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ロードムービー(辻村深月)

小学5年生の春、トシは「嫌い」とか「近づかない方がいい」と言われていたワタルと友達になった。その時からクラスメートのトシに対する態度が変わり始めた。どんなことがあってもワタルとの友達関係を続けていこうと決心したトシだったが、ある日思いも寄らぬことが起こった。表題作「ロードムービー」を含む3編を収録。

「冷たい校舎の時は止まる」に登場した人物たちに再び会うことができ、何だかなつかしい気持ちになった。もちろん、「冷たい・・・」を読んでいなくても充分この作品を味わうことはできる。
トシとワタルの物語を描いた「ロードムービー」、塾の生徒千晶とバイトの先生のふれあいを描いた「道の先」、心に傷を負った少年ヒロと彼の力になりたいと思う少女みーちゃんを描いた「雪の降る道」、3編どれもよかった。
自分ではどうにもできないことがある。そんな時、幼い心はおびえ、とまどい、不安に押しつぶされそうになる。そこに、誰かが手を差しのべてくれたなら・・・。作者はどうして弱い者の心をこんなにも巧みに表現できるのだろうか。登場人物たちの悩み、苦しみ、不安、そして心の震えまでが、手にとるように伝わってくる。読んでいくうちにどんどん感情移入していく自分が止められなかった。
哀しく切ないストーリーの中に、ほっとする救いとほんのりとした温もりがある。そんな珠玉の短編集だった。



| 辻村 深月 | 22:39 | comments(0) | ゆこりん |


ふちなしのかがみ(辻村深月)

「あこがれの高橋冬也と自分の未来を知りたい!」
香奈子は、友だちから聞いた方法で自分の未来を鏡に映してみた。そこで見た一人の少女は?彼女はしだいに、現実の世界と鏡の中の世界との区別がつかなくなる。そして・・・。未来を変えたいと思い始めた香奈子を襲った戦慄のできごととは?表題作「ふちなしのかがみ」を含む5編を収録。

「ふちなしのかがみ」のラストには衝撃を受けたが、それよりも怖かったのは「踊り場の花子」だった。じわじわと迫り来る得体の知れない恐怖。否定したくてもできない状況に追い込まれていくひとりの男。ラストに待っているものは・・・。思い出しただけでも、ぞくっとする。また、「八月の天変地異」は、怖さよりもむしろほのぼのとしたものを感じた。この3編は面白かった。けれど、「ブランコをこぐ足」「おとうさん、したいがあるよ」は、作者の意図がまるで分からなかった。特に「おとうさん、したいがあるよ」の話は意味不明と言ってもいいくらいだ。5編の話を比べると、よくできている話とそうでない話との差が大きい。大き過ぎる。そこが読んでいて残念だった。



| 辻村 深月 | 19:02 | comments(0) | ゆこりん |


ぼくのメジャースプーン(辻村深月)

学校で起こった事件はあまりにむごたらしく、「ぼく」の大切な友だちのふみちゃんの心を閉ざしてしまった。事件を起こした市川雄太に対し、「ぼく」は自分の持つ不思議な力を使うことを決意する。チャンスは一度だけ。はたしてその結末は?

ふみちゃんの心を閉ざし笑顔を奪ったのに反省のかけらもない市川雄太に対し、幼なじみの「ぼく」は自分の持つ不思議な力を使おうとする。ある一定の条件のもとで口から出した言葉は、相手の心を縛る。何をどう言葉にするのか?彼と秋山先生の間で議論がかわされる。もちろん、こんなことをしてもふみちゃんの心はもとには戻らないのだが。そのむなしさを抱えたまま彼は市川雄太への言葉を捜し求める。反省してもらうために。二度とこんな事件を起こさせないために。
一度口から出してしまった言葉は取り消せない。それだけに、相手に使う言葉は慎重に決めなければならない。秋山先生と主人公との間でかわされる会話は、とても興味深かった。ラストは、「あっ!」という驚きがあった。だが、それだけ決意が大きく深かったのだと思うと、心に迫るものがあった。「いつの日か、ふみちゃんに以前のような笑顔が戻りますように。」そう願わずにはいられない。



| 辻村 深月 | 21:55 | comments(0) | ゆこりん |


凍りのくじら(辻村深月)

カメラマンだった父が失踪したあと、理帆子は母と二人で暮らしてきた。だが、母が病に倒れ、命の期限を宣告される。そんな理帆子の前に現れたのは別所あきらという青年だった。彼のやさしさや温かさが理帆子の心を少しずつ元気にしていくが、昔の恋人若尾が執拗に理帆子にまとわりつき、事件が起こった!

各章のタイトルがドラえもんの道具なので最初は軽い内容なのかと思ったが、実際はかなりシリアスなものだった。理帆子とかつての恋人岩尾の関係、母の病気、父の友人の松永と息子の郁也、そして理帆子の心を癒してくれた別所。さまざまな人間の絡みの描写が見事だと思う。特に、壊れていく岩尾と理帆子の関係は何とも言えない。別れてしまったはずなのに、未練を残す岩尾。そんな岩尾を振り切れずあいまいな態度をとる理帆子。かなり、ハラハライライラさせられた。それと同時に、壊れていく男の心の怖さも味わった。ラストは、理帆子の成長を思わせるものがあり、無難にまとめられていた。別所と理帆子の関係も心温まる。やさしい感じがする作品だった。



| 辻村 深月 | 15:20 | comments(0) | ゆこりん |


冷たい校舎の時は止まる(辻村深月)

8人以外は誰も登校して来ない・・・。雪の日、学校に閉じ込められた彼らは、この中に2ヶ月前に自殺した者がいることを知る。やがて一人、また一人と校舎から消えていく。自殺したクラスメートは誰なのか?この不思議な空間を作り出した「ホスト」の正体とは?

学校という巨大な密室。そこで起こる、チャイムが鳴るたびに一人ずつ消えていくという恐怖に満ちたできごと・・・。8人の中に自殺したものはいるのか?この不思議な空間を生み出した者の目的は?不思議さと怖さが入り混じり、ページをめくる手が止まらなかった。逃げ場のない空間の中で必死に当時のことを思い起こし、何とか解決の糸口を見つけようとする8人。彼らのそれぞれの回想の中に手がかりがあるのだろうか?どんな些細なことも見逃すまいと必死に読んだ。ラストにかなりの期待をしたのだが、こういう持って行き方はどうなのだろう?ネタバレになるので詳しいことは書けないが、読む方としては何だかだまされた気持ちになる部分があった。「うーん、だからあの部分はあんなに長かったのね。でもね〜・・・。」かなりの長さをがんばって読んだのに、その分報われてない気がする。無難にまとめられているとは思うが。



| 辻村 深月 | 16:44 | comments(0) | ゆこりん |


子どもたちは夜と遊ぶ(辻村深月)

始まりは高校3年生の男の子の行方不明事件だった。その後次々に起こる事件。カギを握る木村浅葱の心に潜むものは?また、ゲーム感覚の殺人事件に隠された驚愕の秘密とは?

「i」という謎の人物。その人物と会うことを切に望む木村浅葱。会うために続けられる残酷なゲームの犠牲になる人たち。その内容はあまりにも衝撃的で、読んでいてつらくなるほどだった。「ここまでしなけらばならないのか・・・。」浅葱が持つ異常さには言葉もない。だが、同情する余地などないはずなのに、彼の心のうちを知れば知るほど切ない気持ちにさせられていく。彼の生い立ちも哀れだ。心を通い合わせていたはずの狐塚孝太や月子と、浅葱との関係も切ない。だが、切ないばかりではない。ラストに待っていた真実には驚かされた。
ストーリーが立体的に組み立てられ、登場人物の描写もていねいで、文庫本上下あわせて1000ページの大作だが長さをまったく感じなかった。幅も深みもある、読み応え充分の作品だった。



| 辻村 深月 | 16:38 | comments(0) | ゆこりん |


スロウハイツの神様(辻村深月)

赤羽環に誘われてスロウハイツの住人になったのは、個性豊かな人ばかり。その中には、かつて「チヨダ・コーキの小説で人が死んだ」と非難された小説家の千代田公輝がいた。彼らは穏やかな生活を送っていたが、ある謎の少女がスロウハイツの住人になってから、微妙な変化が現れ始める・・・。

作者の言うとおり、おとぎ話のような作品だった。スロウハイツで繰り広げられる人間模様。そのひとつひとつのエピソードが、心地よく胸にしみる。環が歩んできた人生とは?なぜスロウハイツに友人たちを呼び寄せたのか?彼女の心の奥底に秘められた思いとは?前半のたくさんの伏線が、後半で見事な華に変わってゆく。その過程を泣きたくなる思いで読んだ。
自分らしく、自分の心に忠実に生きることは難しいと思う。でも、少しでもそれができたなら、こんなに素敵なことはないだろう。スロウハイツの住人たちがたまらなく愛しくなる。ラストもほのぼのとしてよかった。疲れた心を癒してくれる、そんな作品だと思う。



| 辻村 深月 | 16:25 | comments(0) | ゆこりん |