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不死鳥少年(石田衣良)

アメリカ人の父と日本人の母を持つ少年タケシ。
父と父親似の姉はアメリカに、見た目が日本人のタケシと母は日本へ。戦争は家族を引き裂いた。そして、1945年3月10日、東京大空襲が!タケシの、大切な家族を守りたいと思う気持ちがある奇跡を起こした・・・。

茶色い目以外は髪が黒いので日本人のようだった。だが、その茶色い目のために、タケシはいじめに遭う。「クラスメイトと何とか心を通わせたい。」そのタケシの願いがようやく叶ったかに見えた時、残酷な運命が待ち受けていた。東京大空襲だ。雨のように降り注ぐ焼夷弾のため、タケシの住む本所地区は、住民の半数が亡くなり、九割を超える家屋が焼失した。いつ死んでもおかしくない状況の中、タケシの家族は誰一人欠けることなく難を逃れた。それは、家族を救いたいと思うタケシの強い願いが起こした奇跡だった。「よかった!」読んでいてそう思ったのだが・・・。読後は切なさが残った。
「東京大空襲を記録として残したい。」そういう作者の思いがしっかりと伝わってくる。平和の大切さを改めて感じた。読み応えがあり、心に強く残る作品だった。

| 石田 衣良 | 21:43 | comments(0) | ゆこりん |


キング誕生(石田衣良)

戦国状態だった池袋がひとつにまとまり安藤崇がキングになるまでには、さまざまなできごとがあった・・・。タカシとマコトの高校時代を描いた、池袋ウエストゲートパーク青春篇。

タカシとマコトの高校時代のできごと、タカシのたったひとりの兄・タケルを襲った悲劇などが描かれている。なぜタカシがキングになったのかが分かる作品だ。
ただ、他の方も書評で書かれているように、時代背景に疑問を感じる。後から過去の話を作ると、どうしても矛盾が生じる。それがとても気になった。内容も取ってつけたようなストーリー展開で現実味に乏しく、共感を持って読むことができなかった。
厳しい言い方をすれば、この本は別に無くてもよかったと思う。シリーズの中でなぜタカシがキングになったのかが少しずつ分っていくだけで充分だという気がする。期待していたほどの面白さではなく、残念だった。



| 石田 衣良 | 21:45 | comments(0) | ゆこりん |


七つの試練(石田衣良)

SNSで出された課題をクリアして「いいね」をもらう。課題は七つ。だが、七番目の課題は命をかける課題だった!「デスゲーム”七つの試練”の管理人は誰だ?」タカシとマコトの追跡が始まった・・・。
表題作を含む4編を収録。IWGP(池袋ウエストゲートパーク)シリーズ14。

「いいね」をもらうためには自分の命をかけるのか?やさしい課題からしだいに困難な課題に。参加する若者は、まるで暗示をかけられたみたいに課題をクリアすることにのめり込む。ゲームの管理人は、ゲームの参加者がどうなろうと・・・死のうが生きようが、いっこうにかまわない。マコトとタカシは、そんな管理人をあぶり出そうとある計画を立てた。はたしてそれはうまくいくのか?タイムリミットが迫る中での攻防は読みごたえがあった。
他の、スキャンダルのために全てを失おうとしている若手俳優(なんと!タカシの友人!)の話「」泥だらけの星」、出会いカフェを舞台にしたあるトラブルの話「鏡のむこうのストラングラー」、マコトの中学時代の同級生が住むマンションの怪音の正体を暴く「幽霊ペントハウス」の3編も、まあまあ面白かった。
マンネリ化という声もあるが、私個人としてはこのシリーズが続くことを願っている。次回作も期待したい。



| 石田 衣良 | 22:30 | comments(0) | ゆこりん |


裏切りのホワイトカード(石田衣良)

渡された白いカードでコンビニのATMを操作する。たったそれだけで、報酬は10万円!だが、うまい話には裏があった。Gボーイズや池袋の治安を守るため、タカシとマコトは奔走する。表題作を含む4編を収録。
IWGP(池袋ウエストゲートパーク)シリーズ13。

表題作のほかに、継父に虐待されている少年を実の父親やマコトたちが助けようとする「滝野川炎上ドライバー」、悪い男に違法薬物を飲まされている母を救おうとする娘とそれに手を貸すマコトたちを描いた「上池袋ドラッグマザー」、普通の人には見えないものが見える霊感の強い少女が巻き込まれたトラブルを描いた「東池袋スピリチュアル」が収められている。
世の中、人の弱みにつけ込んだり、弱い者を攻撃したりする人間は大勢いる。、だましたりだまされたり。裏切ったり裏切られたり。そんなことも珍しくはない。タカシもマコトも、困っている人間や不幸な人間には迷わず手を差し伸べる。どんなことをしても、トラブルを解決しようとする。その解決方法は、読んでいて爽快だ。時代は移り変わり、タカシやマコトも年齢を重ねていく。だが、状況が変わっても、これからもこのシリーズを読んでいきたいと思っている。



| 石田 衣良 | 21:14 | comments(0) | ゆこりん |


西一番街ブラックバイト(石田衣良)

池袋の雑居ビル。その最上階の8階から屋上に通じる外階段から、若い男が飛び降り自殺を図った。彼は、急成長しているOKカレーという飲食チェーン店の従業員だった。無能呼ばわりされ、退職を強要されていた。だが、この企業は、サービス残業、賃金未払い、長時間労働などが問題になっているブラック企業だった・・・。表題作「西一番街ブラックバイト」を含む4編を収録。IWGP(池袋ウエストゲートパーク)シリーズ12。

ブラック企業問題は、現実にも同じようなことがあったので読んでいて胸が痛かった。残念だが、この問題は完全には無くならないと思う。でも、いつかは無くなってほしいと切に願う。
「ユーチューバー@芸術劇場」は、時代の世相を色濃く反映している。再生回数を増やすためにはなんでもやる・・・にはならない。物事には限度というものがある。限度を超えたときに自分の身に降りかかる災難にどう対処すべきか、そのことも充分に考えて行動したほうがよさそうだ。
どの話も興味深く読んだ。時代の流れの中、タカシとマコトはこれからどう生きていくのか?どこへ行こうとしているのか?このシリーズから目が離せない。



| 石田 衣良 | 21:23 | comments(0) | ゆこりん |


憎悪のパレード(石田衣良)

メガホンからの叫び声。「中国人は池袋から出ていけ!」
今回のマコトの仕事は、どういうわけかそんなヘイトスピーチを行うデモの護衛だった。だが、そのヘイトスピーチの裏には、ある恐るべき企みが潜んでいた・・・。IWGPシリーズ11。

果物屋であり、ライターであり、トラブルシューターであるマコトは、Gボーイズのキング・タカシとともに、池袋の街のトラブルを解決していく。今回も、さまざまなトラブルがマコトに持ち込まれる。ヘイトスピーチ、脱法ドラッグ、パチンコ屋のゴト師問題、ノマドワーカーの災難・・・。今の世相を色濃く反映している話もある。これらさまざまなトラブルをマコトたちはどう解決していくのか?いつもながら、その解決方法は読んでいて楽しいし、ワクワクしてくる。中には、「そこまでやるか!」と思うようなものもあるが。
久しぶりにこのシリーズを読むことができてよかった。これからのGボーイズの活躍にも期待したい。



| 石田 衣良 | 21:45 | comments(0) | ゆこりん |


PRIDE(石田衣良)



マコトを訪ねてきたリンが語る暴行事件の話は衝撃的だった。事件から立ち直り、強く生きていく決心をしたリンに惹かれていくマコト・・・。だが、再び魔の手がリンに迫る!マコトはリンを救えるのか?表題作「PRIDE」を含む4編を収録。IWGP(池袋ウエストゲートパーク)シリーズ10。

プライドって、なんだろう?
マコトがそうつぶやいているが、私も同じ疑問を持った。それは、その人自身が何ものにもつぶされることなく輝き、そして生き続けるエネルギーの源なのか?「PRIDE」に出てくるリンの持つプライドは、まさにそういうものだ。どんなにつらいことがあっても、立ち上がり歩き出す。彼女の強さを支えているのがプライドなのだ。そんな彼女に、マコトは好意を抱く。二人のこれからがとても気になる。そのほかの3編、データを盗まれたエリートの男を描く「データBOXの蜘蛛」、弟にケガを負わせた犯人を探す姉を描いた「鬼子母神ランダウン」、30歳を過ぎてもなおアイドルでい続けようとする女性を描いた「北口アイドル・アンダーグラウンド」もよかった。特に「鬼子母神ランダウン」では、タカシの意外な一面を知ることができ興味深かった。マコトやタカシは、このシリーズの中で確実に年を重ねている。彼らの今後がどうなるのか・・・。次回作を楽しみに待ちたい。



| 石田 衣良 | 15:49 | comments(0) | ゆこりん |


5年3組リョウタ組(石田衣良)

中道良太、25歳、5年3組担任。この若き、情熱あふれる教師と生徒たちの触れ合いや、学校生活の中で起こるさまざまな問題を描いた作品。

「情熱のかたまり」そんな言葉がぴったりの中道良太。考えるよりまず行動してしまうタイプだで、まわりの人たちをヒヤッとさせる時もある。だが、どんな困難が待ち受けようと、それを乗り越えていく強さを持っている。彼の純粋な思いは、生徒たちの心にストレートに伝わっていく。実際にこんな先生がいたら、学校生活はきっと楽しいに違いない。テストの結果や受験に振り回される今の子どもたちは、本当にかわいそうだ。学校は勉強をするだけの場所ではない。友情を育んだり、いろいろ楽しいことを経験をする場所でもある。そう思うのはもう時代遅れなのだろうか・・・。そう考えるとちょっと悲しい気持ちになった。



| 石田 衣良 | 17:41 | comments(0) | ゆこりん |


ドラゴン・ティアーズ(石田衣良)

ひとりの少女の失踪が、250人の研修生の強制国外退去という最悪の事態を招くかもしれない。タイムリミットは1週間。少女の捜索に乗り出したマコトだが、中国の貧しい農民の衝撃的な実態を知ることになる・・・。表題作「ドラゴン・ティアーズ」を含む4編を収録。IWGPシリーズ9。

貧しい者、弱い者はいつだって虐げられている。中には、底辺からはい上がることなんて不可能だとあきらめてしまった者さえいる。この作品に登場するそんな人たちに救いの手を差しのべるマコトやGボーイズのメンバーたち・・・。
懸命に生きている女性を食いものにするヤツ、ホームレスたちの弱みに付け込み自分の利益を貪ろうとするヤツ、中国から働きに来た貧しい者たちを利用しようとするヤツ・・・などなど。そんな悪いヤツに制裁を加えるマコトたちは、まさに「池袋の正義の味方」だ。読んでいてやりきれない思いを味わう描写もあるけれど、どこかで救いがあることに安堵する。その一方で、マコトの母の行動力にはとても驚かされた。さすが!マコトの母!!
今回も期待通りの面白さだった。次回作を期待したい。



| 石田 衣良 | 17:13 | comments(0) | ゆこりん |


再生(石田衣良)

妻梨枝子を突然喪ってから2年。康彦は、6歳になる息子耕太と2人で生きてきた。そんなある日、梨枝子の友人だった谷内果歩から連絡が入る。彼女は、梨枝子のメッセージを意外な形で伝えようとする・・・。表題作を含む12編を収録。

「特別なことなど望んでいない。いつもの日常生活を送り、いつものささやかな幸せをかみしめることができればそれでいい。」
そう望んでも、それさえかなわぬことがある。哀しみ、絶望、虚無、喪失感・・・。次々と心を襲うそれらに対しなすすべがなくなったとき、人はいったいどうなってしまうのか?闇の底でひざを抱えうずくまるしかないのか・・・。
作者はそんな人たちに、やわらかでおだやかなまなざしを向ける。ほんのわずかな希望が闇の中でひと筋の光となったとき、彼らは再生の道を歩み始める。その過程は、読み手の心にしっとりとしみてくる。静かな感動をもたらしてくれる作品だった。



| 石田 衣良 | 16:17 | comments(0) | ゆこりん |