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灰色の虹(貫井徳郎)

「空に輝く虹のように、未来も輝いているはずだった・・・。罪をでっち上げ、人生の色を灰色に変えてしまったのは、誰だ!」
身に覚えのない殺人の罪。どんなに否定しても、彼は殺人犯に仕立て上げられていく。冤罪を晴らす手段はなかった。やがて、おとなしく平凡だったひとりの人間が復讐鬼へと変貌する。狙うのは、事件を扱った刑事、検事、裁判官、そして・・・。

勤めている会社の課長が殺された。ほんのささいなことから警察に目をつけられてしまった江木。目撃証言が妙に捻じ曲げられ、彼はやってもいない殺人事件の犯人になってしまう。「冤罪はこうして作られる。」という典型的なパターンだ。取調室で江木を追い詰めていく刑事の伊佐山のやり方には本当に腹が立った。権力を持つものは謙虚でなければならないと聞いたことがある。だが、伊佐山は権力を降りかざし、手段を選ばず、自分に都合のいい結論を強引に導き出そうとする。結局、江木の血を吐くような叫びは、刑事にも検察官にも裁判官にも届かなかった。冤罪により江木は、家族や恋人、そして自分自身の未来までも、本当にすべてを失ってしまったのだ。復讐はよくない。まして、人を殺すのは、どんな理由があろうとも絶対に許されるべきことではない。けれど、すべてに絶望した江木に、ほかにどんな選択肢があったというのか・・・。
読んでいる途中で結末がある程度分かってしまったが、それでもラストは胸にぐっと来た。重く切なく、そして悲しい余韻の残る作品だった。



| 貫井 徳郎 | 19:55 | comments(0) | ゆこりん |