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虚栄の肖像(北森鴻)

佐月恭壱が引き受けた絵画修復の報酬は、古備前の銘品中の銘品の甕だった。「絵画修復の報酬にしては額が大きすぎる。」恭壱は違和感を覚える。実は、この裏には巧妙な罠が潜んでいた・・・。表題作「虚栄の肖像」を含む3編を収録。「深淵のガランス」に続く、佐月恭壱シリーズ2作目。

今回も、絵画修復という未知の世界を垣間見ることができ、とても興味深かった。その難しさ、繊細さには驚かされる。また、この作品を支えている作者の知識量の多さにも、ただただ驚くばかりだ。絵画修復に関わる謎も、本当によく考えられていると思う。さまざまな要素がほどよく混ざり合い、この作品を味わいのあるものにしている。表題作「虚栄の肖像」に出てくる古備前の甕や、ピカソの絵に仕掛けられた罠などは、読んでいて本当に面白かった。シリーズが進むにつれてさらに見えてくるであろう佐月恭壱の人間像、そして、彼や彼と関わりのある人たちの今後など、このシリーズに期待するものがたくさんあった。作者の急逝で断ち切られてしまったのは、本当に残念だ。早すぎる死が惜しまれてならない。



| 北森 鴻 | 19:56 | comments(0) | ゆこりん |


深淵のガランス(北森鴻)

花師・佐月恭壱には、もうひとつの顔があった。それは、絵画修復師の顔だった。彼は、大正末期から昭和の初めにかけて活躍した長谷川宗司の絵画の修復を、孫娘から依頼される。だが、この絵画には別の絵画が隠されていた。長谷川宗司はなぜ絵画を隠したのか?佐月は、その謎に迫っていく・・・。表題作「深淵のガランス」を含む3編を収録。

3編のうち一番印象に残ったのは「深淵のガランス」だ。絵画に隠された謎解きも面白いが、私にとって未知の世界である絵画についての描写も面白い。佐月恭壱が対峙する絵画・・・。緻密な描写は、読み手の頭の中に鮮やかな色彩を浮かび上がらせる。そして、息詰まるような修復の場面。隠された絵画を、佐月はどう処理するのか?絵画が隠された理由もなかなか面白かったし、ラストも感動的だった。そのほかの2編もよかった。
佐月にはまだまだ謎が多い。一体どんな過去を持つのか?魅力的な人物だけに、かなり興味をそそられる。これからの展開が楽しみだ。



| 北森 鴻 | 19:54 | comments(0) | ゆこりん |


香菜里屋を知っていますか(北森鴻)

工藤はいったいどこへ行くのか?店の名前「香菜里屋」に込められた思いとは?「香菜里屋シリーズ」完結編。

このシリーズもこれで終わりかと思うと、読んでしまうのがとてももったいなく感じた。「香菜里屋」の雰囲気、素敵な料理、そして工藤の謎解き、どれもがいつもと同じで心地よい。こんなお店が実際にあったならと、今回も読んでいて何度も思ってしまった。この作品では、前回までのシリーズに登場した人たちも再び登場して、完結編にふさわしい構成になっている。ただ、工藤が独立したきっかけ、「香菜里屋」の店の名前の由来、工藤の秘密など、ずっと知りたくてうずうずしていたものが意外にあっさりだったので、拍子抜けだった。もっと余韻が残る展開を期待していたのだが。ともあれ、工藤がまたどこかで「香菜里屋」を開いてくれたなら、こんなにうれしいことはない。そのことを期待したい。



| 北森 鴻 | 14:13 | comments(0) | ゆこりん |


螢坂(北森鴻)

「今、歩いてきた坂道ね、螢坂と呼ばれているのよ」
そう言って微笑んでいた人は戻らない・・・。全てを捨て、己の道を突き進んだ男に突きつけられた真実とは?表題作を含む5編を収録。

「香菜里屋シリーズ」の3作目だが、この作品もしっとりとした味わいがある。一番印象深かったのは、5番目の「孤拳」だった。逝ってしまった大切な人との思い出を胸に抱きながら、幻の焼酎「孤拳」を捜す真澄。やがて知る大切な人「修兄ィ」の心に隠された真実の思い。そして「孤拳」に込められた願い・・・。読んでいてとても切なかった。ほかの作品も、人それぞれの心のひだに隠された思いがとてもよく表現されていたと思う。相変わらず香菜里屋の料理も魅力的だった。気になるのは、香菜里屋のマスターの工藤の秘密だ。「香菜里屋」の店の名前の由来は?工藤の思いとは?4作目を読むのが楽しみだ♪



| 北森 鴻 | 15:05 | comments(0) | ゆこりん |


桜宵(北森鴻)

「三軒茶屋の香菜里屋という店を訪ねてください。」
1年前に病没した妻の手紙を見つけた夫は、香菜里屋を訪れた。そこで出されたのは薄緑色の桜飯。夫は初めて妻の思いを知ることになる・・・。表題作を含む5編を収録。

どの話もしっとりとした味わいがある。一番印象に残ったのは表題作の「桜宵」だ。口に出せない妻の夫への思いに切なさを感じた。妻の死後に初めてその思いを知った夫の心情も細やかに描かれていて、よかった。
香菜里屋は魅力的なお店だ。マスター工藤の、でしゃばり過ぎない控えめな人柄にも好感が持てる。謎解きの面白さ、そして独創的な数々の料理。読んでいて、同時に二つを味わえる。「本当にこんなお店があったなら!」と、思わずにはいられない。



| 北森 鴻 | 16:30 | comments(0) | ゆこりん |


花の下にて春死なむ(北森鴻)

句会の仲間であった片岡草魚がアパートでひっそりと死んだ。誰も彼の素性を知らなかった。かつて一度だけ彼と一緒に過ごしたことのある七緒は、草魚のことを調べようとするが・・・。また、草魚の遺した句には、ある事件の真相が隠されていた。表題作を含む6編を収録。

この作品は連作ミステリーになっている。「香菜里屋」という店を訪れる客。その客たちにまつわる話や、客たちが話題にするできごとから、店主の工藤が独特の感性で謎を解いていく。印象に残ったのは表題作の「花の下にて春死なむ」だ。一人の男の人生の悲哀さを感じさせる。また、その男に思いを寄せていた一人の女性の心情にもほろりとさせられるものがあった。ただ、全体的にストーリーにもう少し工夫がほしかった。謎が分かっても「なるほど!」とは思えなかった。工藤が作る料理の描写がすばらしくて、食べてみたいとは思ったのだが・・・。



| 北森 鴻 | 20:33 | comments(0) | ゆこりん |