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長流の畔(宮本輝)

1964(昭和39)年、東京オリンピックが開催された年、松坂熊吾は66歳になっていた。大阪中古車センターのオープンなどに情熱を傾けるが、会社の危機、家庭不和、愛人の問題と、悩みは尽きない。熊吾の人生の歯車が狂い始めたのか?「流転の海」第8部。

体力や精神力の衰えを自覚する年になってもなお、熊吾はつねに前進する姿勢を貫いた。大阪中古車センターのオープンは、熊吾の努力のたまものだった。だが、会社も家庭もだんだんとうまくいかなくなる。松坂板金塗装がこうなるとは・・・。言葉がない。今までのあの勢いはどうしたのか?熊吾も老いたのだと思わずにはいられない。だが、そんな熊吾には、若い愛人がいる。なぜそんなことになってしまうのか。切れたはずではなかったのか。房江や伸仁のことを考えれば、やっていいことか悪いことか分かりそうなものだ。会社ばかりではなく、家庭もうまくいかなくなるのは当たり前だ。房江の今後は?伸仁の将来は?そして熊吾はさまざまな困難をどう乗り切るのか?
この第8部は、読むのにとても時間がかかった。面白いことは面白いのだが、読んでいてつらい内容が多く、スラスラと読み進めることができなかったのだ。松坂家はいったいどうなるのか・・・?次作・第9部で完結とのことだが、とても待ち遠しい。



| 宮本 輝 | 23:52 | comments(0) | ゆこりん |


田園発 港行き自転車(宮本輝)

15年前、九州に出張に行ったはずの父が富山で亡くなった。病死だった。「なぜ父は家族に内緒で富山に行ったのか?」その問いの答えを捜すために、真帆は富山へと向かった。

愛したり愛されたりしながら人は生きていく。だが、時にその愛は、他の者を傷つけることもある。真帆の父の行動は決して肯定できない。そのことが家族を不幸な気持ちにさせたからだ。けれど、一方で他の人たちに幸せを与えたことも確かである。生と死。幸福と不幸。表裏一体であるそれらについて、作者は実に細やかに描いている。おだやかに、ただおだやかに時は流れる。そして、さまざまな人生を送っている人たちは、ある一点に収束していく。その過程は、読み手の心にほんのりとした温もりを与えてくれる。未来に明るさを期待できるラストも、とても印象的だった。物足りなさを感じる部分はあったが、まあまあ面白い作品だと思う。



| 宮本 輝 | 15:05 | comments(0) | ゆこりん |


満月の道(宮本輝)

1961年(昭和36年)。東京オリンピックが間近に迫る中、熊吾は中古車販売の仕事を着実に発展させつつあった。伸仁も自分のやりたいことを見つけ、房江もそれなりに自分の生きがいを見つけようとしていた。だが、松坂一家に、気づかぬうちに暗い影が忍び寄っていた・・・。流転の海第7部。

世の中がオリンピック景気で沸く中、熊吾の事業は驚くべき勢いで発展を続ける。日本が車社会へと移り変わる中で、時代の波にうまく乗っていた。だが、いいことばかりが続くわけではない。思わぬ落とし穴が熊吾を待っていた。60年以上生きてきてそれなりに人生経験を積んできた熊吾にも、人の心の闇の部分を見抜けないときがあった。気づいたときは時すでに遅し・・・。熊吾は窮地に陥る。熊吾自身にも落ち度はあった。「家庭も仕事もうまくいっているのになぜ?」と思うが、やはりそれは熊吾の持って生まれたもの故なのか?松坂一家の今後がとても心配だ。また、房江のこれからの人生にいったい何が待ち受けているのか?そのことも気にかかる。流転の海シリーズは第9部で完結とのことだが、はたして完結まで何年かかるのか?待ち遠しくてならない。

人生の悲哀、人の心の闇や弱さ、そういうものが実に巧みに描かれている。読んでいてぐいぐい引き込まれていく、本当に面白い作品だと思う。



| 宮本 輝 | 20:36 | comments(0) | ゆこりん |


慈雨の音(宮本輝)

1959年(昭和34年)、伸仁は中学生になったが体はまだ弱かった。松坂熊吾は駐車場の管理人をしながら、再起の機会をうかがっていた。一方、房江も毎日の生活の中で生きがいを見出そうとしていた。そんな松坂一家に、さまざまな人との別れが・・・。流転の海第6部。

ひ弱で成長するのが危ぶまれた伸仁も中学生になった。子どもだと思っていたが、人の気持ちが分かる少年に成長していた。熊吾や房江のことも、一歩離れて冷静に見ることができるようになっている。一方、熊吾は老いを実感する年になっている。これから自分の人生を歩もうとする息子、人生の終盤に差しかかった父。この対比が鮮やかに描かれている。時代は高度経済成長期。熊吾は念願の中古車販売店開業を果たすが、ここからが勝負だと思う。この先いったいどうなるのか、目が離せない。さまざまな人との別れがさまざまなドラマを生み、この作品をより味わい深いものにしている。時代背景もしっかりと描かれているし、作者の思いが詰まった重厚な作品だ。読みごたえのある、とても面白い作品だと思う。



| 宮本 輝 | 14:21 | comments(0) | ゆこりん |


生きものたちの部屋(宮本輝)

いかにして小説は生み出されるのか?そんな様子や、子供の頃の思い出、家族とのふれあい、趣味のこと、飼っている犬の話など、14編からなるエッセイ集。

子供の頃の思い出、家ができたいきさつ、そこでの生活、家族との関係、日常の何気ないひとコマ、飼っている犬のユニークな面などなど。どれもがとても興味深く、どの話からも人間宮本輝を感じることができる。また、ほのぼのとした感じがあり、読んでいて心地よい作品だ。ラストに、みんなが仲良く集い語らいあった家が阪神大震災で壊滅したことが書かれていて、ちょっとショックだったが・・・。小説を読んでいるだけでは分からない作者の素顔を知ることができる、とても面白い作品だった。



| 宮本 輝 | 15:03 | comments(0) | ゆこりん |


幻の光(宮本輝)

「あの人はなぜ、私をおいて自ら命を絶ったのだろう?」
死んでしまった元の夫に、心の中で語りかけるゆみ子。それは再婚をしてからもやめられなかった・・・。幸せになりたいと思いながらも、過去にとらわれ続ける女性を描いた表題作を含む4編を収録。

この作品の中で一番印象に残ったのは表題作である「幻の光」だ。突然自ら命を絶ってしまった夫。その理由が見つからず、常に、とまどい、寂しさ、そして取り残されてしまったような孤独感を抱えているゆみ子。「なぜ死んだのか?」ではなく「なぜ生きられなかったのか?」、その理由が分かったときは、人としての寂しさや切なさを感じた。逝ってしまう者よりも、残された者の方がつらいときもある。どの話もあまり明るさは感じられない。読後、心に重りを抱え込んでしまったような感じが残った。



| 宮本 輝 | 20:08 | comments(0) | ゆこりん |


花の回廊(宮本輝)

父や母に会いたいと泣いてばかりいたので、富山から大阪に戻ることになった伸仁だが、両親と一緒に暮らすことはまだできなかった。父熊吾の妹タネに預けられた伸仁は、そこでさまざまな人たちと出会う。一方熊吾や房江は、一日も早く家族3人が暮らせるよう努力をするのだが・・・。「流転の海」シリーズ第5部。

待ちに待った第5部。この作品では、熊吾は無一文だ。房江は毎日いやな思いをしながら小料理屋で働いている。熊吾の妹タネに預けられた伸仁は、そこに暮らす人たちの貧しさを肌で感じている。貧しさは同じでも、生きていく方法は人さまざまだ。そういう人たちを見ながら生活する伸仁は、たくましくそして心の優しい少年になっていく。彼の成長を読み続けられるのはとてもうれしい。一方で、熊吾の事業はどうなるのか?伸仁をとり巻く人たちのこれからは?気がかりなこともたくさんある。第5部の終わり方は消化不良という感じだ。この続きを当分読めないのはとても残念だし、体に悪い(笑)。作者に、できるだけ早く第6部を書き上げてくれるように頼みたい。



| 宮本 輝 | 17:08 | comments(0) | ゆこりん |


命の器(宮本輝)

宮本輝。彼は何を見つめ何を考えていたのか?過去の思い出、病気のこと、そして作品が生まれゆく過程など、彼自身の素顔を描いたエッセイ。

このエッセイを読んで改めて感じたことは・・・。それは「流転の海」シリーズがやはり作者の自伝的小説なのだということだ。過去の思い出を語っている部分を読んでいると、自然と「流転の海」を思い出す。また、「優駿」「川」3部作など、ほかの作品が生まれるきっかけになった話もすごく興味深かった。最初から順調ではなかった作家生活。だが、おのれの信念を貫き通した作者の強い意志も垣間見える。前半はかなり面白く読んだが、後半は退屈な内容だった。そこのところがちょっと残念だった。



| 宮本 輝 | 17:39 | comments(0) | ゆこりん |


優駿(宮本輝)

トカイファームで生まれた一頭のサラブレッド。その馬に夢を託す人たちの悲喜こもごも。「オラシオン」と名づけられたその馬は、やがてダービーへ・・。はたして、勝てるのだろうか?競馬を知らない人でも、充分楽しめる作品。

「競馬」。その二文字には、さまざまな人々の苦労が隠されていた。サラブレッドを生み出し育成していくことが、これほど困難なものだとは知らなかった。はるか昔から受け継がれてきた血。だが、花開くのはほんの一握りでしかない。人も馬も厳しい世界で生きている。だからこそ勝利の瞬間は、何ものにもかえがたい。これから競馬を見る目が変わりそうだ。馬と騎手との関係もじっくり見てみたい。



| 宮本 輝 | 16:05 | comments(0) | ゆこりん |


天の夜曲(宮本輝)

大阪で築いたものを全て失った松坂熊吾は、妻房江と息子伸仁を連れ富山へ向かう。しかし、新事業のため熊吾は一人大阪へと戻る。富山での母と子の生活、大阪で一人奔走する熊吾。それぞれの試練の日は続く。

何年もの間待っていた、待望の「流転の海 第4部」は期待を裏切らないものだった。人の心の強さ、弱さ、そして本質。様々な人間の織りなすドラマが、読む者の心をひきつける。この作品の完結までには、さらに長い年月が必要だというが、気長に松坂一家の行く末を見守っていきたいと思う。



| 宮本 輝 | 14:14 | comments(0) | ゆこりん |