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検察側の罪人(雫井脩介)

 

蒲田の老夫婦殺害事件の容疑者として浮かんだのは、すでに時効になってしまった事件の重要参考人の男だった・・・。
その男、松倉の名前を見た最上検事は、今回の事件の犯人として松倉を追い詰めていく。だが、最上の強引なやり方は、最上を慕う若手検事・沖野に疑念を抱かせることになるのだが・・・。

「時効という壁に阻まれ、女子中学生殺人事件の犯人だと分かった松倉を裁くことができない!」
最上の歯車は、そこから狂い始める。最上は、松倉をある事件の犯人に仕立て上げようとする。そして、罪を償わせようとする。そのためには手段を選ばない。最上を慕う沖野も、しだいに最上に疑惑の目を向けるようになる。これは正義か?それとも私怨か?暴走する最上を誰も止められない。
読みごたえはあるが、最上が自分を犠牲にしてまで松倉を追い詰めようとする動機が弱いと思う。最上と殺された女子中学生の間には、それほど強いきずながあったとは思えない。松倉を犯人に仕立て上げる方法にも疑問が残る。そんな方法で、松倉が犯人だとみんな思うだろうか?設定に無理があるような気がする。
テーマはよかったが、どこか物足りない感じがする作品だった。読後も、もやもやしたものが残った。



| 雫井 脩介 | 20:17 | comments(0) | ゆこりん |


ビター・ブラッド(雫井脩介)

男の転落死体が発見された!新人刑事佐原夏輝は、遺体となった男に見覚えがあった。この事件の捜査をするためにコンビを組む相手は、何と!幼いころに別れた父親の島尾明村だった!そして、事件は意外な方向へと向かって行く・・・。

幼いころに父と別れ、そのうえ母も失踪してしまった。夏輝は、母方の祖父母に育てられる。父の影響があったのかどうかは分からないが、夏輝は父と同じ刑事になった。そして事件の捜査で父とコンビを組むことになる。事件の全貌が見えない中、事態は捜査一課の係長が殺害されるという最悪の状況に・・・。
陰湿な事件と島尾明村の軽いキャラ、このふたつは読んでいてどうもしっくりこない気がした。明村のキャラがともすれば暗くなりがちな作品の雰囲気を救う役割をしていると考えれば納得できないこともないが、「ここまでやるか!?」と突っ込みを入れたくなる。
ミステリーの内容自体はそれほど興味深いものではなかったが、明村と夏輝の親子関係には惹かれるものがあった。このふたり、これからいったいどうなるのか?また、夏輝の母親の失踪には何か謎があるのか?事件は解決したが、その部分がとても気になり疑問も残る。さまざまな批評はあるが、まあそれなりに楽しめる作品だと思う。



| 雫井 脩介 | 20:54 | comments(0) | ゆこりん |


つばさものがたり(雫井脩介)

「残された時間で何ができる?」
君川小麦が願ったのは、自分のケーキ屋を持つことだった。家族は心をひとつにし、小麦の願いをかなえるため動き始める。小麦の甥の叶夢にしか見えない「天使」も、小麦を見守り続けるのだが・・・。

店を持ちたいと願う小麦に、母や兄夫婦が手を差しのべる。小麦の悲壮な決意の裏側にある事情を知らない兄嫁の道恵は、厳しすぎる小麦の態度に最初は反発を感じる・・・。誰にも事情を打ち明けず、ひとり悩み苦しむ小麦の姿が痛々しかった。天使が登場するという現実にはありえない設定だが、天使の存在がこの作品をファンタジー的なものにして、あまり暗さを感じないのがよかった。また、家族愛がほのぼのと感じられ、読んでいて心が温まる。「人生、大切なのは長く生きることではない。どれだけ充実した時を過ごすかだ。」そのことをあらためて強く感じた。



| 雫井 脩介 | 19:36 | comments(0) | ゆこりん |


クローズド・ノート(雫井脩介)

引越し先で見つけた1冊のノート。そこに綴られていたのは、ノートの持ち主真野伊吹の心だった・・・。読み進めるうちに伊吹の心に共感した香恵は、伊吹に会ってみようと決心する。

会ったことも話したこともない女性真野伊吹。香恵は、ノートを通して伊吹の心に触れていく。その過程が読んでいてとても心地よかった。伊吹の思いはやがて香恵の心に変化をもたらす。綴られた言葉が人の心の琴線に触れ、そしてその人の人生感をも変えていく。つながる伊吹の思いと香恵の思い・・・。震えるような感動と、泣きたくなるような切なさがこの作品にはぎっしりと詰まっていた。そして、本の後書きにも、もう一つの感動が!!哀しいけれど、心温まる作品だった。最後に余談だけれど・・・。私は万年筆愛用者♪小学生のときに初めて買ってもらったのをきっかけに、もう30年以上使い続けている。大好きな万年筆の話がたくさん出てきて、読んでいてうれしくなってしまった(*^▽^*) これからも使い続けていこう♪



| 雫井 脩介 | 14:51 | comments(0) | ゆこりん |


犯人に告ぐ(雫井脩介)

連続児童殺人事件。犯人に結びつく手がかりが得られぬままむなしく時が過ぎ、犠牲者の数だけが増えていった。犯人逮捕のために、警察は前代未聞の方法を思いつく。テレビを通しての、警察と犯人の接触。はたして、手がかりは得られるのか?

警察という官僚組織の中にある利害関係、名誉欲。ただ単に犯人逮捕のために動くのではないところに、巻島のいらだちや苦悩があった。過去の苦い経験。それを引きずりながら犯人逮捕に執念を燃やす巻島。テレビという怪物的なメディアの象徴を利用するのも、綱渡りに等しい。どういう結果が出るのかは、誰にも分からない。いったいどういうふうに犯人にたどりつくことができるのか?最後まで目が離せなかった。ただ、犯人逮捕に関しては、「えっ!こんなことで犯人が分かってしまうの?」という思いがあった。そこに至るまでの過程がすごかっただけに、ちょっとあっけない感じだった。



| 雫井 脩介 | 15:28 | comments(0) | ゆこりん |


火の粉(雫井脩介)

かつて裁判で、勲が無罪の判決を言い渡した男。その男が隣に引っ越してきた。故意か偶然か?親切そうに見えた男だが、やがておかしなことが起こり始める・・・。

判決を言い渡した勲、その妻尋江、息子の妻雪見と、次々に視点が変わる。視点が変わる作品は他にもあるが、読んでいてどうも物足りない感じがした。老人の介護問題、夫婦間の問題、子供の問題、嫁姑の問題など、今の社会にあるさまざまな問題を取り入れてそれなりに面白いのだが。越してきた男武内の人間性も、もう少し掘り下げたものがほしかったと思う。武内がなぜ犯行に及んだのか、説得力に欠ける気がする。だが、動機が無くても殺人が数多く起こる世の中だ。武内のような犯罪を起こす人間がいてもおかしくはないのかもしれない。ラストは、やはりそうなってしまったか!という思いだった。意外性はないが、納得できる気がした。



| 雫井 脩介 | 11:02 | comments(0) | ゆこりん |