いちねんかん(畑中恵)
2022.05.02 Monday
江戸の通町にある廻船問屋兼薬種問屋の長崎屋の跡取り息子の一太郎は、両親の話に目を丸くしていた。二人は一年間湯治に行くという。あるじが店を空けている間、はたして一太郎はちゃんと店を切り回していくことができるのか・・・?表題作を含む5編を収録。しゃばけシリーズ第19弾。
体の弱い一太郎。両親のいない間、妖たちと力を合わせ二つの店を切り回していく。しかし、次から次へと難題が!奉公人を使うことの難しさ、失うものが何もない人間の怖さ、災いをもたらす者たちの争い、大店の娘婿選び騒動と、難題の内容は様々だ。一太郎の冷静な判断が光る。
一太郎は体は弱いかもしれないが、何が起こってもくじけない強い心を持っている。一年間の留守番で、彼は一回りも二回りも成長したと思う。今回も楽しみながら読むことができた。考えさせられる話もあった。次回作に期待したい。
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