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蜩ノ記(葉室麟)

豊後羽根藩の檀野庄三郎は、城中でけんか騒ぎを起こすという不始末を犯した。本来なら切腹となるところだが、格別の計らいにより切腹を免れる。その代わりに与えられた任務は、元郡奉行・戸田秋谷の監視だった。秋谷は7年前に不祥事を起こし、10年後の切腹を命じられた。残された時間はあと3年。だが庄三郎は、秋谷と暮らし始め彼の人柄を深く知るにつれ、疑問を抱くようになる・・・。
「秋谷は本当に切腹しなければならないようなことをしてしまったのか?」

もし、自分の生きる期間を決められてしまったら、人はここまで冷静でいられるだろうか?秋谷への切腹の沙汰は、権力争いの果てに起きた理不尽なものだった。けれど、彼は異を唱えることもなく、ただ静かにおのれの運命として受け入れる。騒げばどうなるのか、彼は知っている。それは、強く凛とした生き方だ。秋谷の命を救おうと真相を探る庄三郎。だが、彼の力には限界がある。時は静かに静かに、さだめに向かって流れていく・・・。
「どう生きるのか?」だけが大切なことではない。「どう命を終えるのか?」も同じくらい大切なことだと思う。それと同時に、死んでしまえばすべてが終わりではなく、そこから新たな未来が始まるのだということも強く感じた。「生と死」を見事に描いた、いつまでも余韻の残る作品だと思う。



| ”は” その他 | 19:42 | comments(0) | ゆこりん |


漆黒の王子(初野晴)

暴力団の組員が次々と謎の死を遂げる。その死に関わっていたのは、ガネーシャと名乗る人物だった。そのガネーシャは、地下の暗渠の中に・・・。そこには、「王子」と呼ばれるひとりの少年と6人のホームレスが生活していた。上の世界と下の世界。それをつなぐものはいったい何か・・・?

悪に満ちた世界。凄まじいいじめに遭いおのれの運命をねじ曲げられた男が、また新たな悪を作り出す。犠牲になった人たちの逃げ込んだ先は、日の光が届かない暗黒の世界だった。ガネーシャは戦った。ひとり、敢然と悪に立ち向かった。そうすることで自分がどうなるのか分かっていたはずなのに・・・。
上の世界と下の世界が交錯する不思議な話だった。奇妙な時の流れはいったい何を意味するのか?漆黒の王子の正体は?最後まで分からないことばかりだが、ひとつ言えるのは、人の悪意は悲劇の連鎖を生むということだ。全てが終わったあと、何が残るのか?それは虚しさでしかない。
内容に深みがあり構成もよかったが、タイトルが「漆黒の王子」なのにその王子のインパクトが弱い。王子の抱える心の闇の部分をもっと描いてもよかったのではないだろうか。また、ホームレスを惹きつける王子の魅力も読み手には伝わってこない。明かされることのない謎もあり、少々不満が残る作品だった。



| ”は” その他 | 17:05 | comments(0) | ゆこりん |


満月(原田康子)

中秋の名月の夜、愛犬セタを連れ散歩に出たまりは、豊平川の川原で奇妙な男に出会う。杉坂小弥太重則と名乗る男は、300年前の江戸時代からタイムスリップしてきた武士だった。まりと小弥太の、不思議な関係が始まる・・・。

昭和50年代の札幌が舞台。その当時は私も札幌に住んでいたので、懐かしい気持ちで読んだ。300年の時を超えやってきた若者の目に、はたして札幌はどう映ったのか?まりやまりの祖母とのふれあいの中、小弥太はしだいに現代の生活になじんでいく。心の中では激しい葛藤や苦悩が渦巻いていただろう。妻子と別れなければならなかった寂しさもあっただろう。だが彼は、武士としての毅然とした態度を崩さない。まりは憎まれ口をききながら、そんな小弥太を温かく見守る。やがて、まりと小弥太との間に芽生える感情・・・。けれど、別れのときは刻一刻と迫る。ふたりがどんなに努力しても、「時間」という乗り越えられない壁があるのは悲しかった。読んでいて切なかったが、ほのぼのとした温もりも感じる作品だった。



| ”は” その他 | 16:10 | comments(0) | ゆこりん |


私が殺した少女(原錙

私立探偵の沢崎は電話で依頼を受け真壁邸を訪問するが、待ち受けていた刑事たちにいきなり誘拐犯として逮捕されてしまう。いやおうなしに誘拐事件に巻き込まれていく沢崎。だが、この誘拐事件には複雑な事情が隠されていた・・・。

この作品では、最後まで犯人の姿は見えてこない。動機もはっきりとはしない。登場人物の中に犯人はいるのか?それぞれの人間の抱える事情の中に、犯行に結びつくものはあるのか?先が気になり、ページをめくる手が止まらなかった。しだいに絞り込まれる容疑者だが、作者は最後に意外な結末を用意していた。ほんのささいなできごとがやがて大きな渦となり、さまざまな人たちを巻き込んでいった。最後に残ったのは、少年の傷ついた心だけか・・・。やや冗長的な部分もあるが、しっかりとした構成と巧みなストーリー展開で、読み応えのある作品に仕上がっていると思う。



| ”は” その他 | 19:59 | comments(0) | ゆこりん |


九つの、物語(橋本紡)

ある日突然、いるはずのない兄が現れた。兄は2年前の兄と全く変わることなく温かく、そしてやさしかった。だが、兄はなぜ現れたのだろう?そこには哀しい真実が隠されていた。

2年前に死んだはずの兄。ゆきなにとってかけがえのない存在だった兄の突然の出現は、恐怖よりも懐かしさでいっぱいだっただろう。以前と同じように会話しながら2人で過ごす時間は、とても貴重なものだったに違いない。だが、兄はなぜ現れたのか?兄の死因やゆきなを思う兄の心の内が分かったときはとても切なかったが、作品全体はほのぼのとした温かさに包まれていて、読後感は悪くなかった。また、収められている9つの物語のタイトルがすべて小説と同じタイトルになっていて、その内容についても語られているのが興味深かった。未読の作品を読んでみたい気持ちになる♪心が安らぐ作品だった。



| ”は” その他 | 15:25 | comments(0) | ゆこりん |


綾乃ちゃんのお告げ(橋本紡)

まだ小学5年生なのに、教主さまと呼ばれる綾乃ちゃん。彼女の不思議な力が、さまざまな人を幸福へと導く。彼女の不思議な力とは?3編を収録。

どちらの道に進むべきか?この道を進んで本当にいいのか?人生を歩んでいくときに迷うことがある。そんなとき、ポンと背中を押してくれる人がいれば・・・。そう考えたことはないだろうか?この作品の中にもそんな人たちが登場する。そういうとき、「綾乃ちゃん」は彼らの背中を進むべき方向にポンと押す。その先に何が待っているのかを、知っているかのように。いや、その不思議な力で本当に知っているのだ。だが、そのことは決して彼女自身の幸せにはつながらないような気がする。「綾乃ちゃん」にはまだまだ謎が多い。作者はこの先、その謎を解いてくれるのだろうか?



| ”は” その他 | 14:33 | comments(0) | ゆこりん |


ひかりをすくう(橋本紡)

仕事にがんばりすぎた智子はパニック障害になってしまう。一緒に暮らす哲ちゃんと二人、仕事を辞めて都会を離れることにした。智子の心は少しずつ癒されていくが・・・。

がんばりすぎることに気づかないまま自分を追い詰めてしまうことがある。そんなとき、こんなふうに自分を解放することができればいいなと思う。自然体で生活したいと思っていても、なかなか実現することは難しい。智子と哲ちゃんの生活は、読んでいると緊張感が取れ、どこかほっとする気持ちになる。智子が手のひらで光をすくうシーンと、小さな草を見て「こんな小さなものにも、光はちゃんと宿るのだ。」と思うシーンが印象的だった。何気ない日常を描いた作品だが、ほのぼのとしたものを感じた。



| ”は” その他 | 17:24 | comments(0) | ゆこりん |


ひまわり探偵局(濱岡稔)

一投資家から身を起こし、兜町の狼とまで言われた風雲児加賀美喬生。彼の死後見つかったメモに書かれたメッセージは何を意味するのか?ひまわり探偵局の探偵陽向万象(ひなたまんぞう)の推理が光る!「伝言ーさよなら風雲児」など、4編を収録。

すべてが、考え抜かれた緻密な謎解きで構成されている。特に「伝言ーさよなら風雲児」は、その緻密さに驚かされる。かなりの知識がなければこれほどまで書けないだろう。逆に言うと、読み手にもそれ相応の知識が必要とされる。ちょっと凝りすぎではないかと感じる部分もあったが・・・。ここに収められているどの話にも、作者の優しさが感じられる。決して戻らぬ過去の日々。届かぬ思い。涙する人たちに向けられた作者の温かなまなざしが、読み手にも伝わってくる。心がほんわかしてくる作品だった。



| ”は” その他 | 17:46 | comments(0) | ゆこりん |


少女の器(灰谷健次郎)

両親が離婚した後、母峰子と暮らしている絣。彼女は時々父万三の所にも遊びに行っていた。父母、母の恋人、父の恋人、絣の男友達。さまざまな人と触れ合いながら心の成長を遂げていく少女の物語。

絣はどこにでもいる女の子だ。悩みも、他の少女と似たり寄ったりだと思う。ただ彼女には繊細すぎるところがあって、自分を分析して自分自身を責めてしまうことがある。はたして自分の取った行動はそれでよかったのか?自分の言ったことは相手を傷つけなかったか?だが、そういう苦悩の一つ一つが彼女を成長させる糧となる。絣という一人の人間の、少女から大人の女性へと変わりゆくさまがとてもよく描かれていた。この作品を読んで、「こんな娘がほしい!」と言った人がいるそうだが、何となく分かるような気がした。



| ”は” その他 | 15:44 | comments(0) | ゆこりん |


スメル男(原田宗典)

ある日突然、無臭覚症になってしまった武留。自分ではまったく臭いを感じない・・・。そんな彼に異変が起きる。東京中が大騒ぎになるほどの悪臭が、彼の体から漂い始めたのだ。原因は?そしてその臭いを追い求める男たちの目的は?

自分ではその臭いを感じることが出来ないから、周りの人間がどれほどその臭いで迷惑しているのか分からない。悪臭の原因である本人はとまどうばかり。そこへ現れたのは、その臭いを利用しようとする不審な男たち。そしてその武留を助けようとしたのは、天才と呼ばれる少年たち。テンポよく話が進む。しかし、決して喜劇的な話ではない。そこに登場する人物一人一人を見ると、何だか悲哀感さえ漂う。みんなそれぞれの立場で、必死に生きようとしている。それが分かるからこそ、読んでいくと気持ちが切なくなる。悲喜劇てんこ盛り。そんな印象だった。



| ”は” その他 | 08:14 | comments(0) | ゆこりん |