トライアングル(新津きよみ)
2009.05.01 Friday
郷田亮二は、20年前に起こった悲惨な事件の影響をまだ引きずっていた・・・。10歳のときに起こった誘拐殺人事件の犠牲者の葛城佐智絵は、彼の初恋の相手だった。医師という職業を捨て刑事になった亮二は、時効後も事件の真相を追い続けるが・・・。
20年前に起こった誘拐殺人事件の犯人はまだ見つからない。時効後も真相を追い続ける亮二。元担任だった藤崎敏子にとっても、この事件は決して忘れることのできないものだった。そして、元のクラスメートたちもそれは同じだった。そんな中で開かれたクラス会で起こった衝撃的なできごと!葛城サチと名乗る葛城佐智絵そっくりの女性が現れたのだ。この女性はいったい何者なのか!?
こういう感じで話が展開していくわけだが、淡々と描かれているといった感じだ。あまりに淡々としすぎていて、ストーリーの盛り上がりに欠けている。根本的な問題として、作者自身が何に重点を置いて書こうとしたのかが分からない。謎解きでもない、人間ドラマでもない、中途半端な印象を受ける。誘拐事件の真相が明かされても、意外性も感じなければ、感動することもない。不満ばかりを抱いて読んだので、読後感もよくなかった。「いまいち」という感じの作品だった。
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