守教(帚木蓬生)
2019.03.21 Thursday
厳しい日々の暮らし。百姓たちは、心のよりどころを求めキリシタンになった。だが、戦国時代には布教に熱心だった権力者たちも、時代が移り変わるにつれしだいに考えを変えていく。そしてついに、禁教令が!史実をもとにした、命を賭けてキリスト教を信じ続けた人々の記録。
戦国時代に伝来したキリスト教は、またたく間に日本に広まっていく。その教えに共感したのは一般民衆だけではない。時の権力者も大勢いた。
「自分たちの存在を認めてくれる教え。」
それは、九州にある村々の人たちにも生きる力を与えた。日々の暮らしの生きがいとなった。だが、時代は変わり、キリスト教徒に対する厳しい弾圧が始まった。棄教を迫る激しい拷問。転ぶ者、殉教する者・・・。人々の間に動揺が走る。けれど、彼らは信仰心を捨てなかった。ひそかに信仰は守られた。禁教令が出されてから開国まで、それは延々と続ていった。
「自分たちの信念を貫きとおす!どんな迫害にも負けない!」
信仰とはこれほど人に勇気と力を与えるものなのか!読んでいて胸が熱くなる。
重みのある話で感動的な場面もあったが、淡々と述べられる状況説明のような描写も多くて、とても読みづらかった。面白いという話ではないけれど、こういう歴史があったのだということを、多くの人に知ってもらいたいと思う。
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