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さすらい(赤川次郎)

自由に自分の考えを主張できなくなってしまった日本。作家としての活動ができなくなった三宅邦人は、一人北欧の町へ。しかし、そこでの平穏な暮らしも破られようとしていた・・・。

三宅の思想を危険視し、彼の存在を消し去ろうとする中田、三宅の恋人マリア、三宅の娘志穂と孫の真由、志穂を気遣う新聞記者の西川。さまざまな思いが入り乱れる。やがて暗殺者が三宅のもとへ。話としては面白いのだが、読んでいて緊迫感が伝わってこない。なぜ日本がそうなってしまったのか、そこのところも曖昧。登場人物についても、もう少し掘り下げて描いてほしかった。だが、「もし日本が実際にこういう国になってしまったら?」と考えるとぞっとした。あり得ない話ではないと思った。



| ”あ” その他 | 21:16 | comments(0) | ゆこりん |