ダブル・プロット(岡嶋二人)
2011.10.20 Thursday
新聞に載った若い女性の心中事件。それを題材に小説を書いてくれと、出版社から依頼がくる。それも2社!複数の作家の競作というのもまったく同じだった。いったいなぜこんなあり得ないことが起こったのか?そこに隠された真実とは・・・。表題作「ダブル・プロット」を含む9編を収録。
文庫本500ページ弱のボリュームだが、あっという間に読んでしまった。よく練られたストーリー、そして巧みな展開は、読者を充分に満足させてくれる。表題作もなかなかよかったが、「遅れてきた年賀状」も面白かった。なぜ年賀状が遅れて配達されたのか?意外な展開、思いもよらぬ真実に、ぐいぐい引き込まれていった。読後感もよかった。また、「密室の抜け穴」もよく考えられた話だと思う。なかなか凝った作りになっている。「裏の裏をかく。」そういう考えが徹底している話だと思った。9編どれもが、個性あふれる興味深い話だった。惜しげもなくいろいろなアイディアを詰め込んだという感じの、楽しめる作品だと思う。
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