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護られなかった者たちへ(中山七里)

仙台市の福祉保険事務所課長・三雲忠勝が行方不明になり、その後身体の自由を奪われた状態の餓死死体で発見された。誰に聞いても、三雲は人から恨みを買う人間ではないと言われる。では、いったい誰がどんな動機で三雲をこんな残酷な方法で殺害したのか?そこには、現代社会が抱える深刻な問題があった・・・。

犯人は、三雲をひと思いに殺さなかった。じっくりと時間をかけ、苦しみながら死んでいく方法を取った。いったいどんな恨みがあるというのか?県警捜査一課の苫篠は蓮田とともに捜査を開始するが、有力な情報は得られなかった。そして、第二の殺人が起こる・・・。
この本を読み終えたときの衝撃は大きかった。生活保護・・・。護るべき者とそうでない者の線引きはいったい何を基準にして決めるのか?「生活保護を受けないと命にかかわる!」そんな切羽詰まった訴えも、冷たく拒否されることもある。お金がなく、ライフラインを止められ食料も尽きて亡くなった人は、実社会でもいる。だが、保護を求める人たちすべてを保護できないという福祉側の事情も分かる。一体どうすればいいのか。現代社会が抱える大きな問題だ。
人を殺すのは大罪だ。けれど殺害動機を知ったとき、犯人を純粋に憎むことができなかった。改めてもう一度問いたい。護るべき者とそうでない者の線引きはいったい何を基準にして決めるのか?明確な答えを見出すことができない限り、悲劇は無くならないと思う。
重いテーマを真正面から見据えた、読みごたえのある作品だった。オススメです!



| 中山 七里 | 21:09 | comments(2) | ゆこりん |


>しゅうじさん
おひさしぶりです。こちらこそごぶさたしています。
誰を護るのか?その選択は、とても難しいと思います。
人が人を判断するのには限界があります。
でも、護られるべき人がきちんと護られる世の中になって
ほしいですよね。
| ゆこりん | 2018/04/17 8:19 PM |

こぶさたしてます。☆REEにいた「しゅうじ」です。
最後の結末はとても衝撃的でしたが、ある意味納得できる内容だったと思います。
「法の下の平等」、「文化的な生活を営む権利」などなど、理想と現実は違いますが、本当に護らなければならない人たちが護られる世の中になってほしいと思います。
| しゅうじ | 2018/04/16 4:06 PM |