜いていくのだが、読んでいて自然の過酷さが伝わってこない。「開墾の記」という、坂本直行さん(直行の祖父直寛は、坂本竜馬の甥)が実体験を書いた本があるが、それを読むと開拓の苦労がぐっと迫ってくる。リアルだ。だが、作者の描く自然の過酷さは、想像の域を脱していない。北海道に生まれ育った者としては、描写が物足りなく感じる。もし作者が実際に北海道の過酷な自然・・・特に冬の厳寒期を体験してこの作品を描いたのなら、もっと違った描写になり、とわの半生記はより感動的なものになったのではないか。作者の情熱が伝わってくる面白い作品だと思うだけに、とても残念な気がした。



| 乃南 アサ | 19:11 | comments(0) | ゆこりん |


禁猟区(乃南アサ)

ホストクラブに通い続ける直子。彼女は、ひいきにしているホストのために、警察官という立場を利用し非合法的な方法でお金を手に入れていた。そんな彼女の不正を暴いたのは、警察内部の犯罪を追う監察官だった・・・。表題作「禁猟区」を含む4編を収録。

警察官だって一般の人と同じ人間だ。時には、法に触れるようなことをすることもある。そんな人間を追う監察官。彼らは警察官なのに、ほかの部署の警察官には明らかに疎まれている。この、警察官が警察官を裁くという設定が興味深かった。表題作のほかに、知らず知らずのうちに泥沼にはまり込んでいく男を描いた「免疫力」、時効直前の事件解決をあせる男を描いた「秋霜」、ゆがんだ男の怖さを描いた「見つめないで」が収録されている。追い詰める者と追い詰められる者、その緊迫感がひしひしと伝わってきた。どの話も味があり、まあまあ面白い作品だった。



| 乃南 アサ | 19:43 | comments(0) | ゆこりん |


ニサッタ、ニサッタ(乃南アサ)

「次また会社を探せばいいさ。」
そういう軽い気持ちで最初の会社を辞めたが、次の会社は倒産、その次の派遣会社ではしくじった。ホームレス寸前まで追いつめられた耕平だが、明日を信じて歩き続る。そしてつかんだものは?

読み手の年齢によって主人公耕平への感情も異なると思うが、正直言って私はあまり共感できなかった。ひと言!「考えが甘すぎる!」世の中、そんなに自分の都合のいいようになる訳がない。いやなことがあるたびに周りや誰かのせいにして逃げ出すなんて、あきれるばかりだ。救いは、耕平が徐々に大人になっていくことだが。
ストーリーには関係ないが、この作品でどうしても気になることがあった。それは、この作品の中で使われている北海道弁だ。今どきこんな使い方はしないだろうと思う箇所が何箇所もあった。使い方が間違っているところも・・・。それに、「アイヌ」と「和人」という言葉が出てくるが、「和人」なんて言わないし使わない。時代錯誤も甚だしい。中途半端な知識だけで描くのではなく、もう少し北海道のことを理解して描いてほしかった。ちょっとひど過ぎる。



| 乃南 アサ | 19:15 | comments(0) | ゆこりん |


不発弾(乃南アサ)

家族のために一生懸命働いているつもりだったのに、いつの間にか疎外されていた・・・。娘や息子の秘密を明かさない妻。父親を避ける娘と息子。家の中に居場所を見出せなくなった智明は、ついに行動を起こす!!表題作「不発弾」を含む6編を収録。

読み終わったあと、思わずうなってしまった。どの話も、現実の日常生活の中にもいるような人たちが主人公だ。だが、彼らの体験は、それぞれ種類は違うが読んでいてゾクゾクさせられる。「かくし味」では、"知らない"ということの恐怖を、「夜明け前の道」では、人との出会いが人生や考え方をあっという間に変えてしまう不思議さを、「夕立」では、自分さえよければいいという強かな考えに驚きを、「福の神」では、ちょっとした心づかいが思わぬ喜びをもたらす感動を、「不発弾」では、家族といえども心がすれ違ってしまうとこうなってしまうのかという哀れさを、「幽霊」では、決してあきらめないという信念がもたらした爽快さを、味わった。
6編どれもが味わいのある話で、読後も満足感が残る。なかなか面白い作品だった。



| 乃南 アサ | 16:58 | comments(0) | ゆこりん |


冷たい誘惑(乃南アサ)

久しぶりの同窓会。酔って道端に座り込んでしまった織江に家出少女が渡したものは、拳銃だった!織江は警察には届けず、自分の宝物、そして守り神として手元に置くことにしたのだが・・・。一丁の拳銃をめぐる5編の話を収録。連作短編集。

拳銃は、平凡な生活を営んでいる者には決して手に入れることのできないものだ。普通の日常生活の中に、非日常的なものが入り込んできたら・・・?作者は独特の視線で、そういう状況に置かれた人間の心理を巧みに描き出している。手の中にすっぽりと収まるほどの小さい物体が、持つ人間の心を揺さぶり、価値観や人生そのものを変えてしまうこともある。「凶器」は「狂気」を生む。理性と狂気は紙一重の差といっても過言ではない。「撃つのか?撃たないのか?」その危うさに、読んでいてハラハラさせられた。それなりに楽しめる作品だと思う。



| 乃南 アサ | 17:59 | comments(0) | ゆこりん |


ボクの町(乃南アサ)

警察学校の初任教養期間を終え警視庁城西警察署に配置された高木聖大は、警察手帳にプリクラを貼ったり、耳にピアスをしたりと、型破りだった。「自分は警察官に向いていないのではないだろうか?」そんな悩みを抱えていたある日、連続放火事件が起こった!

警察官になろうと思った動機が不純。しかも、どこからどこまで型破り。先輩にも平気でため口をきく。そんな高木聖大だったが、いろいろなできごとや人との関わりを経験し、少しずつ成長していく。そして、警察官という職業に対してもやりがいを見出していく。
こう書くと、一人の人間のさわやかな成長物語だと思うかもしれないが、読んでいてあまりそういう感じは受けなかった。聖大には、人間としての魅力がない。礼儀知らずで、面白くないことがあれば返事もせずにふくれている。いやな仕事のときは、さんざん口をこぼす。今どきの若者の姿を描いているのかもしれないが、読んでいて共感できないような極端すぎる人物像はどうかと思う。言葉遣いも、とても気になった。面白さをあまり感じず、最後まで読み通すのがしんどかった。



| 乃南 アサ | 20:54 | comments(0) | ゆこりん |


涙(乃南アサ)

結婚を間近に控え、幸せの絶頂にあった萄子。だが、婚約者の勝は、1本の電話を最後に消息を絶ってしまう。一方、勝の上司韮山の娘のぶ子が殺されるという事件が起こる。現場には、勝の定期入れが落ちていた・・・。

突然起きた不幸。萄子は勝の無実を信じ、目撃情報を元に彼を探し求める。なぜ勝は逃げ続けるのか?のぶ子を殺したのは彼だったのか?彼を信じたいと思いながらも揺れ動く萄子の心情が、とてもよく描かれている。だが、萄子が勝にたどり着く過程があまりにも長すぎる。もう少し簡潔にテンポよく書いたほうが、最後まで飽きずに読めると思う。また、読み手をそこまで引っ張るのなら、もう少し盛り上がるラストがほしかった。ありふれた2時間もののサスペンスドラマのような結末は、ちょっと期待はずれだった。



| 乃南 アサ | 15:27 | comments(0) | ゆこりん |


紫蘭の花嫁(乃南アサ)

「たった一つの真実にたどり着くために・・・。」
身を潜め、ある人物の目から逃れて夏季は生きる。一方、連続女性殺人事件の犯人を追う小田垣の苦悩は深かった。ラストに待ちうける二人の運命は?

夏季と小田垣。二人の物語がこの作品の中に入り混じっている。誰かに追われ、居所がばれるたびに転々と住むところを変える夏季。犯人のめどさえ立たない連続殺人事件に振り回される小田垣。その小田垣に近づく魔衣子。バラバラだった事柄がいつしか・・・。巧妙な構成だったが、読んでいてある程度まで想像がついてしまったのは残念だった。もう少し読み手を混乱させてほしかった。だが、ラストの数行は衝撃的!このラストはあったほうがいいのか、なかったほうがいいのか?とってつけたような感じもする。微妙・・・(^^; 意見が分かれるところではないだろうか。



| 乃南 アサ | 21:32 | comments(0) | ゆこりん |


いつか陽のあたる場所で(乃南アサ)

芭子と綾香。谷中で新しい生活を始めた二人には、誰にもいえない過去があった。いつの日か胸を張って堂々と生きていける日が来ることを信じ、前向きに生きる二人の女性を描いた作品。

償いの日々は終わっても、心が晴れることはない。そんな切ない日常の中、希望を見つめることだけは忘れない。芭子と彼女の家族との関係、綾香の犯した罪など、考えれば心が重く沈んでしまいそうなこともあるけれど、二人の明るさには救われる思いがする。どちらかがくじけそうになったときには、どちらかが励ます。そんな持ちつ持たれつのほほえましい関係が、ずっと続くといいと思う。これから二人がどんな人生を歩んでいくのか、それを静かに見守りたい。「ボクの町」「駆け込み交番」でおなじみの高木聖大巡査も登場し、この作品にほのぼのとした雰囲気を与えているのもよかった。



| 乃南 アサ | 16:28 | comments(0) | ゆこりん |


風の墓碑銘(乃南アサ)

アパートの解体工事現場から3体の白骨死体が!女刑事音道貴子はアパートの持ち主の老人に接触するが、その老人は何物かに撲殺されてしまう。音道は滝沢とコンビを組み事件の謎を追うが、意外な結末が待っていた。おなじみの音道貴子シリーズ。

作品の組み立て方がとてもしっかりとしていた。また、音道、滝沢、そのほかの登場人物たちもきっちりと描かれていて、作品自体を深みのある濃厚なものにしている。当人同士は最悪のコンビだと思っているが、周りの目からは絶妙のコンビに見える二人の微妙な関係。それにからむ音道、滝沢、それぞれが抱える私的な悩み。それらが作品をより面白くしている。殺人の動機には、音道と同じように私も怒りを覚えた。被害者や被害者の家族が哀れでならない。現代社会が抱える介護の問題などもおりまぜ、最初から最後まで読み手を飽きさせない。読みごたえがあるとても面白い作品だった。



| 乃南 アサ | 20:46 | comments(0) | ゆこりん |