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クール・キャンデー(若竹七海)

渚の兄・良輔の妻が、ストーカーを苦にして自殺を図った。一命は取りとめたと思った矢先、容態が急変して亡くなってしまう。時を同じくして、ストーカーだった男も謎の死を遂げる。警察は、ストーカーだった男を殺したのは良輔ではないかと疑い始めたのだが・・・。

兄・良輔の無実を晴らすべく、渚は行動を開始する。ストーカーだった男を殺したのはいったい誰なのか?徐々に明らかになる真実には、「そういうことだったのか!」と驚かされた。けれど、本当の驚きは、最後の最後に用意されていた。ラスト1行は、全く予想外だった。
軽いタッチで書かれていてさらさら読めるミステリー作品だと思っていたが、実は、巧みなストーリー展開で伏線もあり、実に濃厚な作品だった。
それにしても・・・。人は、心の中で何を考えているのか分からない怖い生き物なのだと、あらためて感じた。決して、見かけだけで判断してはいけないのだ。



| ”わ” | 22:48 | comments(0) | ゆこりん |


依頼人は死んだ(若竹七海)

婚約者の突然の自殺の謎は?健診も受けていないのにガンの通知が!?職場の上司を刺した女性の動機は?女探偵・葉村晶のもとには、さまざまな奇妙な依頼が持ち込まれる。ちょっと変わった9編のミステリーを収録。葉村晶シリーズ2。

9編どれもが読んでいて「奇妙だ。」と感じる話だった。ひと味、いやふた味も三味も違う、今までに読んだことのない味わいの作品だ。ミステリーの謎解き話というより、人間の心の中に潜む悪意をとらえ、たくみに描いた作品だと思う。作者の独特の描写は、時には読み手をぞくっとさせる不思議な魔力を持っている。
読みづらくはないが、読みやすくもない。何度もページを行ったり来たりしながら読んだ話もあった。読後にも、決していいとは言えない妙な余韻が残る。好き嫌いがはっきり分かれる作品ではないだろうか。



| ”わ” | 20:41 | comments(0) | ゆこりん |


村上海賊の娘(和田竜)

織田信長との対立を深める大阪本願寺。籠城策で対抗しようとするが、信長は本願寺へ運ばれる兵糧を断ち切ろうとする。本願寺から支援要請を受けた毛利は村上海賊に頼ろうとするが・・・。

能島村上の娘・景は醜女と言われていた。けれど、それはあくまでも当時の基準で、現代の基準からすれば相当の”美女”であったと思われる。その景が、男に負けず劣らずの、いや、並みの男以上の働きをする。毛利対織田。村上海賊の意地と存亡を賭けた死闘は、まさに手に汗握るものだった。切られた首が飛ぶ、手首が飛ぶ・・・。そしてあたり一面の血しぶき!かなり凄惨な戦闘シーンにも関わらず、その描写は読んでいて爽快さを感じるほどだった。読み手をスカッとさせる。どうしてそういうふうに感じるのだろうと思ったが、これは現実感の無さから来ているのではないだろうか。アニメや漫画の世界の中の話のようだ。
そうは言っても、下巻の戦闘シーンは圧巻だった。戦闘描写が長すぎるとも思うが、読んでいるとそのシーンが鮮やかに浮かび上がってきてワクワクした。ラストも無難にまとめられていると思う。完璧に娯楽に徹した作品だった。けれど、読後の感想が「面白かった。」だけになってしまうのは何だか物足りない。そこから何か得られるものがあれば感動できたのだが・・・。



| ”わ” | 19:07 | comments(2) | ゆこりん |


死化粧(渡辺淳一)

母の死は避けられないものだった。だが、自分以外の家族全てが母の回復を信じている。自分と他の家族たちとの心の隔たりを感じながら母の命の終わりを見つめたとき、胸に去来したものは・・・。表題作「死化粧」を含む5編を収録。

渡辺淳一の描く医学的ヒューマンドラマが昔から好きだった。けれど、この作品に収められている5編どれもが、読んでいて何とも言えないいやな気持ちになってくるような話だった。人それぞれにいろいろな人生がある。そして、人それぞれにいろいろな人生の終わり方がある。それを充分わかっていても、読んでいて受け入れられない部分が出てくる。「こんな描き方をしなくても・・・。」何度もそう思った。特に「少女の死ぬ時」の話には、不快感さえ感じた。後味の悪さだけが残る作品だった。



| ”わ” | 16:34 | comments(0) | ゆこりん |


インストール(綿矢りさ)

パソコンを捨てた、登校拒否の女子高生。それを拾って直した、小学生の男の子。二人が始めたアルバイトは、チャットでHな会話をすることだった。

「人と会いたくない。一人きりでいたい。」と思ったことが誰にでもあるのではないだろうか?朝子も、そう思った一人なのだ。「チャット」は確かに楽しい。見えない相手と気楽なおしゃべりが出来る。しかしその反面、むなしさも感じてしまう。朝子は生身の人間との出会い、会話の大切さを改めて知る。そしてかずよしも、義理の母との関係をいいものにするために努力していくのだろう。人の心はインストールし直す事が出来ない。だからこそ、大切にしなくてはならないのだ。



| ”わ” | 15:51 | comments(0) | ゆこりん |


蹴りたい背中(綿矢りさ)

理科の実験。グループ編成から余ってしまった私は、やはり余り者となった一人の男の子、にな川と同じグループになる。あることがきっかけで、二人は話をするようになるが・・・。高校生の気持ちを同世代の目から描いた、芥川賞受賞作品。

忘れていた。自分が高校生の頃のことを。あの時、何を見つめ、何を思っていたのか。「今どきの高校生」と人は言うけれど、あこがれるもの、悩むものに、今も昔もたいした違いはないのかもしれない。そこには、一歩踏み出せずにいる自分がいる。背中を蹴りたいのか、蹴られたいのか?どちらにしても前へ進める。そんな気がした。



| ”わ” | 15:48 | comments(0) | ゆこりん |


麻酔(渡辺淳一)

手術が終わったのに麻酔から醒めない!手術室で何が起こったのか?突然の不幸に、その夫や子供たちはただ戸惑うばかりだった。医療事故、家族の絆を問う問題作。

1時間ほどで終わる予定の子宮筋腫の手術。だが医療ミスがあり、目覚めないまま植物状態に陥ってしまう。これは架空の話だが、似たようなことは実際に起こっている。ちょっとした不注意が思わぬ事故、それも人の生死にかかわる事故を引き起こす。慣れから生じる油断。それは人間誰しもあることだと思う。だが、命を扱う職業の者には、決して許されることではない。突然愛する者を奪われた家族は、果たして何をすべきか?何ができるのか?いろいろ考えさせられた。医療事故、できればそんなことが起こらないよう祈りたい。



| ”わ” | 16:18 | comments(0) | ゆこりん |


雲の階段(渡辺淳一)

「偽医者」であることを隠し医療に励む男。しかし、彼がのぼっていく階段は、いつ地上に落ちてしまうかわからない、危うい「雲の階段」でした・・・。

うそにうそを重ね、男が最後にたどりつくのはどこなのだろうと先が気になる作品でした。うそをつくことがいけないということは知っているけれど、作品を読んでいくうちに、主人公に同情心がわいてきました。一気に読める作品でした。



| ”わ” | 23:35 | comments(0) | ゆこりん |