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最後の晩ごはん 小説家と冷やし中華(椹野道流)

深夜に営業する定食屋「ばんめし屋」。常連客の小説家・淡海五朗には、誰にも言えない心の傷があった。そのために冷やし中華は決して食べなかったのだが・・・。最後の晩ごはんシリーズ2。4編を収録。

ねつ造スキャンダルがもとで芸能界から姿を消した海里だが、しだいに「ばんめし屋」の暮らしに慣れてくる。料理も積極的に覚えようと努力している。そんな海里だが、かつての後輩が訪ねてきたり、芸能記者に居場所を知られ押しかけられたりと、心穏やかではない。「まだ役者に未練がある。けれど、それはかなわない。」心の葛藤が痛々しくもある。
一方、冷やし中華断ちしている常連客の小説家・淡海には、とりついている幽霊が・・・。海里は、どうしていつも幽霊が淡海と一緒なのか、その理由を突き止めようとする・・・。
人が心の中に抱えているさまざまな悲しみや苦悩。今回も、作者はそれをていねいに描いている。登場人物の心理描写が細やかだ。なので、読んでいて感情移入してしまう。つらくても、苦しくても、悲しくても、人は前を向いて生きなければならないのだ。
今回も面白かった。心の中にほのぼのとしたものが残った。



| ”ふ” その他 | 19:24 | comments(0) | ゆこりん |